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遊廓と日本人 (講談社現代新書) 新書 – 2021/10/20
田中 優子
(著)
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人権無視の悲哀の場か、日本文化の聖域か。
「日本史の陰影(タブー)」を再考する。
江戸学の第一人者による「遊廓入門」の決定版!
--------------------------------------------------------------
遊廓は二度とこの世に出現すべきではなく、
造ることができない場所であり制度です。
一方で遊女が、高い教養を持ち、輸入香木を焚きしめ、とても良い香りを放ち、和歌を作り、三味線を弾き、生け花や抹茶の作法を知っており、一般社会よりもはるかに年中行事をしっかりおこない、日本文化を守り継承してきた存在でもあったことを忘れてはなりません。
-----------------------------------------------------------------
【本書の目次】
はじめに
第一章 吉原遊廓の誕生
第二章 遊廓とはどういう場所か?
第三章 遊女とはどんな人たちか?
第四章 男女の「色道」と吉原文化
第五章 吉原遊廓の三六五日
第六章 近代以降の吉原遊廓
終章 遊廓をどう語り継ぐべきか
【本書の内容】
・遊郭は「辺境の別世」「身分のない世界」
・「不夜城」と呼ばれた吉原遊廓
・「色好み」という日本文化の伝統
・井原西鶴が描いた「床上手」な遊女たち
・恋を創るために読まれた「色道」
・江戸の「いい男」「いい女」の条件とは
・遊女を世に知らしめた「洒落本」と「浮世絵」
・遊女の人権が問われた「マリア・ルス号事件」
・吉原遊廓の凋落と消えゆく江戸文化 ……ほか
「日本史の陰影(タブー)」を再考する。
江戸学の第一人者による「遊廓入門」の決定版!
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遊廓は二度とこの世に出現すべきではなく、
造ることができない場所であり制度です。
一方で遊女が、高い教養を持ち、輸入香木を焚きしめ、とても良い香りを放ち、和歌を作り、三味線を弾き、生け花や抹茶の作法を知っており、一般社会よりもはるかに年中行事をしっかりおこない、日本文化を守り継承してきた存在でもあったことを忘れてはなりません。
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【本書の目次】
はじめに
第一章 吉原遊廓の誕生
第二章 遊廓とはどういう場所か?
第三章 遊女とはどんな人たちか?
第四章 男女の「色道」と吉原文化
第五章 吉原遊廓の三六五日
第六章 近代以降の吉原遊廓
終章 遊廓をどう語り継ぐべきか
【本書の内容】
・遊郭は「辺境の別世」「身分のない世界」
・「不夜城」と呼ばれた吉原遊廓
・「色好み」という日本文化の伝統
・井原西鶴が描いた「床上手」な遊女たち
・恋を創るために読まれた「色道」
・江戸の「いい男」「いい女」の条件とは
・遊女を世に知らしめた「洒落本」と「浮世絵」
・遊女の人権が問われた「マリア・ルス号事件」
・吉原遊廓の凋落と消えゆく江戸文化 ……ほか
- 本の長さ176ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2021/10/20
- 寸法10.8 x 0.9 x 17.3 cm
- ISBN-104065260957
- ISBN-13978-4065260951
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商品の説明
著者について
田中 優子
1952年神奈川県横浜市生まれ。法政大学社会学部教授、社会学部長等を経て法政大学総長(2021年に退任)。専門は日本近世文学、江戸文化、アジア比較文化。2005年紫綬褒章受章。著書に『江戸の想像力』(ちくま学芸文庫/芸術選奨文部大臣新人賞受賞)、『江戸百夢 近世図像学の楽しみ』(ちくま文庫/芸術選奨文部科学大臣賞、サントリー学芸賞受賞)など多数。近著に『日本問答』『江戸問答』(岩波新書/松岡正剛との対談)など。
