藤原兼家の妻、藤原道綱の母 いわゆる才色兼備の有閑階級の婦人の日記です。
嫉妬深くて口うるさくて素直じゃないので、どちらかというと夫の兼家に同情的な気持ちでした
・・・妻が3人いるのだから仕方ないじゃないか・・・と
巻の上の終わりころで
こうして年が改まったとしても、うれしいわけではない。
相変わらずはかない日常であることを思うと、こんなことを書き記していることも、
あるかなきかの感じがして、ちょうど「かげろうの日記」とでも名づけたらよいのであろう。
と書いたあたりから、
自分をみつめる冷めた目が現れて来て、読んでいてとても面白くなってきました。
生活の中の和歌の位置づけがすばらしいです。
1000年以上前にここまで文化的で詩的な生活をしていたとは!
和歌には自分の心を相手の心に直接届けようとする効果がありますね!
平安時代の他の日記文学にも挑戦してみます。
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現代語訳 蜻蛉日記 (岩波現代文庫) 文庫 – 2013/8/21
室生 犀星
(翻訳)
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王朝日記文学の代表作『蜻蛉日記』を、室生犀星の現代語訳で味わう。大政治家の藤原兼家の妻として、波瀾に富んだ生涯を送った道綱母が、その半生を書き綴った回想録。結婚生活の苦しみ、夫兼家とその愛人たちへの愛憎の情念が、流麗にして写実的な筆致で描かれる。作品中の和歌は、一段の精彩を放っている。韻文と散文が互いに交響することで、物語に独特の陰翳を与えている。(解説=久保田淳)
- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2013/8/21
- 寸法10.5 x 1.4 x 15 cm
- ISBN-104006022255
- ISBN-13978-4006022259
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2013/8/21)
- 発売日 : 2013/8/21
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 320ページ
- ISBN-10 : 4006022255
- ISBN-13 : 978-4006022259
- 寸法 : 10.5 x 1.4 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 206,929位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 316位岩波現代文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
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2021年5月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ラジオで古典講読を聞く前後に読んでいる
2021年7月19日に日本でレビュー済み
.
道綱の母と称される平安期の才媛による半生記である。日記の形式を採用し、短歌についても、多くの和歌集を読み込んだ いわゆる "本歌取り" をベースに、縁語を駆使した、貴族的で巧みではあるが、一方で観念的な作品が数多く収録されている。
夫・藤原兼家は名家出身で、道長の父でもあり、関白太政大臣まで昇り詰めた当代随一の権力者である。また、いわゆる ”色男” でもあった。
兼家の女性関係も華やかで、自尊心の高い文学少女であった作者は、夫の愛を独占出来ない苦しさを切々と書き連ねることになる。
小気味の良いまでの、浮気な夫への「つれない仕打ち」が、読み進めるうちに、次第に「道綱の母」自身にも問題がありはしないか・・・という思いが、読者の胸に沸くのはなぜであろうか。
一夫多妻の時代にあって、兼家には「時子(ときこ)」という、藤原道長を含む5人の子を産んだ正室がいる。正室の時子から見た「道綱の母」はいかなる存在に映っていたであろうか。。。
また著者の、夫である兼家に対する行動が、はたして女性として、そして母として、「愛される妻、あるいは賢い母であったといえるのか」・・・という思いが、切なく読者の胸に去来する。
平安貴族の男と女の関係の実話として読み進む興趣の一方、道綱の母があまりにも主我的で共感性に乏しく、直截な人物であるがゆえの末路に、やるせない思いが読後に澎湃として募る著作、と評し得よう。
道綱の母と称される平安期の才媛による半生記である。日記の形式を採用し、短歌についても、多くの和歌集を読み込んだ いわゆる "本歌取り" をベースに、縁語を駆使した、貴族的で巧みではあるが、一方で観念的な作品が数多く収録されている。
夫・藤原兼家は名家出身で、道長の父でもあり、関白太政大臣まで昇り詰めた当代随一の権力者である。また、いわゆる ”色男” でもあった。
兼家の女性関係も華やかで、自尊心の高い文学少女であった作者は、夫の愛を独占出来ない苦しさを切々と書き連ねることになる。
小気味の良いまでの、浮気な夫への「つれない仕打ち」が、読み進めるうちに、次第に「道綱の母」自身にも問題がありはしないか・・・という思いが、読者の胸に沸くのはなぜであろうか。
一夫多妻の時代にあって、兼家には「時子(ときこ)」という、藤原道長を含む5人の子を産んだ正室がいる。正室の時子から見た「道綱の母」はいかなる存在に映っていたであろうか。。。
また著者の、夫である兼家に対する行動が、はたして女性として、そして母として、「愛される妻、あるいは賢い母であったといえるのか」・・・という思いが、切なく読者の胸に去来する。
平安貴族の男と女の関係の実話として読み進む興趣の一方、道綱の母があまりにも主我的で共感性に乏しく、直截な人物であるがゆえの末路に、やるせない思いが読後に澎湃として募る著作、と評し得よう。