発刊され既に5年以上が経つようだが、初めてのレビューのようなので、ご本人の「あとがき」から引用すると…この本は「漢字のマニエリスム的文化史を描きだそうとして、構想からぴったり10年かかって出版」との事。大変ご苦労なされた事とお察し申し上げる。「漢字の国のアリス」というタイトルを考えついた途端にまとまった、というその構成と内容は、テレビ番組としてビジュアル化されたら素敵ですね。
本書は、「漢字を多く扱いながらも漢字本ではない」という。その意味は皆さんに読みながらご判断頂きたいところだが、随所に蘊蓄がいっぱい。但し、佐々木氏の姿勢は常に「漢字を愛する中国人」の立場に立つ。中々にマニアックな内容と評したら失礼かもしれないが、この本は、漢字そのものに内在されたパワーに魅了されてしまった著者の、今や身体の一部なのであろう。
初っ端に出て来る「逆さ福(タオフー)」について一言。「降」という字の甲骨文字の源字は、神が階段を下りて来る足の向きを表現した形であるし、「正」という字も同様、向こうに攻め込むことであったり、その方向性に上下が関係している。従って福を逆さにすることは、シンプルに福がこちらに向かって来てくれるようにとの願いからひっくり返したものであろうと思う。本当に漢字化するには、逆さまな状態の人が「ヒ」と表現されたように、より抽象化されなくては漢字として認知されなかったのでしょうけど、酒壺が逆さじゃお酒が全部流れてしまうしこりゃタイヘンだ!…まさか流れてくるお酒をごっつあん!ってこと?
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漢字の魔力 漢字の国のアリス (講談社選書メチエ) 単行本(ソフトカバー) – 2012/2/10
佐々木 睦
(著)
漢字のワンダーランドへようこそ! 古代から現代まで、中国の多彩な資料を渉猟する著者がガイドする、摩訶不思議な文字の世界の冒険
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2012/2/10
- ISBN-10406258526X
- ISBN-13978-4062585262
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2012/2/10)
- 発売日 : 2012/2/10
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 272ページ
- ISBN-10 : 406258526X
- ISBN-13 : 978-4062585262
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,233,888位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,201位講談社選書メチエ
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