1952年神奈川県横浜市生まれ。法政大学社会学部教授、社会学部長等を経て法政大学総長(2021年に退任)。専門は日本近世文学、江戸文化、アジア比較文化。2005年紫綬褒章受章。著書に『江戸の想像力』(ちくま学芸文庫/芸術選奨文部大臣新人賞受賞)、『江戸百夢 近世図像学の楽しみ』(ちくま文庫/芸術選奨文部科学大臣賞、サントリー学芸賞受賞)など多数。近著に『日本問答』『江戸問答』(岩波新書/松岡正剛との対談)など。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2021/10/20)
- 発売日 : 2021/10/20
- 言語 : 日本語
- 新書 : 176ページ
- ISBN-10 : 4065260957
- ISBN-13 : 978-4065260951
- 寸法 : 10.8 x 0.9 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 28,991位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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イメージ付きのレビュー
4 星
遊郭には知られざる文化と伝統が存在した
遊郭にいた花魁達は身請けされた際、和歌や活花を嗜んだり、時計の修理が出来たりと教養に溢れた女性が多かった。この知られざる歴史の一断面を伝えていくことが大事である。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年12月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
文化史として、一級の読み物です。面白かったです。
2024年4月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
なかなかこういう本を読まないと知ることが出来ない雰囲気を知ることが出来て面白かったです。
ただ、遊郭の情報を読みたくて買った本ですが作者様の現代の思想(フェミニスト思想など)が少し入ってくるのが読みにくかったです。フェミニスト思想に反対な訳では無いのですが。本として書くには仕方ないと思いますのでただの一読者のわがままです。
ただ、遊郭の情報を読みたくて買った本ですが作者様の現代の思想(フェミニスト思想など)が少し入ってくるのが読みにくかったです。フェミニスト思想に反対な訳では無いのですが。本として書くには仕方ないと思いますのでただの一読者のわがままです。
2021年11月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
確かに、吉原遊郭みたいな施設は現代では許されない。
だが現代に置き換えた場合、他に職業の選択肢があったとしても、女性のいわゆる「昼職」の賃金が上がったとしても、夜の仕事(性風俗を含む)に就く女性はなくならない。
ということが、この著者は分かっていないのではないだろうか?
そういった仕事に就く女性の事情としては、女性の職業選択の選択肢の幅が狭いとか男性に比較して女性の賃金が安いとか、ましてはジェンダー問題とかが理由ではない、ということが分かっていないようだ。
だが現代に置き換えた場合、他に職業の選択肢があったとしても、女性のいわゆる「昼職」の賃金が上がったとしても、夜の仕事(性風俗を含む)に就く女性はなくならない。
ということが、この著者は分かっていないのではないだろうか?
そういった仕事に就く女性の事情としては、女性の職業選択の選択肢の幅が狭いとか男性に比較して女性の賃金が安いとか、ましてはジェンダー問題とかが理由ではない、ということが分かっていないようだ。
2022年12月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本編は江戸時代の遊郭(主に吉原)の成立と栄枯盛衰を分かりやすく解説した江戸文化入門書的記述です。
