1950年代の半ばから1960年代の後半に放映されたアメリカTV映画で、印象に残った作品を列記してみる。
「アウター・リミッツ」・「アニーよ銃をとれ」・「アンタッテャブル」・「インベーダー」・「ガンスモーク」・「ギャラント・メン」・「クライシス/危機」・「コルト45」・「サーフサイド6」・「サンセット77」・「3ばか大将」・「シスコ・キッド」・「シャイアン」・「スーパーマン」・「スパイ大作戦」・「テキサス決死隊」・「ドクター・キルデア」・「ナポレオン・ソロ」・「バークにまかせろ」・「ハイウェイ・パトロール」・「バット・マスターソン」・「ハワイアン・アイ」・「ヒッチコック劇場」・「ブロンコ」・「ペリー・メイスン」・「ベン・ケーシー」・「ミステリー・ゾーン」・「名犬ラッシー」・「名犬リンチンチン」・「世にも不思議な物語」・「ライフルマン」・「ララミー牧場」・「ルート66」・「ローハイド」・「ローン・レンジャー」・「ロビン・フッドの冒険」・・・・・・。
数え上げればきりが無い。でも極めつけは「コンバット」と「逃亡者」だろう。各々の思い出を少し語りたい。
まず「コンバット」――。毎週水曜日夜8時から放映されていたが、プロ野球のシーズンともなると、人気の高い「コンバット」でも、ナイター中継に取って代わられる。従って、当日は朝、すぐに新聞のTV欄を見てナイターの場所を確認し、TVの天気予報でその地域が雨なのかどうか確認する。雨なら再放送であっても「コンバット」が放映されるのだ。
微妙な時はハラハラドキドキものである。当時、ナイター開始時間は今のように7時頃ではなく、8時からなので、8時の時報がなったら、勝負である。と云うのは、ナイターなら、なったと同時に野球の中継シーンが入り、その後CMに移るのだが、雨の場合はCMから入るのだ。CMから入った時は大げさではなく歓声を上げたものだ。
「コンバット」の魅力は偏にサンダース軍曹(ヴィック・モロー 声・田中信夫)にある。彼の日本での人気がピークを迎えた頃、たしか、小学校の6年生だったと思うが、日本にやってきて、大阪では心斎橋の大丸の屋上が会場で、その日、クラスの友人と放課後、一目散に向かったが、結局会えなくて残念がったのを、昨日のように憶えている。
憶えていると言ったら、「逃亡者」の冒頭のナレーションである。――リチャード・キンブル。職業医師。正しかるべき正義も時には盲(めしいる)ことがある。リチャード・キンブルは無実だった。彼が妻の死を発見する直前、片腕の男が外を出て行ったが、その男はついにみつからなかった。護送の途中列車事故に遭い、からくも脱出したが、それからの孤独と絶望の逃亡生活が始まる。髪の色を変え、重労働に耐えながら、彼は犯行現場から走り去った片腕の男を探し求める。彼は逃げる。執拗なジェラード警部の追跡を交わしながら、現在を今夜を、そして明日を生きる為に――。
このフレーズは社会人になっても忘れる事がなかったので、アフター5のスナックなどで、カラオケの合間によく披露したものだ。
さて、そういった意味で、本書は昭和20年代から30年代初め頃に生まれた者にとっては大喝采なのだが、それ以外の世代ではどう評価されるのだろうか。
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懐かしのアメリカTV映画史 (集英社新書) 新書 – 2005/1/14
瀬戸川 宗太
(著)
夢中になって観たあの頃のトキメキが甦る!
