岩波文庫版、江戸川乱歩作品集Ⅲが出ました。
今回のテーマは、「夢のゆくえ」だそうで、私が予想していたように「パノラマ島奇談」が収録されています。
収録作品は、以下のようになっています。 1：パノラマ島奇談 2：偉大なる夢 3：百面相役者 4：毒草
5：芋虫 6：防空壕 7：指
1：映画、マンガ化もされている超が付くくらい有名な作品です。成りすましを使った作品なのですが、最後は・・・・・。
鬼才「石井輝男が、「恐怖奇形人形」のタイトルで映画化しています。
こちらの方は、アングラ、暗黒舞踏塾、土方のパフォーマンスをメインとしたような映画ですが、乱歩のグロテスク趣味がよく出ています。
2：乱歩が、戦時中に発表した時局に迎合したような作品で、私個人としてはあまり感心しません。
3：いくら百面相といっても、よく考えるとこんな話は、あり得ないでしょうが・・・・。
4：堕胎に使われた薬草の話をしていると、その話を聞きつけた・・・。そして自生していたその薬草も・・・・。
5：本作も映画化、コミック化されている超有名短編です。しかし、この作品も後味が悪いですね！！
6：戦争中防空壕へ逃げ込んだら、そこへｒ同じく美女が逃げ込んできて、恐ろしさを忘れ・・・・。
この話も最後に強烈なオチが・・・・。
7：事故で利き腕の手首を切断したピアニストのお話ですが・・・・、これも最後に強烈なオチが・・・。
今回の作品は、考えてみると、すべて夢落ちで片づけられそうな作品ばかりともいえます。
しかし、乱歩の夢は、いずれも強烈で、グロテスクなものばかりで、しかも、この作品集には、
後味の悪いものばかりが集められています。推理小説というよりは、幻想・怪奇に近い作品ばかりです！！
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