一方でまえがきとあとがきは現代のジェンダー観で遊郭を批判的に捉えており、有識者としてニュース番組でコメントする田中優子氏の姿勢が見てとれます。
それぞれ読みごたえがありますが、注意深く読まないと「結局、遊郭はあって良かったのか悪かったのか」田中優子氏のスタンスが分からなくなります。
また、テーマ設定があくまで「遊郭」に限定されているため、同時代の「岡場所」「夜鷹」といった性風俗にほとんど触れられていませんし、遊郭や赤線地帯が消滅した現代には「本人が望まないで性風俗に従事している女性」はいなくなったかのように読み取れる部分もあります。
本編は江戸文化入門書として、まえがき・あとがきはジェンダー論の一見解として読むのが妥当でしょうか。
一方でまえがきとあとがきは現代のジェンダー観で遊郭を批判的に捉えており、有識者としてニュース番組でコメントする田中優子氏の姿勢が見てとれます。
それぞれ読みごたえがありますが、注意深く読まないと「結局、遊郭はあって良かったのか悪かったのか」田中優子氏のスタンスが分からなくなります。
また、テーマ設定があくまで「遊郭」に限定されているため、同時代の「岡場所」「夜鷹」といった性風俗にほとんど触れられていませんし、遊郭や赤線地帯が消滅した現代には「本人が望まないで性風俗に従事している女性」はいなくなったかのように読み取れる部分もあります。
本編は江戸文化入門書として、まえがき・あとがきはジェンダー論の一見解として読むのが妥当でしょうか。
2023年4月17日に日本でレビュー済み
「星の数」をいくつにするかにはちょっと迷った。本としては決してつまらない中身ではないので★4つでも良かったのだが、最後まで引っかかる点が一つあって結局★1つ減点した。
著者は「はじめに」の部分で遊郭というシステムの(今日的な視点からの)問題点を挙げた後、その問題点に関して「単に経済の問題としてではなく、ジェンダーの問題として考えなくてはなりません」(P.4)と主張している。ここを読んだ私は、この本のメインテーマは「遊郭というシステムを巡るジェンダーの問題」なのかと期待して先を読み進めた。
だが、その後に続くのは主に吉原遊郭の歴史やそのシステム、日常、遊女に関するアレコレ、遊郭が日本の文化に与えた影響等々、ごく「一般的」と言える内容。まあこの部分の内容自体は中々面白いので、その点について文句は言わないが、結局最後まで「ジェンダーの問題」に関する掘り下げには乏しく、「不完全燃焼」気味のままで終わってしまう。「遊郭に関する一般的な事柄」と「ジェンダーの問題」を絡めて1冊の本で論ずるには、かなりのボリュームが必要な筈で、それを新書という非常に限られた紙数に中で展開する事自体に多分な無理があると思う。遊郭の、今日的な視点からすれば「理不尽」なシステムが可能だったのは、当時「人権」という考え方がほぼ無かった事と、女性が働く(稼ぐ)ための手段があまりに乏しかったゆえ、という著者の指摘は無論間違いではないが、これは恐らく誰にでも容易に想像出来る事であり、そこからの(現代を含めた)「ジェンダーの問題」への著者ならではの踏み込みや問題検証・提起が全く不充分な点にはガッカリさせられる。吉原をはじめとする遊郭に関する本を読みたければ、『吉原はスゴイ――江戸文化を育んだ魅惑の遊郭』(堀口茉純著/PHP新書/2018年)の方がはるかにオススメだ。
中途半端に「ジェンダーの問題」に触れてしまったばかりに全体の印象がぼやけてしまったという点で、誠に「残念」な1冊である。
著者は「はじめに」の部分で遊郭というシステムの(今日的な視点からの)問題点を挙げた後、その問題点に関して「単に経済の問題としてではなく、ジェンダーの問題として考えなくてはなりません」(P.4)と主張している。ここを読んだ私は、この本のメインテーマは「遊郭というシステムを巡るジェンダーの問題」なのかと期待して先を読み進めた。
