歴史改竄の嵐が吹き荒れて今もまだその影響が強く残っているはずの中国人のユンチアンのがこの本を書いている。歴史を大切にしてきた国ならではの歴史の叙述家が生まれたことを羨ましく思う。
現代に至っても偽書を継ぎ重ねた偽史に塗れた日本という国で。
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西太后秘録 近代中国の創始者 上 単行本 – 2015/2/11
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世界三大悪女の一人とされ、「残虐非道の女帝」のイメージがつきまとう西太后(慈禧大后)。だが、実は当時の4億人の民を率い、47年にわたって統治を続け、中国近代化の基礎をつくりあげた、辣腕の政治家だった。『ワイルド・スワン』『マオ』で中国の真実を描き続ける、あのユン・チアンが「誤った西太后」像を根本から覆し、「名君・西太后」の真実に迫る。
世界三大悪女の一人とされ、「残虐非道の女帝」のイメージがつきまとう西太后(慈禧大后)。だが、実は当時の4億人の民を率い、47年にわたって統治を続け、中国近代化の基礎をつくりあげた、辣腕の政治家だった。
『ワイルド・スワン』『マオ』で中国の真実を描き続ける、あのユン・チアンが「誤った西太后」像を根本から覆し、「名君・西太后」の真実に迫る。
あらすじ
官僚の家に生まれ、父の失脚後は長女として一家を支えた慈禧(じき)。16歳で清朝第9代皇帝の咸豊帝の側室となり、やがて幼い息子が帝位を継ぐと、後見として政治家の頭角を現していく。しかし、息子は若くして病のために崩御してしまう。
妹の子供を養子に迎えた慈禧は、光緒帝となったその息子の後見として返り咲き、宮廷内の政治に手腕を発揮する。革新派の上級官僚の李鴻章や曾国藩らを重用し、ヨーロッパ技術を取り入れて近代化に邁進する慈禧を、やがて日清戦争での致命的な敗北が襲う!
政変への命がけの画策、宦官との恋、自らへの暗殺計画の阻止、不仲の光緒帝廃位に燃やした執念、日清戦争敗北後の復活……。誰もなしえなかった長期的な統治の秘密を、膨大な記録をもとに明らかにする!
読みどころ
その1: 后の一人を「人豚」にしたなど(これはフィクション)残虐なイメージの強い西太后像をくつがえし、偉大な政治家としての真の姿(辣腕政治家であり、宮中だけでなく外国人にいたるまで細やかな気遣いを見せたなど)が詳細に描かれた唯一の評伝。著名な著者だけに注目度が高い。
その2: 清の近代化推進プロセスや改革派の人材登用、ライバルとも協調関係をとることで目的を遂げるなど、リーダーシップ、マネジメント論としても発見が多い。
その3: 宦官との秘められた恋(発覚して宦官は処刑される)、西太后の肖像画を描いたイギリス人女性との友情など西太后の知られざる人間性もあますところなく描かれる。
世界三大悪女の一人とされ、「残虐非道の女帝」のイメージがつきまとう西太后(慈禧大后)。だが、実は当時の4億人の民を率い、47年にわたって統治を続け、中国近代化の基礎をつくりあげた、辣腕の政治家だった。
『ワイルド・スワン』『マオ』で中国の真実を描き続ける、あのユン・チアンが「誤った西太后」像を根本から覆し、「名君・西太后」の真実に迫る。
あらすじ
官僚の家に生まれ、父の失脚後は長女として一家を支えた慈禧(じき)。16歳で清朝第9代皇帝の咸豊帝の側室となり、やがて幼い息子が帝位を継ぐと、後見として政治家の頭角を現していく。しかし、息子は若くして病のために崩御してしまう。
妹の子供を養子に迎えた慈禧は、光緒帝となったその息子の後見として返り咲き、宮廷内の政治に手腕を発揮する。革新派の上級官僚の李鴻章や曾国藩らを重用し、ヨーロッパ技術を取り入れて近代化に邁進する慈禧を、やがて日清戦争での致命的な敗北が襲う!
政変への命がけの画策、宦官との恋、自らへの暗殺計画の阻止、不仲の光緒帝廃位に燃やした執念、日清戦争敗北後の復活……。誰もなしえなかった長期的な統治の秘密を、膨大な記録をもとに明らかにする!
