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死へのイデオロギー―日本赤軍派― (岩波現代文庫 社会 84) 文庫 – 2003/10/17

3.5 5つ星のうち3.5 13個の評価

閉ざされた集団の観念が,抑えのきかない凄惨な暴力をよび起こした.1960年代末,過熱する学生運動の中から誕生した赤軍派.本書は,同志粛清,あさま山荘へと突き進んでいったこの党派を社会学的に分析した秀作である.彼らはなぜ粛清という恐怖の淵に落ちたのか.信ずる思想はなぜ死へのイデオロギーと化したのか.
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 岩波書店 (2003/10/17)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2003/10/17
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 348ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4006030843
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4006030841
  • カスタマーレビュー:
    3.5 5つ星のうち3.5 13個の評価

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パトリシア・スタインホフ
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2014年6月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
赤軍派、連合赤軍、日本赤軍が関与した一連の事件経過を辿ることによって、日本的組織のファナティカルな側面がいかにして醸成されるかを浮き彫りにしている。連合赤軍事件と同じような構図は、現在も企業、学校、公的機関など、本邦のあらゆる組織において普通に経験されるものである。特にリーダーが若く、人格的に不安定な場合には起こりやすい。若くしてリーダーになろうとしている人は、自戒の意味を込めて本書を読まれることをおすすめしたい。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年9月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
米国人の女性社会学者による赤軍関連の本。巻末に一般人が入手不可能な大量の文献が列挙されていることからもわかる通り、著者は研究者的几帳面さで連赤事件の事実を集めたのだろう。とはいえ、日本赤軍や連合赤軍に知識があまりない人が読むにはあまりに内容が細かくて最後まで読み通せないだろうし、一方、『菊と刀』のような比較文化論に興味がある読者にも期待外れだろう。当事者たちの本を読んだことがある人には、事実の突っ込みは浅いと感じられそうだ。読み方は難しい。

第一部「岡本公三」では、テルアビブ空港乱射事件で生け捕りにされた岡本がまだ元気な頃のインタビューが聞ける。その事件に対する、日本政府、岡本の父、それに日本の宗教団体に共通する日本的な行動様式が指摘され、それなりに面白い。

第二部「赤軍派」、第三部「連合赤軍」では、時折日米の文化の相違や社会学的な分析を交えつつも、基本的にはひたすら淡々と、どこまでが何に依拠した事実で、どこからが著者の想像なのか区別がつきにくいひとり語りが続く。分析といっても、中根千枝や土居健郎を引用してみたり、山岳ベースでの総括における心理状態を、心理学で言う「意識高揚法(conscious raising)」と結びつけたりといった素朴なものだ(意識高揚法というのは、自己啓発セミナーの洗脳テクニックとして有名なあれである)。

本書の価値は、時代の雰囲気や、社会を覆う暗黙の了解事項から自由に、淡々とこの事件をレビューしたというところにあるのだと思う。「闘争」を主観的に担った当事者では決して言えない鋭い観察が第四部にある。スタインホフは連合赤軍の殲滅戦にアイロニーを見る。

「連合赤軍の粛清と、逮捕後のメンバーの行動の関係は、まさにアイロニーといえる。...。そのレトリックとめざした目標にもかかわらず、連合赤軍の『総括』の実体は、自供というものに抵抗するためというよりも、むしろ自供を促すために人びとを訓練してしまったようなものだった。総括の要求に抵抗しても無駄だったし、いったん暴力がその過程に導入されるようになると、ことばでの抵抗は必ず体罰で終わった。」(p.261-262)

これは鋭い指摘である。このコントラストを感じる感性と、エピローグにおけるセンチメンタルな旅の描写を見て、パトリシア・スタインホフという女性の人格の誠実さを感じることができる。この本には社会学者としての深みはまるでない。「死へのイデオロギー」の考察ついて、坂口弘(「共産主義化」論)を越えるものは何もない。にもかかわらず、悪くはない読後感を与える不思議な本である。
12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年9月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
どなたかも書いておられる通り社会学の視点からというより、インタビュールポに近い。
実際に何が起きたのかを、時系列で書かれている。前後関係が分かりにくい部分もあった
が、概ね理解できた。
イデオロギー対立が消滅してしまった今読むと、それに殉じて命をかけた人々の純粋さに、
ノスタルジーと若干のうらやましさを感じる。
しかし全世界同時革命を掲げた赤軍派と反米民族主義の革命左派がなぜ結びつき得たのか、
日本赤軍がイスラエル打倒のみをめざすPFLPになぜ合流し得たのか、個人的な疑問を払拭
できなかった。単に暴力的行動をするグループ同士だったからというのでは寂しすぎる。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年3月24日に日本でレビュー済み
3.11後の原発デモが極端に盛り上がっていた頃、誰かが
「このままだと、あさま山荘事件のようなことが起こる」と言われたらしいが、
この本を読んで、それは無いだろうと思った。そもそも原発デモに思想性なんてものはなかった。
自分という「個」が認められる社会へと、この国は成熟した。

かつて、日本の若者は進んで武力という非合法に臨んだ。
その時代背景を知るため、そして連合赤軍とは何だったのか、
最初に読んだのがこの本でした。見た目はすごく固苦しくて難しそうと思いましたが、
とてもわかりやすかったので一気に読めました。