だが、その後に続くのは主に吉原遊郭の歴史やそのシステム、日常、遊女に関するアレコレ、遊郭が日本の文化に与えた影響等々、ごく「一般的」と言える内容。まあこの部分の内容自体は中々面白いので、その点について文句は言わないが、結局最後まで「ジェンダーの問題」に関する掘り下げには乏しく、「不完全燃焼」気味のままで終わってしまう。「遊郭に関する一般的な事柄」と「ジェンダーの問題」を絡めて1冊の本で論ずるには、かなりのボリュームが必要な筈で、それを新書という非常に限られた紙数に中で展開する事自体に多分な無理があると思う。遊郭の、今日的な視点からすれば「理不尽」なシステムが可能だったのは、当時「人権」という考え方がほぼ無かった事と、女性が働く(稼ぐ)ための手段があまりに乏しかったゆえ、という著者の指摘は無論間違いではないが、これは恐らく誰にでも容易に想像出来る事であり、そこからの(現代を含めた)「ジェンダーの問題」への著者ならではの踏み込みや問題検証・提起が全く不充分な点にはガッカリさせられる。吉原をはじめとする遊郭に関する本を読みたければ、『吉原はスゴイ――江戸文化を育んだ魅惑の遊郭』(堀口茉純著/PHP新書/2018年)の方がはるかにオススメだ。
中途半端に「ジェンダーの問題」に触れてしまったばかりに全体の印象がぼやけてしまったという点で、誠に「残念」な1冊である。
2021年11月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
江戸文化としての遊郭と、ジェンダー論なども踏まえた遊郭の人権論を並列して語るにしては、ページ数も足りないし、参考文献もまった網羅的ではなく鬼滅便乗出版かと思えるような貧弱な内容。非常に表面的にしか論点を描ききれてない。講談社現代新書はもう少し骨太な出版姿勢だと思っていたので実に残念でならない。
2021年10月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
田中優子氏の本は37年前に「江戸の想像力」(1984年)を読んで、世界がひっくり返えるような衝撃を受けた。その後は本が出るたびに買って読んでいたが、デビュー作のような衝撃はなく、次第に買うだけで読まなくなり、その後は買うこともなくなった。
前作の「江戸問答」は久々に買って読んだ。知識盛りだくさんな点はよかったが、やはり感動や衝撃には乏しい。しかし、田中氏の本を熱心に読んでいた三十数年前を思いだして懐かしむというノスタルジア的効用はあった。
それで、本書である。買うか見送るか迷ったが、遊郭についての新しい新書本は読みたいし、本とKindleが同時発売なのも良い。それでKindleで予約注文した。
読んでみると、ちょっと驚いた。序文に「ジェンダーから見た遊廓の問題」というジェンダー遊廓論があり、続いて、この本を読む心得+子供にアニメ鬼滅の刃の遊廓をどう教えるかの注意点が出てくる。二つあり①は遊廓遊女によって日本文化が守られ継承されたこと、②は女性が全人格的にではなく、性行為の対象としてのみ見られることは、今日では許されないこと。
この序文の感想としては、①30数年前の田中先生の本にはこんなことは書かれていなかった。②この先、遊廓の本には、皆この種の注意書が必要になるのだろうか③序文は注意書のレベルではなくジェンダー遊廓論の積極的主張だが、こういう積極的主張で展開される遊廓本が、遊廓案内として面白いだろうか。の三つだった。
目次
第一章 吉原遊廓の誕生
第二章 遊廓とはどういう場所か?
第三章 遊女とはどんな人たちか?
第四章 男女の「色道」と吉原文化
第五章 吉原遊廓の365日
第六章 近代以降の吉原遊廓
終章 遊廓をどう語り継ぐべきか
私的感想
○新書本で170頁の薄い本である。
○序文でちょっと読書欲を削がれたが、第一章を読みはじめてみると、普通の(定説の)遊廓史遊女史である。そして、第二章吉原地理地図構造、第三章遊女風俗、第四章色道と文化、第五章年中行事と、たいへん上手な吉原遊廓案内が、リズム感よく進んでいく。
○ジェンダー遊廓論は第三章までは積極的主張として出てくるが、第四章、第五章では、積極的主張としても、注意書としても一切出てこない。しかし、江戸の夢の世界の描写に、現代人の思想を織り込むのはやぼということではない。よく読んでいくと、その逆で、原における客と遊女間の性愛、(疑似)恋が、現代人の恋の理想として描かれているのである。以下引用させていただく(53頁)。「単なる欲望を精神的、社会的な喜びに変えること。それが文化なのです」「遊廓は、性を中心にそのような総合的な文化を創り上げた場所です」「食欲が料理と演出によって真に贅沢で幸福な時間に生まれ変わるように、性欲や愛欲も、贅沢で夢のような経験に生まれ変わり得るのです」「恋の究極は結婚などではありません。恋には恋の理想があるのです」うーん、これは江戸遊廓にさりげなく持ち込まれた、現代人のロマンチックラブ批判ではないだろうか。