読みどころ
その1: 后の一人を「人豚」にしたなど(これはフィクション)残虐なイメージの強い西太后像をくつがえし、偉大な政治家としての真の姿(辣腕政治家であり、宮中だけでなく外国人にいたるまで細やかな気遣いを見せたなど)が詳細に描かれた唯一の評伝。著名な著者だけに注目度が高い。
その2: 清の近代化推進プロセスや改革派の人材登用、ライバルとも協調関係をとることで目的を遂げるなど、リーダーシップ、マネジメント論としても発見が多い。
その3: 宦官との秘められた恋(発覚して宦官は処刑される)、西太后の肖像画を描いたイギリス人女性との友情など西太后の知られざる人間性もあますところなく描かれる。
- 本の長さ298ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2015/2/11
- ISBN-104062194023
- ISBN-13978-4062194020
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商品の説明
著者について
ユン・チアン
ユン・チアン(張戎) Jung Chang
1952年、中華人民共和国四川省生まれ。文化大革命が吹き荒れた1960年代、14歳で紅衛兵を経験後、農村に下放されて農民として働く。以後は「はだしの医者」、鋳造工、電気工を経て四川大学英文科の学生となり、苦学ののちに講師となる。1978年にイギリスへ留学、ヨーク大学から奨学金を経て勉強を続け、1982年に言語学の博士号を取得。一族の人生を克明に描くことで激動期の中国を活写した『ワイルド・スワン』、数々の新資料から独裁者・毛沢東の生涯に光を当てた『マオ 誰も知らなかった毛沢東』(いずれも講談社刊)など、彼女の著書は世界40ヵ国に翻訳され、累計1500万部の大ベストセラーになっている。なお、上記の2作はいずれも中国国内では出版が禁止されている。
川副 智子
川副智子(かわぞえ・ともこ)
翻訳家。早稲田大学文学部卒。訳書に『私の中のあなた』ジョディ・ピコー(早川書房)、『シージャー 発作』ロビン・クック(扶桑社)など。他多数。
ユン・チアン(張戎) Jung Chang
1952年、中華人民共和国四川省生まれ。文化大革命が吹き荒れた1960年代、14歳で紅衛兵を経験後、農村に下放されて農民として働く。以後は「はだしの医者」、鋳造工、電気工を経て四川大学英文科の学生となり、苦学ののちに講師となる。1978年にイギリスへ留学、ヨーク大学から奨学金を経て勉強を続け、1982年に言語学の博士号を取得。一族の人生を克明に描くことで激動期の中国を活写した『ワイルド・スワン』、数々の新資料から独裁者・毛沢東の生涯に光を当てた『マオ 誰も知らなかった毛沢東』(いずれも講談社刊)など、彼女の著書は世界40ヵ国に翻訳され、累計1500万部の大ベストセラーになっている。なお、上記の2作はいずれも中国国内では出版が禁止されている。
川副 智子
川副智子(かわぞえ・ともこ)
翻訳家。早稲田大学文学部卒。訳書に『私の中のあなた』ジョディ・ピコー(早川書房)、『シージャー 発作』ロビン・クック(扶桑社)など。他多数。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2015/2/11)
- 発売日 : 2015/2/11
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 298ページ
- ISBN-10 : 4062194023
- ISBN-13 : 978-4062194020
- Amazon 売れ筋ランキング: - 304,297位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 101位中国のエリアスタディ
- - 57,867位ノンフィクション (本)
- - 83,644位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年9月11日に日本でレビュー済み
西太后といえば悪女、という評価を覆してくれる。
また明治維新を外側から、中国大陸から冷静に見ると、日本が列強の支配を免れたのは、中国大陸という瀕死の象がそこに倒れていたからに他ならないこともよく分かる。ライオンもジャッカルもハゲワシも、みな象に気をとられて、小さなアルマジロのことは目に入らなかったのだ。そのアルマジロが、象を囮にするがごとく、力を蓄えて、やがて象をも襲う獣になった時の列強の驚愕ぶり、大陸の右往左往。
清朝の宮廷の様子、また西太后自身の写真など、貴重な資料という面もある。
ただ、著者の思い入れがあまりに強く、また共産党政権憎しのための判官贔屓の面もあろうかと思うが、果たして西太后は、名君だったのだろうか。
また女性差別が色濃く残るとはいえ、それ以上の身分制社会の中で、彼女の「生母」という立場の強さは、現代に生きる我々には想像がつかないほど大きなものだったようにも思う。
我が子、そして甥と、二人の若者の犠牲の上に成り立った、彼女の統治手腕は、確かに素晴らしかったのかもしれない。
けれども、少なくとも、聖君ではなかった――そんな気がしてならなかった。
悪女でも聖女でもない、君主として生きる道を選んだ一人の人間の物語として読んだ。
甥は、彼女の道連れにされたのだけれども。
ここに書かれなかった物語も含めて、読んでみたいと思った。
また明治維新を外側から、中国大陸から冷静に見ると、日本が列強の支配を免れたのは、中国大陸という瀕死の象がそこに倒れていたからに他ならないこともよく分かる。ライオンもジャッカルもハゲワシも、みな象に気をとられて、小さなアルマジロのことは目に入らなかったのだ。そのアルマジロが、象を囮にするがごとく、力を蓄えて、やがて象をも襲う獣になった時の列強の驚愕ぶり、大陸の右往左往。
清朝の宮廷の様子、また西太后自身の写真など、貴重な資料という面もある。
ただ、著者の思い入れがあまりに強く、また共産党政権憎しのための判官贔屓の面もあろうかと思うが、果たして西太后は、名君だったのだろうか。
また女性差別が色濃く残るとはいえ、それ以上の身分制社会の中で、彼女の「生母」という立場の強さは、現代に生きる我々には想像がつかないほど大きなものだったようにも思う。
我が子、そして甥と、二人の若者の犠牲の上に成り立った、彼女の統治手腕は、確かに素晴らしかったのかもしれない。
けれども、少なくとも、聖君ではなかった――そんな気がしてならなかった。
悪女でも聖女でもない、君主として生きる道を選んだ一人の人間の物語として読んだ。
甥は、彼女の道連れにされたのだけれども。
ここに書かれなかった物語も含めて、読んでみたいと思った。
2020年3月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本と中国の近代史の比較ができてよかつた。
2021年12月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ユン・チアン氏の本には、「日本に対する嘘」が、巧妙に練りこまれている。
日本に対する敵意に満ちた資料を使えば、自然に嘘が多くなる。それは、ユン・チアン氏の責任とばかりは、言えない面もあるだろう。しかし、拡散力が強いから、要注意である。
引っかかったら、必ず検証してみることをお勧めする。
たとえばp362の「高陞号」撃沈の記事である。
「7月25日、日本海軍は援軍を輸送中の中国の巡洋艦に奇襲攻撃を仕掛け、うち一隻、「高陞」号を撃沈、約千人の死者を出した。その中には5人の英国人将校もいた。」
ものすごく引っかかるではないか。これが本当なら、卑怯な、と糾弾されているはず。しかし私たちは聞いたことがないし、この本も言いっ放しで、素通りするばかり。
この事件の全体像に関する当時の日英の評価は、検索すればいろいろ出てくる。事実は中国船ではなく英国船だった、と、大きく違っていて、もっとややこしい。
しかし日本側の対応に不備はなかった、ということで決着している事件なのである。「高陞号」を撃沈したのは「浪速」(艦長:東郷平八郎!)。
一つ、当時の資料を引用しておこう。
「高陞号」で検索。あるいは豊島沖海戦(高陞号事件)
国立公文書館アジア歴史資料センター、豊島沖海戦(高陞号事件)のページに、「8 英国商船高陞号撃沈ノ事」、「高陞号事件報告/1894年」などがある。
資料センターサイトのPDF「8 英国商船高陞号撃沈ノ事」を参照。外務省文書。
高陞号沈没の際に生き残った、清国雇いドイツ人「ハンネケン」の、仁川の英国副領事の審問に対する陳述書より
*****
戦争が始まる前に、英国船籍の船に清兵1200人と武器を乗せて朝鮮に向かっていた。しかし戦争がはじまり、途中で日本艦に出会った。
日本艦は空砲を発し、信号で停戦を命じ、砲門を開いて威圧しながら、端艇を寄越した。清の兵士の長は、捕虜になるくらいなら海に沈んだ方が良い、と言う。激高していて、鎮めるのに困難を感じた。
日本仕官は船長室に入り、英国船であることを確認した。そして「日本艦に随行せよ」と命じた。それを伝え聞いた清の兵士たちは大騒ぎし、従うならヨーロッパ人を殺す、と脅した。
そこで談判のため、信号を発して、再度、端艇を来させた。そして私は日本仕官に告げた。「船長は他人に脅迫されて命令に従えない。本船は出発港へ帰航する。」
端艇が日本艦に帰ってしばらくして、次の信号があった。「すぐに船を去れ」。しかし(われわれに)この勧告に応じる機会はなかった。
船長は次の信号を出した。「我らはそれを、許されない」
そうすると日本艦はそれに対し、また「回答を手旗信号で」掲げた。そしてわが船に動いてきて、右舷正面150メートルの所に止まった。
水雷口から水雷が躍り出るのを見た。その後6個の砲門が轟音を発した。水雷は的中し、我らは皆、水中に飛び込んだ。
その後に続く文は、どう読むのだろう。意味が通じない。
「この間発砲引き続き、遊泳試みるも、助命の機会なきを知りたる船上の兵士は、
憤然之に応じて発銃せり。
余は、日本艦より端艇を降ろし、多数の兵士を備え来るを見、
そのわが船の残兵救助のためなるを信じたるに、遺憾にも、その誤りなるを発見せり。
端艇中の兵士は、沈没船上の残兵を射撃せり。
余は実に、その中のものは日本艦および沈没船より狙撃せられたるは、事実なり。
けだし、沈没船の兵士より狙撃したるは、われ死を免れず、
むしろ同胞もまた生け置くべからず、との残忍的観念に基づきたるならん。」
沈没する船から射撃されても、日本艦としては、近寄らなければいいだけである。沈むのを待っていればいいだけだろう。
それを日本は、わざわざ多数の兵士を乗せた端艇を出して、船上の残兵を撃った、と言うのだ。
そしてこのドイツ人は、「沈没船の兵士の方から狙撃したのは、自分が死ぬからには、同胞も生かしては置けない、という残忍さからだろう」と推測する。???
右の兵士中、生き延びたるもの170名。
沈没船兵士の残忍さ、と言うのなら、「沈没船の兵士は同胞を撃っていた」ことになる。そう読むのだろうか?英文ならよくわかるかもしれないが。
史料を読む場合、もちろんこれだけで終わってはいけない。余りにも気になったので引用しただけである。
清政府のお雇いドイツ人の証言である。虚偽や錯誤がないか、検討する必要がある。私も、いろいろ違う内容が出てくるとわかったので、もう少し調べてみたい。
日本に対する敵意に満ちた資料を使えば、自然に嘘が多くなる。それは、ユン・チアン氏の責任とばかりは、言えない面もあるだろう。しかし、拡散力が強いから、要注意である。
引っかかったら、必ず検証してみることをお勧めする。
たとえばp362の「高陞号」撃沈の記事である。
「7月25日、日本海軍は援軍を輸送中の中国の巡洋艦に奇襲攻撃を仕掛け、うち一隻、「高陞」号を撃沈、約千人の死者を出した。その中には5人の英国人将校もいた。」
ものすごく引っかかるではないか。これが本当なら、卑怯な、と糾弾されているはず。しかし私たちは聞いたことがないし、この本も言いっ放しで、素通りするばかり。
この事件の全体像に関する当時の日英の評価は、検索すればいろいろ出てくる。事実は中国船ではなく英国船だった、と、大きく違っていて、もっとややこしい。
しかし日本側の対応に不備はなかった、ということで決着している事件なのである。「高陞号」を撃沈したのは「浪速」(艦長:東郷平八郎!)。
一つ、当時の資料を引用しておこう。
「高陞号」で検索。あるいは豊島沖海戦(高陞号事件)
国立公文書館アジア歴史資料センター、豊島沖海戦(高陞号事件)のページに、「8 英国商船高陞号撃沈ノ事」、「高陞号事件報告/1894年」などがある。
資料センターサイトのPDF「8 英国商船高陞号撃沈ノ事」を参照。外務省文書。
高陞号沈没の際に生き残った、清国雇いドイツ人「ハンネケン」の、仁川の英国副領事の審問に対する陳述書より
*****
戦争が始まる前に、英国船籍の船に清兵1200人と武器を乗せて朝鮮に向かっていた。しかし戦争がはじまり、途中で日本艦に出会った。
日本艦は空砲を発し、信号で停戦を命じ、砲門を開いて威圧しながら、端艇を寄越した。清の兵士の長は、捕虜になるくらいなら海に沈んだ方が良い、と言う。激高していて、鎮めるのに困難を感じた。
日本仕官は船長室に入り、英国船であることを確認した。そして「日本艦に随行せよ」と命じた。それを伝え聞いた清の兵士たちは大騒ぎし、従うならヨーロッパ人を殺す、と脅した。
そこで談判のため、信号を発して、再度、端艇を来させた。そして私は日本仕官に告げた。「船長は他人に脅迫されて命令に従えない。本船は出発港へ帰航する。」
端艇が日本艦に帰ってしばらくして、次の信号があった。「すぐに船を去れ」。しかし(われわれに)この勧告に応じる機会はなかった。
船長は次の信号を出した。「我らはそれを、許されない」
そうすると日本艦はそれに対し、また「回答を手旗信号で」掲げた。そしてわが船に動いてきて、右舷正面150メートルの所に止まった。
水雷口から水雷が躍り出るのを見た。その後6個の砲門が轟音を発した。水雷は的中し、我らは皆、水中に飛び込んだ。
その後に続く文は、どう読むのだろう。意味が通じない。
「この間発砲引き続き、遊泳試みるも、助命の機会なきを知りたる船上の兵士は、
憤然之に応じて発銃せり。
余は、日本艦より端艇を降ろし、多数の兵士を備え来るを見、
そのわが船の残兵救助のためなるを信じたるに、遺憾にも、その誤りなるを発見せり。
端艇中の兵士は、沈没船上の残兵を射撃せり。
余は実に、その中のものは日本艦および沈没船より狙撃せられたるは、事実なり。
けだし、沈没船の兵士より狙撃したるは、われ死を免れず、
むしろ同胞もまた生け置くべからず、との残忍的観念に基づきたるならん。」
沈没する船から射撃されても、日本艦としては、近寄らなければいいだけである。沈むのを待っていればいいだけだろう。
それを日本は、わざわざ多数の兵士を乗せた端艇を出して、船上の残兵を撃った、と言うのだ。
そしてこのドイツ人は、「沈没船の兵士の方から狙撃したのは、自分が死ぬからには、同胞も生かしては置けない、という残忍さからだろう」と推測する。???
右の兵士中、生き延びたるもの170名。
沈没船兵士の残忍さ、と言うのなら、「沈没船の兵士は同胞を撃っていた」ことになる。そう読むのだろうか?英文ならよくわかるかもしれないが。
史料を読む場合、もちろんこれだけで終わってはいけない。余りにも気になったので引用しただけである。
清政府のお雇いドイツ人の証言である。虚偽や錯誤がないか、検討する必要がある。私も、いろいろ違う内容が出てくるとわかったので、もう少し調べてみたい。
2016年4月17日に日本でレビュー済み
豊富な資料を元に、当時の国内外の情勢を始め、歴史的背景、登場人物の出自や庶民の暮らし、風習などの解説を混じえて、西太后の「その時々の心情を筆者が推測しながら」その生涯を追っていくといった形式。
会話文はなく通常の歴史小説とは異なる。かといって、歴史書としてはあまりにも冷静さに欠け、かなり主観的・断定的な記述も多い。
「資料を紐解いた結果、浮かび上がった本当の西太后像」などではなく、「資料を都合よく引用しながら筆者が想像する西太后像」を描いたように感じる。
下巻へ読み進める程に主観的な記述はどんどんひどくなり、訳者も書いているが、筆者は西太后に憑かれたかのよう。
その分、紫禁城脱出のシーンなどは特に迫力があり、あくまでも「読み物として」ならとても面白くオススメです。
会話文はなく通常の歴史小説とは異なる。かといって、歴史書としてはあまりにも冷静さに欠け、かなり主観的・断定的な記述も多い。
「資料を紐解いた結果、浮かび上がった本当の西太后像」などではなく、「資料を都合よく引用しながら筆者が想像する西太后像」を描いたように感じる。
下巻へ読み進める程に主観的な記述はどんどんひどくなり、訳者も書いているが、筆者は西太后に憑かれたかのよう。
その分、紫禁城脱出のシーンなどは特に迫力があり、あくまでも「読み物として」ならとても面白くオススメです。
2018年8月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
西太后といえば、悪逆非道というイメージでしたが、それが全くの作られたイメージである、ということが驚きでした。
歴史的に先進国であった中国が社会システムを近代化することに遅れを取ってしまったのに対し、日本が近代化に突き進んでいったのとは対照的でした。
西太后の話としてももちろん面白いのですが、世界の中の東アジア史としても大変面白く読みました。
歴史的に先進国であった中国が社会システムを近代化することに遅れを取ってしまったのに対し、日本が近代化に突き進んでいったのとは対照的でした。
西太后の話としてももちろん面白いのですが、世界の中の東アジア史としても大変面白く読みました。
2022年3月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
内容的には☆5、日本語訳でマイナス3、でこんな感じ。
2015年7月8日に日本でレビュー済み
『ワイルド・スワン』1992
『マオ 誰も知らなかった毛沢東』2005
『西太后秘録 近代中国の創始者』2013
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・・・・いやー、ビックリした。
2作目『マオ 誰も知らなかった毛沢東』2005 が毛沢東への恨み言をえんえん垂れ流すだけの、あまりにもつまらない駄作だったので、
「ユンさんも終わってしまったんだなあ」 と絶望し、海辺でカニとたわむれていたんだが、 2013年の この新作は完全無欠の大傑作である。
この人の1ページは 他の凡百(ぼんびゃく)の作家の本500冊の価値を持っている といっても誇張にはならないだろう。(そもそもそうゆうところから凡百って言葉が生まれたんだろうな)
外形的にみると「西太后(せいたいごう)?いまさら? むかし死んだおばあさんでしょ?」ってことになるのかもしれないが、やはり、現代の天才が精魂込めて(時間をかけて)描いているので大量の意味(いまの世界への鋭い批評)が発生している。 また、ここ数十年の「奇跡」である中国の出発点をあつかってるんで、興味を持たない人間はどうかしている。というと言い過ぎだ。←どないやねん。
・・・・さらに脱線させると、ユーチューブで、今年63歳になったユンさんのしゃべっている様子(jung chang で検索するとすぐ出てくる)をみると、
美しさ・知性・強さ・長年の精神活動によるいくぶんかのやつれ などが西太后さんとそっくりだなあ と思ったです。
・・・・いや、それで、面白い箇所(かしょ)を大量に引用して この書物の面白さをみなさんに証明したい気持ちはじゅうぶんあるんだが、あまりに面白く、部分どうしが有機的にからみあっていて切断不可能なので、引用はできない。
結論: 現代の司馬遷。 題材もピッタリだったんだろう。
『マオ 誰も知らなかった毛沢東』2005
『西太后秘録 近代中国の創始者』2013
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・・・・いやー、ビックリした。
2作目『マオ 誰も知らなかった毛沢東』2005 が毛沢東への恨み言をえんえん垂れ流すだけの、あまりにもつまらない駄作だったので、
「ユンさんも終わってしまったんだなあ」 と絶望し、海辺でカニとたわむれていたんだが、 2013年の この新作は完全無欠の大傑作である。
この人の1ページは 他の凡百(ぼんびゃく)の作家の本500冊の価値を持っている といっても誇張にはならないだろう。(そもそもそうゆうところから凡百って言葉が生まれたんだろうな)
外形的にみると「西太后(せいたいごう)?いまさら? むかし死んだおばあさんでしょ?」ってことになるのかもしれないが、やはり、現代の天才が精魂込めて(時間をかけて)描いているので大量の意味(いまの世界への鋭い批評)が発生している。 また、ここ数十年の「奇跡」である中国の出発点をあつかってるんで、興味を持たない人間はどうかしている。というと言い過ぎだ。←どないやねん。
・・・・さらに脱線させると、ユーチューブで、今年63歳になったユンさんのしゃべっている様子(jung chang で検索するとすぐ出てくる)をみると、
美しさ・知性・強さ・長年の精神活動によるいくぶんかのやつれ などが西太后さんとそっくりだなあ と思ったです。
・・・・いや、それで、面白い箇所(かしょ)を大量に引用して この書物の面白さをみなさんに証明したい気持ちはじゅうぶんあるんだが、あまりに面白く、部分どうしが有機的にからみあっていて切断不可能なので、引用はできない。
結論: 現代の司馬遷。 題材もピッタリだったんだろう。