人間ですから、自分よりほかの様々なひとびとについて、自身とのあいだの心的、物的距離が同等ではありません。また、生前、自身との関係が必ずしも良好ではなかった者もありましょう。ところが、著者が論ずると、「いま」考えている思考者、のスタイルが、はっきりと出てきます。
著者にも思想的偏向はあったに違いないです。しかし、わたしは、わたしの立場からは、こう思う、という公平公正なスタイルがあって、あとに続く若い読者たちには、信頼に値するものであったでしょう。著者もまた亡くなりました。しかし、著者を論じてくれる著者のようなひとがいません。
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追悼私記 完全版 (講談社文芸文庫) 文庫 – 2019/4/12
吉本 隆明
(著)
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昭和天皇、美空ひばり、手塚治虫、小林秀雄、鮎川信夫、三島由紀夫、中上健次、サルトル、埴谷雄高、平野謙、在野の言語学者、元全学連委員長、学生時代からの友人、実姉…多種多様な死者に手向けられた言葉の数々。そのどれもが感傷のみでは書かれておらず、死を契機とした掌篇の人間論である。著者生前三度にわたり刊行された『追悼私記』未収録の17篇(小川国夫、清岡卓行、吉行淳之介など)を増補する、文字通り完全版!
- 本の長さ368ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2019/4/12
- 寸法10.5 x 1.4 x 15.2 cm
- ISBN-104065153638
- ISBN-13978-4065153635
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商品の説明
著者について
吉本 隆明
吉本隆明(1924・11・25~2012・3・16)詩人、批評家。東京生まれ。東京工業大学卒業。1950年代、『固有時との対話』『転位のための十篇』で詩人として出発するかたわら、戦争体験の意味を自らに問い詰め文学者の戦争責任論・転向論で論壇に登場した。60年安保闘争を経て、61年「試行」を創刊。詩作、政治論、文芸評論、独自の表現論等、精力的に執筆活動を展開し「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。80年代からは、消費社会・高度資本主義の分析を手がけた。主な著書に『言語にとって美とはなにか』『自立の思想的拠点』『共同幻想論』『心的幻想論序説』『最後の親鸞』『マス・イメージ論』『ハイ・イメージ論』『アフリカ的段階について』『夏目漱石を読む』(小林秀雄賞)、『吉本隆明全詩集』(藤村記念歴程賞)等がある。
吉本隆明(1924・11・25~2012・3・16)詩人、批評家。東京生まれ。東京工業大学卒業。1950年代、『固有時との対話』『転位のための十篇』で詩人として出発するかたわら、戦争体験の意味を自らに問い詰め文学者の戦争責任論・転向論で論壇に登場した。60年安保闘争を経て、61年「試行」を創刊。詩作、政治論、文芸評論、独自の表現論等、精力的に執筆活動を展開し「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。80年代からは、消費社会・高度資本主義の分析を手がけた。主な著書に『言語にとって美とはなにか』『自立の思想的拠点』『共同幻想論』『心的幻想論序説』『最後の親鸞』『マス・イメージ論』『ハイ・イメージ論』『アフリカ的段階について』『夏目漱石を読む』(小林秀雄賞)、『吉本隆明全詩集』(藤村記念歴程賞)等がある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2019/4/12)
- 発売日 : 2019/4/12
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 368ページ
- ISBN-10 : 4065153638
- ISBN-13 : 978-4065153635
- 寸法 : 10.5 x 1.4 x 15.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 549,762位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 831位講談社文芸文庫
- - 1,145位ロシア・東欧文学研究
- - 7,917位日本文学研究
- カスタマーレビュー:
著者について
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