○第六章以後はジェンダー遊廓史の通説通りの展開で、特に新味はない。伝統芸能(江戸文化)の継承としての吉原の意義は書かれている。
○最後は定石通り、家族制度批判、家族のあり方批判で終わっている。
私的結論
○二章から五章から楽しく読ませていただいた。評価は☆☆☆☆。
○江戸文化も、遊廓文化も、色道も、好色も、興味深い。ただ、高尚、高級すぎて、庶民と無縁または縁遠いように思えなくもない。
蛇足
本書と同じ講談社現代新書から8月に出版された『長崎丸山遊廓 江戸時代のワンダーランド』は、長崎最大の地場産業丸山遊廓を支え、長崎を支えた丸山遊女たちの話である。情熱のこもった傑作と思う。
前作の「江戸問答」は久々に買って読んだ。知識盛りだくさんな点はよかったが、やはり感動や衝撃には乏しい。しかし、田中氏の本を熱心に読んでいた三十数年前を思いだして懐かしむというノスタルジア的効用はあった。
それで、本書である。買うか見送るか迷ったが、遊郭についての新しい新書本は読みたいし、本とKindleが同時発売なのも良い。それでKindleで予約注文した。
読んでみると、ちょっと驚いた。序文に「ジェンダーから見た遊廓の問題」というジェンダー遊廓論があり、続いて、この本を読む心得+子供にアニメ鬼滅の刃の遊廓をどう教えるかの注意点が出てくる。二つあり①は遊廓遊女によって日本文化が守られ継承されたこと、②は女性が全人格的にではなく、性行為の対象としてのみ見られることは、今日では許されないこと。
この序文の感想としては、①30数年前の田中先生の本にはこんなことは書かれていなかった。②この先、遊廓の本には、皆この種の注意書が必要になるのだろうか③序文は注意書のレベルではなくジェンダー遊廓論の積極的主張だが、こういう積極的主張で展開される遊廓本が、遊廓案内として面白いだろうか。の三つだった。
目次
第一章 吉原遊廓の誕生
第二章 遊廓とはどういう場所か?
第三章 遊女とはどんな人たちか?
第四章 男女の「色道」と吉原文化
第五章 吉原遊廓の365日
第六章 近代以降の吉原遊廓
終章 遊廓をどう語り継ぐべきか
私的感想
○新書本で170頁の薄い本である。
○序文でちょっと読書欲を削がれたが、第一章を読みはじめてみると、普通の(定説の)遊廓史遊女史である。そして、第二章吉原地理地図構造、第三章遊女風俗、第四章色道と文化、第五章年中行事と、たいへん上手な吉原遊廓案内が、リズム感よく進んでいく。
○ジェンダー遊廓論は第三章までは積極的主張として出てくるが、第四章、第五章では、積極的主張としても、注意書としても一切出てこない。しかし、江戸の夢の世界の描写に、現代人の思想を織り込むのはやぼということではない。よく読んでいくと、その逆で、原における客と遊女間の性愛、(疑似)恋が、現代人の恋の理想として描かれているのである。以下引用させていただく(53頁)。「単なる欲望を精神的、社会的な喜びに変えること。それが文化なのです」「遊廓は、性を中心にそのような総合的な文化を創り上げた場所です」「食欲が料理と演出によって真に贅沢で幸福な時間に生まれ変わるように、性欲や愛欲も、贅沢で夢のような経験に生まれ変わり得るのです」「恋の究極は結婚などではありません。恋には恋の理想があるのです」うーん、これは江戸遊廓にさりげなく持ち込まれた、現代人のロマンチックラブ批判ではないだろうか。
○第六章以後はジェンダー遊廓史の通説通りの展開で、特に新味はない。伝統芸能(江戸文化)の継承としての吉原の意義は書かれている。
○最後は定石通り、家族制度批判、家族のあり方批判で終わっている。
私的結論
○二章から五章から楽しく読ませていただいた。評価は☆☆☆☆。
○江戸文化も、遊廓文化も、色道も、好色も、興味深い。ただ、高尚、高級すぎて、庶民と無縁または縁遠いように思えなくもない。
蛇足
本書と同じ講談社現代新書から8月に出版された『長崎丸山遊廓 江戸時代のワンダーランド』は、長崎最大の地場産業丸山遊廓を支え、長崎を支えた丸山遊女たちの話である。情熱のこもった傑作と思う。