問題の、総括という名の粛清だが、これは一つの事故のようにも見えた。
理想を求めるあまり、仲間同士で殺しあうという異常性は
大戦時日本の軍隊ですら起こらなかったことだ。
オウムですら、聞いたことはない。

閉じた空間での昂揚感、水も食料も電気も無い極限状態、
粛清は全員参加という縛り、終わりのない極寒での逃亡生活、
良識ある判断力を持つリーダーの欠如といういくつかの外部要因と、
大義のためには命を落としても構わないという、純粋さと意地が引き起こした悲劇だと思った。
とはいえ、この特攻にも通じる「やり遂げる」という一貫した精神に、
日本人の民族性というものをあらためて感じずにはいられなかった。

正直、冒頭に出たテルアビブ航空銃撃事件のくだりから私は衝撃を受けた。
現代に例えると「イスラム国に傾倒した日本人の若者が国外で起こしたテロ」
このような日本人が実際にいたなんて。
同時に、自分がいかに日本の歴史を知らないかということを痛感した。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年6月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
第三者的史観でよく分析している・。実にうまくまとめている・。あの運動は一体何だったのでしょうか・?まさに死へのイデオロギーです・。一読をおすすめします・。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年5月7日に日本でレビュー済み
同じ志を持ったもの同士で集まった集団であるのに、何故凄惨な「粛正」が行われたのか。連合赤軍において行われた「粛正」を支えたイデオロギーの有様について本書では書かれている。

外から見れば虐待と映る行為も、その内部では本人の「総括」を成し遂げられるようにするための愛の鞭であった。そして、それによって死ぬことは殺人とは見なされず、「総括」を成し遂げられない事に絶望したショック死、「敗北死」であることにされてしまった。

ただ、最初からこのような状況ではなく、指導者と被指導者の間の絶対的な壁や加害者と被害者の間の紙一重とも言える状態、そして自分達の存在や行動への意味づけの度重なるその場しのぎともいえる上書きによってもたらされることになった。

連合赤軍の人々が逮捕後にどのように自分達の行動、特に「粛正」についてとらえたのかを書いたのも興味深い。結果として誤りであったとは認めるものの、革命戦士として「戦死」したと捕らえられている。そして、浅間山荘で死ぬ覚悟でいたのに、何故自分が生き残ったのか。自分の生き残った理由付けも行っている。

根底にあるのは、自分は特別な存在であるという自己意識だろう。大衆の中にうずもれてしまう、何でもないつまらない人間ではありたくないという欲求もあるだろう。これは、誰しもが持ちうるものである。

この本で扱われている人々は、自分は新しい世界を作るための革命を起こす戦士なのだという自己意識を持って、自分を特別な使命を持った人間とした。
たいていの人は、世間という大きな圧力に屈して、(上辺だけにしろ本格的にしろ)溶け込んでいくわけであるが、赤軍の人々はそうならずに自分の得た自己像を演じきろうとしていった。
新しい世界を信じて、その世界を作るにふさわしい人間となろうとしていった。一兵卒ではあるが英雄に、強い人間に。しかしそれは、ある意味自分の弱さや同士の視線を過度に恐れることにもつながる。

結果として迎えた結末はあまりにも悲劇的なものだ。しかし、その悲劇は誰に身にも起きる可能性はある。何もこの悲劇は、世間に反発した閉鎖的な集団内だけで起こるものではない。世間自体が要求するものによっては、人々は簡単に「狂気」とも呼べる行動に移ることができる。関東大震災の時の朝鮮人虐殺や、戦時中の日本。レッドパージを行っていたときのアメリカなど。

あまりにも非合理ともいえる論理がまかり通ってしまう世界。まかりとおしてしまっている力学をわかりやすく見ることが出来てとても面白かった。それと同時に、人間の強さとその恐ろしさを改めて痛感させられた。ただ、彼等のたどった結末は後戻りできないものであるが、彼等の残した足跡の中から様々な可能性を見出す作業は、まだまだこれからだろう。
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年9月5日に日本でレビュー済み
いろいろなリサーチや、調査のもと書かれているとは思うのですが、
それ故か、非常に淡々とつづられています。
その点が、初めて浅間山荘ものをよむ私には
とても読みやすかった。
突き放した、観察対称としての視点があってこそ、
斜め読みですが、最後まで頁をめくることができました。

こういう本があってもいいと思います。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2005年11月13日に日本でレビュー済み
アメリカ人という日本人以外の著者により書かれた日本赤軍についての書。
日本人であれば、あの時代に生きた人間であればなんらかの感慨のあるテーマである。日本人でない著者であったからこそ、一歩離れたスタンスで取材も執筆も出来たといえよう。
軍隊組織を模した日本赤軍。
日本には武力弾圧する軍隊や軍隊はなく、徴兵の経験もないからこそ出来た組織であることは本書を読んで初めて理解した。言われてみれば左派の運動が盛んであった欧米でもここまで軍事的に先鋭化した組織は聞いた事がない。だが日本では活動の限界があったからこそ、パレスチナに飛び、あさま山荘での籠城事件になったのであろう。
共産主義を代表として日本国外からの様々な影響が日本赤軍の形成に大きく関与した事は間違いない。その外来の種が日本の土壌に芽吹いた姿が日本赤軍であり連合赤軍であったことがよくわかった。
連合赤軍も同士粛清もあさま山荘事件も表面的には一種理解しがたい日本人とは別の集団にも見えるが、その集団内外の力学は紛れもなく日本的なものである。
17人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート