本書が上梓された当時で国債発行高200兆円（国民一人当たり180万円の債務）であるが、しかし、それも「結局、国の実体である国民が、債務者であるとともに債権者でもあるため、自分自身には無限に貸せるという不思議な関係」（p.16）と認めているのは、時代にしては珍しい。
政治の話が多く出てくるが、自分はそれに疎いので読むのに苦労した。
「規制緩和」って、簡単に言えば輸入に際する関税が低くなったりしてラッキーみたいに思っていたけれど、180度自分の認識は間違っていた。
本書を読めば「きせーかんわ」が「規制緩和」に矯められると思う。
一口に「規制」と言っても、実際はポジティブな事象を敢えて「規制」しており、それを大局的な誤謬を撤廃するために緩和することもある。
それを行うのが「行革」であるが、これも一朝一夕にはいかない。
畢竟、「もともと、規制を要求してきたのは常に世論である。…官僚は「政府は何をしている」と批判されることに対して、十分に言い訳のできる規制を作るように努力する」（p.185）の永遠リピートだと思う。
その為の霞が関であり、やはり「政治」がその本丸である。
当事者は常に2項対立のゼロサムゲームであって、政策は何やっても批判されるけれど、それをどうやってゼロをプラスに持っていくかが、政治の役割なんだと思う…超難しいけれど。アベノミクスに注目したい。
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