・田中三彦氏の「原発で何が起きたか」は、主に格納容器と原子炉の状態を公開されているデータを元に分析したもの。報道されているような、
非常用電源が水没したことが事故を拡大した主原因とする論議に反して、
地震動によって原子炉の主要配管部分が損傷し、冷却材喪失事故を引き起こした可能性を指摘しています。最終的な検証は何年も後のことになりそうですが、現状では東京電力自身が公開しているデータにもとずくかぎり、かなり説得的な議論です。これは原子炉の耐久性・耐震性についての重大な疑義になりそうです。なお、原子炉の圧力が下がり、一方で格納容器の圧力が上昇したことは、上記の冷却材喪失事故で説明されますが、格納容器の圧力が約0.74Mpaまで上昇してしまったことが謎として残っています(設計上は事故時でも0.4Mpaまでしか上昇しない)。本稿では、元東芝技術者の渡辺敦雄氏の意見として、サプレッションプールが水面の揺れによって機能しなかった可能性について言及されています。先日NHKのETV特集で元GEの格納容器の技術者が出演していて、サプレッションプールは高圧蒸気の流入時に破損の可能性があったと証言していました。サプレッションプールの機能と耐久性も、性能面で問題があったのかもしれません。
・後藤政志氏の「事故はいつまでつづくのか」。いわゆる多重防護とか、原発の事故は確率上は無視しうるくらい小さいといわれてきたことについて書かれていることが印象的です。要約すると原発の事故率が低いという言説がモラルハザードを引き起こしてきたという意味だと思います。現実にスリーマイルやチェルノブイリで起きたことは、運転上のミス、設計上の問題、規則違反などの特殊事情であり、原発の原理的な危険性とは関係がないと言われました。一方で日本の過酷事故対策は、原発が工学上安全で事故確率は無視しうるほど小さいので必要性がないと説明されます。たぶん原発の事故発生率などというのは個々人の安全対策を捨象したかなり抽象的な議論で、地震津波その他のリスクに対する耐久性は現実的な技術的対応が必要だったのでしょうが、ひとつひとつの安全対策の他に原理的な安全の原理があるかのような誤解と慢心があったのかもしれません。
あと原発特有の危険性として、核燃料のエネルギー密度が大きいということは、他の発電手段と比べて事故収束が難しい原因になるとおっしゃっています。
・石橋克彦氏の「地震列島の原発」。日本がとても特殊的に地震多発地帯と原発立地が重なり合っている様子がわかります。耐震設計についての新指針は、既存原発が運転可能な様に地震動の想定自体を下げてしまっていると批判されています。津波対策については、立地についての審査指針からみると、津波の発生地域に立地すること自体が間違いという考えです。ちなみにNHKのETV特集では、GEの元技術者がGE製のmark1格納容器は耐震性が無く、アメリカでは地震発生地域には設置していないと証言していました。
他に交付金と立地地域の地方財政・地方自治の問題、プルトニウムと最終処理・核不拡散の問題など、様々な論点が提示されています。諸富徹氏の電力供給システムを大きく変化させ、「非連続な軌道の変更」=イノベーションが必要という言葉には非常に同意させられます。
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原発を終わらせる (岩波新書) 新書 – 2011/7/21
石橋 克彦
(編集)
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福島第一原発により、原発の安全神話は完全に崩れ去った。原発から脱却する以外に道はない。これまでも警鐘を鳴らしてきた研究者ら14名が、事故を検証し、原発の問題性をあらためて指摘。原発を終わらせるための現実的かつ具体的な提案。
- ISBN-104004313155
- ISBN-13978-4004313151
- 出版社岩波書店
- 発売日2011/7/21
- 言語日本語
- 寸法11 x 1.1 x 17 cm
- 本の長さ247ページ
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2011/7/21)
- 発売日 : 2011/7/21
- 言語 : 日本語
- 新書 : 247ページ
- ISBN-10 : 4004313155
- ISBN-13 : 978-4004313151
- 寸法 : 11 x 1.1 x 17 cm
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2011年8月22日に日本でレビュー済み
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2017年7月25日に日本でレビュー済み
福島第一原発の事故を受けて、その概要と、原発のそもそもの問題点を「科学・技術的側面」と「社会的側面」から概括し、最終的に「どう終わらせるか」を、14人の識者の視点から論じた一冊です。
地域独占・垂直統合型の電力供給体制を政官財学が支え合う構造がパラダイムシフトを果たさない限り、こういった提言の行方はとても心もとないですが、それでもやはり改めて「哲学」の必要性を考えさせられました。
地域独占・垂直統合型の電力供給体制を政官財学が支え合う構造がパラダイムシフトを果たさない限り、こういった提言の行方はとても心もとないですが、それでもやはり改めて「哲学」の必要性を考えさせられました。
2014年8月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これだけはっきりと宣言性、メッセージ性のあるタイトルは珍しいだろうし、脱原発論にとっては胸の空くようなものである気がしないでもないのだが、新書の運命として数か月でレビューも途絶えそんなに売れ続けているわけでもなさそうである。
タイトルに直結させるとすると、やはり第四部の「どう終わらせるか」がメインになるべきであろうものの、それ自体硬質な記述ではあってもやはりそれを実現してみせるほどの力技というようなものはそれほど感じられない。
ただ、引退した小泉純一郎さんが云い始めたように、政治家が大方針を示してはっきりと国策の転換を掲げればできないことはないだろうし、放っておいても半減どころか三分の一に縮小されてしまうのが原発産業であるという事は既に動かない。それをどれだけ早くして徹底してやるかという事について、やはりもっと第四部の議論を拡充していかねばならない。
脱原発が無責任などという事よりも原発維持、原発依存の方がよほど無責任であった事のまずは反省から始まって、それを基本にして石油の時代の終わり、そして各種の自然エネルギーの拡充、百パーセント化、また蓄電、送電システムの効率化までをもっと大胆に展望してもいいだろうと私自身は考えている。
タイトルに直結させるとすると、やはり第四部の「どう終わらせるか」がメインになるべきであろうものの、それ自体硬質な記述ではあってもやはりそれを実現してみせるほどの力技というようなものはそれほど感じられない。
ただ、引退した小泉純一郎さんが云い始めたように、政治家が大方針を示してはっきりと国策の転換を掲げればできないことはないだろうし、放っておいても半減どころか三分の一に縮小されてしまうのが原発産業であるという事は既に動かない。それをどれだけ早くして徹底してやるかという事について、やはりもっと第四部の議論を拡充していかねばならない。
脱原発が無責任などという事よりも原発維持、原発依存の方がよほど無責任であった事のまずは反省から始まって、それを基本にして石油の時代の終わり、そして各種の自然エネルギーの拡充、百パーセント化、また蓄電、送電システムの効率化までをもっと大胆に展望してもいいだろうと私自身は考えている。
2011年8月8日に日本でレビュー済み
先ず、「技術」という問題についてみてみよう。例えば“原発容認派”である池田信夫は、8月3日付けのブログ記事(「安心」という偽薬)で、使用済核燃料の最終処分に関し、「物理的には放射線を遮蔽する技術は確立している。しかし政治的には、最終処理の方法は確立していない」として、「原子力の問題のほとんどは技術ではなく、政治と感情なのだ」と断じている。何を根拠に「技術は確立している」と持論を吐いているのか定かでないが、当書の井野博満論文で、こうした《核分裂生成物(死の灰)の廃棄物処理=ガラス固化体による地層処分=技術といえない技術》の問題点を「政治と感情」を抜きにして、私達に分かり易く、簡潔に解説しているのが、この新書の特徴であろうか。
この井野論文のほか、「地震テクトニクス」の石橋克彦・神戸大学名誉教授など14名の論客達が、福島第一原発事故の真実、科学・技術的及び社会的側面からの原発が抱える本質的な問題点、最後に原発を終わらせるための道筋を論じている。そして、石橋名誉教授は、執筆陣を代表して「いまこそ日本は原発と決別しなければならない」とし、「それぞれの紙数が少ないために、個々の論述は必ずしも十分とはいえない。しかし、本書を読めば、いまなお原発を続けようとする原子力村や財界の思考が時代遅れで危険きわまりないものであることがわかるだろう。本書が原発を止めるための一石となれば幸いである」(本書はじめに)と、当書の意義を語っている。その通りの書物である。
この書は、科学的・技術的・社会的に有益な原子力発電等に対する14本の力作で構成されているが、一点だけ述べておきたい。それは飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所長)の論稿である。氏のいう環境エネルギー政策の「20世紀型パラダイム」から「21世紀型パラダイム」への転換といった考え方は基本的に肯諾できる。問題なのは太陽光発電等「自然エネルギー」への過度の傾斜だ。これに菅直人や孫正義らが様々な思惑から飛び付いた訳だけれども、広瀬隆氏が一刀両断するように「太陽光発電が原発の代替になるなど、少女趣味の幻想」に過ぎず、私はやはり、天然ガスを利用した「コンバインドサイクル発電」などの推進を図るべきと考える(『 原発の闇を暴く 』参照)。
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先ず、「技術」という問題についてみてみよう。例えば“原発容認派”である池田信夫は、8月3日付けのブログ記事(「安心」という偽薬)で、使用済核燃料の最終処分に関し、「物理的には放射線を遮蔽する技術は確立している。しかし政治的には、最終処理の方法は確立していない」として、「原子力の問題のほとんどは技術ではなく、政治と感情なのだ」と断じている。何を根拠に「技術は確立している」と持論を吐いているのか定かでないが、当書の井野博満論文で、こうした《核分裂生成物(死の灰)の廃棄物処理=ガラス固化体による地層処分=技術といえない技術》の問題点を「政治と感情」を抜きにして、私達に分かり易く、簡潔に解説しているのが、この新書の特徴であろうか。
この井野論文のほか、「地震テクトニクス」の石橋克彦・神戸大学名誉教授など14名の論客達が、福島第一原発事故の真実、科学・技術的及び社会的側面からの原発が抱える本質的な問題点、最後に原発を終わらせるための道筋を論じている。そして、石橋名誉教授は、執筆陣を代表して「いまこそ日本は原発と決別しなければならない」とし、「それぞれの紙数が少ないために、個々の論述は必ずしも十分とはいえない。しかし、本書を読めば、いまなお原発を続けようとする原子力村や財界の思考が時代遅れで危険きわまりないものであることがわかるだろう。本書が原発を止めるための一石となれば幸いである」(本書はじめに)と、当書の意義を語っている。その通りの書物である。
この書は、科学的・技術的・社会的に有益な原子力発電等に対する14本の力作で構成されているが、一点だけ述べておきたい。それは飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所長)の論稿である。氏のいう環境エネルギー政策の「20世紀型パラダイム」から「21世紀型パラダイム」への転換といった考え方は基本的に肯諾できる。問題なのは太陽光発電等「自然エネルギー」への過度の傾斜だ。これに菅直人や孫正義らが様々な思惑から飛び付いた訳だけれども、広瀬隆氏が一刀両断するように「太陽光発電が原発の代替になるなど、少女趣味の幻想」に過ぎず、私はやはり、天然ガスを利用した「コンバインドサイクル発電」などの推進を図るべきと考える(『 原発の闇を暴く 』参照)。
2011年8月27日に日本でレビュー済み
原発に関する技術面、社会科学面などを網羅した好著。
放射線障害と予防、治療などに関する項目が欲しかった。広島、長崎、福竜丸、チェルノブイリなどを参考にしたものが出版されることを期待したい。
子供の将来に悩んでいる親にとっては最大の関心事でもある。
チェルノブイリ事故後の甲状腺がんは当時5歳以下の幼児の10年後の発病が多いようだが(菅谷昭、下記)、TV映像では圧倒的に思春期の女性患者が多い印象を受けるが、発病に性差はあるのだろうか?
この辺りを考慮した続編が欲しい。
たとえば、チェルノヒブイリ診療記の菅谷昭、原発事故を問うの七沢潔、チェルノブイリクライシスの奥原希行などの寄稿を望みたい。
東電の事故時の全データー公開は人類に対する贖罪である。それらのデーターを本書の技術面を担当した面々などが協力して解明し、報告されることを大いに期待する。
七沢氏の「原発事故を問う」によればチェルノブイリ原発責任者は刑事罰を受けている。東電事故は国際刑事罰ものである。
色々な意味で本書は原発事故に関するシリーズの第一巻と捉えるべきであり、今後更に充実させるのは岩波書店の義務でもある。
本書は勉強会資料としても有効だが、参考文献リストが無いのは残念。
放射線障害と予防、治療などに関する項目が欲しかった。広島、長崎、福竜丸、チェルノブイリなどを参考にしたものが出版されることを期待したい。
子供の将来に悩んでいる親にとっては最大の関心事でもある。
チェルノブイリ事故後の甲状腺がんは当時5歳以下の幼児の10年後の発病が多いようだが(菅谷昭、下記)、TV映像では圧倒的に思春期の女性患者が多い印象を受けるが、発病に性差はあるのだろうか?
この辺りを考慮した続編が欲しい。
たとえば、チェルノヒブイリ診療記の菅谷昭、原発事故を問うの七沢潔、チェルノブイリクライシスの奥原希行などの寄稿を望みたい。
東電の事故時の全データー公開は人類に対する贖罪である。それらのデーターを本書の技術面を担当した面々などが協力して解明し、報告されることを大いに期待する。
七沢氏の「原発事故を問う」によればチェルノブイリ原発責任者は刑事罰を受けている。東電事故は国際刑事罰ものである。
色々な意味で本書は原発事故に関するシリーズの第一巻と捉えるべきであり、今後更に充実させるのは岩波書店の義務でもある。
本書は勉強会資料としても有効だが、参考文献リストが無いのは残念。
2011年8月6日に日本でレビュー済み
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各々、各分野の専門家が原発について冷静にかなり掘り起こして記述しています。原発で現在起こっていること、原発の問題点を技術的側面、社会的側面について論じ、どう廃原発を進めるかに言及しています。わたしは理系人間なので、データに基づいた事故の分析、プラントの劣化などの解析が興味深く読めました。東電などは同じデータを別の論理展開で解釈して原発は安全と解析しているようです。そのことについて、結果ありきの解釈と筆者等は非難しています。東電の立場からは筆者等が結論ありきの解釈をしているという言い分もあることでしょう。ただし、こういう指摘がある以上、徹底的に議論すべきではないでしょうか。今までは「原子力ムラ」の団結でこれらの反論を跳ね除けていたという報道もあるので、今後改善を望みます。
また、ひとつの記事の中で炉心溶融時に水蒸気爆発が起こらなかったのは偶然であり、水蒸気爆発が起きていればチェルノブイリ以上の事態になっていた可能性があるという記述があり、専門家の見立てでもあり、衝撃を受けました。
専門家の立場から脱原発の道筋を論じた記事もかなり読み応えがあり、是非、皆さんに読んでいただきたい本です。
また、ひとつの記事の中で炉心溶融時に水蒸気爆発が起こらなかったのは偶然であり、水蒸気爆発が起きていればチェルノブイリ以上の事態になっていた可能性があるという記述があり、専門家の見立てでもあり、衝撃を受けました。
専門家の立場から脱原発の道筋を論じた記事もかなり読み応えがあり、是非、皆さんに読んでいただきたい本です。
2011年10月8日に日本でレビュー済み
どの文章も筆力の感じる執筆であったが、やはり、田中三彦の
福島原発が、どう検証しても、地震で電源トラブルと原子炉の損
傷があったという説明は頷けた、間違いないだろう。つまり、地
震に弱い原発が露呈したのであり、その後の「想定外の津波」な
どの言い訳が見苦しい。
この文章を何人かが追認するが、やはり科学的に数値を検証し、
原子炉内部を知り尽くしたこの方の話につきる。東電は、地震に
よる電源喪失と原子炉損傷を認めるか、反論があるなら、速やか
に説明せよ。
福島原発が、どう検証しても、地震で電源トラブルと原子炉の損
傷があったという説明は頷けた、間違いないだろう。つまり、地
震に弱い原発が露呈したのであり、その後の「想定外の津波」な
どの言い訳が見苦しい。
この文章を何人かが追認するが、やはり科学的に数値を検証し、
原子炉内部を知り尽くしたこの方の話につきる。東電は、地震に
よる電源喪失と原子炉損傷を認めるか、反論があるなら、速やか
に説明せよ。
2011年8月7日に日本でレビュー済み
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福島の原発爆発問題が発生して以来、新刊、復刻、とりまぜ、原発について、いろいろな本が出版されました。その中で、この本の特徴は、地震学、原発工学といった、理科系の話とともに、原発の建設誘致は自治体にどのような経済的社会的影響を与えたのか、また、安全対策の欠陥をもたらした「国策民営」体制はどのようなものだったのかなど、社会学、経済学、政策論にまで論が及んでいるということです。
各章は、それぞれの分野にくわしい人たちが、自らもてる知識を披瀝するのみならず、現地調査や関わった各種委員会の空虚さなど、具体的な体験をふまえて、執筆されています。たいくつな学術論文のミニ版ではなく、短いながら、はっきりした「意見」を表明しているのが特徴です。
科学、経済学、社会学、あらゆる面でしろうとである私には、いずれの章も、けっしてきちんと理解できたというわけではありませんが、危険だということはわかりきっている原発が、気がついてみると日本中に50を超えて建設されていたというわけが、少しはわかりました。
さて、タイトルの「原発を終わらせる」ですが、エネルギーシフト、経済・産業構造の変更などが提案されています。こういう提言に耳を傾け、きちんと受け止め、原発を終わらせて、日本を本当に変えていく政治家が出てきてほしい、と願います。
各章は、それぞれの分野にくわしい人たちが、自らもてる知識を披瀝するのみならず、現地調査や関わった各種委員会の空虚さなど、具体的な体験をふまえて、執筆されています。たいくつな学術論文のミニ版ではなく、短いながら、はっきりした「意見」を表明しているのが特徴です。
科学、経済学、社会学、あらゆる面でしろうとである私には、いずれの章も、けっしてきちんと理解できたというわけではありませんが、危険だということはわかりきっている原発が、気がついてみると日本中に50を超えて建設されていたというわけが、少しはわかりました。
さて、タイトルの「原発を終わらせる」ですが、エネルギーシフト、経済・産業構造の変更などが提案されています。こういう提言に耳を傾け、きちんと受け止め、原発を終わらせて、日本を本当に変えていく政治家が出てきてほしい、と願います。