実際に政治家・法律家として活躍し、時には論敵同士として公式の場で戦った第1級の知識人たちが、別荘でくつろいで、談話した記録(調の文学?)。
様々な場面を思い出しつつ論じているので、雰囲気を味わうに過ぎないところもあるが、第1線で活躍し、また政治情勢によって浮沈に曝されたキケロ―がこのような大著を書き残したことだけでも、ギリシア・ローマの知識人が、人間の普遍的な知性と精神の総合を求めて生きていたことをうかがわせる。
個別に、興味深い感想が所々入っていて面白い。
ー人間は誰でもはげしい嫉妬を懐くものだ(p300)。
ー弁論の出だしのところで顔が青ざめ、身体全体、心全体が震える(p76)。
ー語るものが熱を込めているのでなければ、陪審員に訴えることができない(p284)。
大人の本である。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
弁論家について 上 (岩波文庫 青 611-4) 文庫 – 2005/5/17
- 本の長さ300ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2005/5/17
- 寸法10.5 x 1.5 x 14.8 cm
- ISBN-104003361148
- ISBN-13978-4003361146
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
キケロー
既存の弁論術を批判し、実践弁論の復権、哲学と弁論の再結合を説く。
既存の弁論術を批判し、実践弁論の復権、哲学と弁論の再結合を説く。
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2005/5/17)
- 発売日 : 2005/5/17
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 300ページ
- ISBN-10 : 4003361148
- ISBN-13 : 978-4003361146
- 寸法 : 10.5 x 1.5 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 109,515位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 82位その他の西洋思想関連書籍
- - 89位古代・中世・ルネサンスの思想
- - 220位西洋哲学入門
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2005年7月3日に日本でレビュー済み
弁論(つまりは、多数の人を相手に説得を
目的に、一席ぶつこと。主に政治が舞台)がうまい人ってどんな人か?
弁論がうまくなるためにはどんな資質が要求されるのかなんてことを、 キケロという人が、当時本当にいた有力な政治家を登場させて、ひたすらしゃべらせるという作品です。
これを、読んでいると、しゃべりがうまいということが、とても大事にされていたように感じますが、皮肉なことに、この本を書いた
キケロという人も、この本に登場する色々な人も、ほとんど、政治のドタバタの中で、マトモな死に方をしなかったという、笑えない
オチがついています。 つまり、身をもって、話がうまいだけでは
世の中渡っていけないことを示したわけです。
何らかの専門知識であれ、卓越した芸であれ、なにか、ヒカルものがあるから、その人のメッセージに輝きがあるのか、それとも、そういうコンテンツとは別に、うまく 話す技術のようなものがあるのか、
なんて論点をめぐるおしゃべりもあり、興味の持てる人にははまれる要素があります。
登場人物、みんな悲惨な死に方したけど、書いた本は2000年の時を越えて、生き残ったのが唯一の救いか・・・。
目的に、一席ぶつこと。主に政治が舞台)がうまい人ってどんな人か?
弁論がうまくなるためにはどんな資質が要求されるのかなんてことを、 キケロという人が、当時本当にいた有力な政治家を登場させて、ひたすらしゃべらせるという作品です。
これを、読んでいると、しゃべりがうまいということが、とても大事にされていたように感じますが、皮肉なことに、この本を書いた
キケロという人も、この本に登場する色々な人も、ほとんど、政治のドタバタの中で、マトモな死に方をしなかったという、笑えない
オチがついています。 つまり、身をもって、話がうまいだけでは
世の中渡っていけないことを示したわけです。
何らかの専門知識であれ、卓越した芸であれ、なにか、ヒカルものがあるから、その人のメッセージに輝きがあるのか、それとも、そういうコンテンツとは別に、うまく 話す技術のようなものがあるのか、
なんて論点をめぐるおしゃべりもあり、興味の持てる人にははまれる要素があります。
登場人物、みんな悲惨な死に方したけど、書いた本は2000年の時を越えて、生き残ったのが唯一の救いか・・・。
2007年2月11日に日本でレビュー済み
古代の生んだ人物の中で、キケロほど今日まで影響を及ぼしている人物は少ないだろう。たとえば『カティーリナ弾劾』の構成と言い回しは、ある新聞がある国を非難する際に、その節回しを流用していた。また、彼の生涯最後の弾劾演説『ピリッピカ』は2000年経っても政敵アントニウスの評価をどん底に追い落としている。
その弁論家が弁論には何があるか?弁論とはどのような構成で話されるべきか?何が弁論において重要か?等々を対話の形で述べた一書である。読み物としては大変面白く、また文化/社会史の史料としてもこの時代の人々の憩いや習慣をここから読み取ることも出来る。ただしキケロその人の思想をここから分析的に読み解くのは対話編というその形がかえって難しくしているが、逆に弁論術に関しては文中の話者に次々に話を振っていく事で無理なく心に留まるように工夫されている。
なお本書は文庫化にあたって1巻と2巻の前半部が上巻として、後半と3巻が下巻として分割されており、解説は下巻のみなので、分析的に読む人は上下とも目を通すことが必要である。
なお、キケロの弁論の威力は、「内乱の世紀」において弁論で最高位の政治家となったこと、またその後に、彼を暗殺することによってしか政治的に無力化できなかった事を指摘すれば十分だろう。
その弁論家が弁論には何があるか?弁論とはどのような構成で話されるべきか?何が弁論において重要か?等々を対話の形で述べた一書である。読み物としては大変面白く、また文化/社会史の史料としてもこの時代の人々の憩いや習慣をここから読み取ることも出来る。ただしキケロその人の思想をここから分析的に読み解くのは対話編というその形がかえって難しくしているが、逆に弁論術に関しては文中の話者に次々に話を振っていく事で無理なく心に留まるように工夫されている。
なお本書は文庫化にあたって1巻と2巻の前半部が上巻として、後半と3巻が下巻として分割されており、解説は下巻のみなので、分析的に読む人は上下とも目を通すことが必要である。
なお、キケロの弁論の威力は、「内乱の世紀」において弁論で最高位の政治家となったこと、またその後に、彼を暗殺することによってしか政治的に無力化できなかった事を指摘すれば十分だろう。
2012年12月30日に日本でレビュー済み
この翻訳書の日本語は読めない。
第一巻の5あたりまでは何とか日本語になっているが、6から後がもうどうしようもない。
何を言っているのかわからない文章がだんだん多くなってきて、
スカエウォラが話しだすともう何を言っているのか皆目わからない。
この訳者は「詞藻」とか「間然するところのない」とか、普通の読者には意味のわからない
凝った言い回しを多用するので、文章の意味がよけいに伝わってこない。
これは、ざっとどんなことが書いてあるかを日本語で知るための本で、訳本としての価値も
あやしいと言っていい。
私はブックオフで半値で買ったが、「買ってはいけない本」と言っていい。
読めない本に☆5つをつけているレビューはご愛嬌だろう。
第一巻の5あたりまでは何とか日本語になっているが、6から後がもうどうしようもない。
何を言っているのかわからない文章がだんだん多くなってきて、
スカエウォラが話しだすともう何を言っているのか皆目わからない。
この訳者は「詞藻」とか「間然するところのない」とか、普通の読者には意味のわからない
凝った言い回しを多用するので、文章の意味がよけいに伝わってこない。
これは、ざっとどんなことが書いてあるかを日本語で知るための本で、訳本としての価値も
あやしいと言っていい。
私はブックオフで半値で買ったが、「買ってはいけない本」と言っていい。
読めない本に☆5つをつけているレビューはご愛嬌だろう。