日本のTV放送黎明期はアメリカTV映画の黄金時代。『スーパーマン』『コンバット』『奥様は魔女』etc.etc.当時の少年少女たちをブラウン管に釘付けにした50〜60年代の作品を全網羅して紹介する。
日本のTV放送黎明期はアメリカTV映画の黄金時代。『スーパーマン』『コンバット』『奥様は魔女』etc.etc.当時の少年少女たちをブラウン管に釘付けにした50〜60年代の作品を全網羅して紹介する。
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2005/1/14
- ISBN-104087202763
- ISBN-13978-4087202762
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2005/1/14)
- 発売日 : 2005/1/14
- 言語 : 日本語
- 新書 : 192ページ
- ISBN-10 : 4087202763
- ISBN-13 : 978-4087202762
- Amazon 売れ筋ランキング: - 106,189位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年4月22日に日本でレビュー済み
2005年1月23日に日本でレビュー済み
問題意識は明確。ハルバースタムの『フィフティーズ』のような文化史を包括しつつ1950年代とはどういった時代だったのかを総括するような著作を踏まえ、1960年代を回顧するような映画が何本も製作されたりするのは、「アメリカ社会の中核的位置を占めているミドルの世代が、若き日の意味を問い始めているからにちがいない」(p.10)というもの。しかし「人々の記憶に鮮烈に残っているのは、この時代のテレビが創り出したイメージで、これはしばしば実生活の記憶より生々しく甦ってくる」(『フィフティーズ』)にもかかわらず、文化史を包括的にながめる場合、劇場公開された映画に関しては様々な批評もあるが、テレビ映画に関してはまとまった著作がない、と。
ルーシー・ショーでルシル・ポールは夫役のアーネスの子供を現実に妊娠し、テレビでも毎週おなかが大きくなっていって、ルーシーの出産のエピソードを放映した日に、ルシル・ポールも子供を出産。テレビの視聴者は現実と虚構の区別がつかなくなるほどの社会現象を生み、アイゼンハワー大統領の就任式と同じぐらい大きく新聞に扱われたという。あまりにもイメージが固まってしまって、役が出来なくなった悩みから59年にピストル自殺したスーパーマン役のジョージ・リーブスも現実に「空を飛んでくれ」と頼まれたことが何回もあったという。日本の場合も、プロレス中継などで「現実と虚構の区別がつかなくなる」という現象が生まれていたと思うが、テレビというのは、本当に強力なメディアだったんだな、と改めて思う。
ルーシー・ショーでルシル・ポールは夫役のアーネスの子供を現実に妊娠し、テレビでも毎週おなかが大きくなっていって、ルーシーの出産のエピソードを放映した日に、ルシル・ポールも子供を出産。テレビの視聴者は現実と虚構の区別がつかなくなるほどの社会現象を生み、アイゼンハワー大統領の就任式と同じぐらい大きく新聞に扱われたという。あまりにもイメージが固まってしまって、役が出来なくなった悩みから59年にピストル自殺したスーパーマン役のジョージ・リーブスも現実に「空を飛んでくれ」と頼まれたことが何回もあったという。日本の場合も、プロレス中継などで「現実と虚構の区別がつかなくなる」という現象が生まれていたと思うが、テレビというのは、本当に強力なメディアだったんだな、と改めて思う。
2020年2月1日に日本でレビュー済み
中途半端な近現代史の話のせいで、アメリカTV映画史の話も中途半端です。
思い出と歴史的説明と個人的な意見が雑然としています。
ケネディのことは映画「JFK」を見なさいと言うのは笑ってしまいました。
何だか煮え切らない、読後感もスッキリしない本です。
九州大学の建設中だった計算機センターにファントムが墜落したのは1968年でした。
当時、九州大学の学生だった伯父さんと一緒にキャンパスを散歩していて、
ビルの鉄骨にファントムが突っ込んでいるところを見ました。
門には机でバリケードが築かれ、ヘルメットとマスクをした学生が3,4人でジグザグデモの練習をしていました。
そんなときにやっていたのは「ギャリソン・ゴリラ」でした。
私が見たのは再放送かもしれない。なんてことを言う事に意味はあるのでしょうか?
伯父さんは、大学院に進み、学生運動をやり、学生結婚し、生協で披露宴をやりました。
その後、警察に逮捕されて・・・・・
p.s.ロバート・ロージアの「キャット」のことは載っていなかった。
思い出と歴史的説明と個人的な意見が雑然としています。
ケネディのことは映画「JFK」を見なさいと言うのは笑ってしまいました。
何だか煮え切らない、読後感もスッキリしない本です。
九州大学の建設中だった計算機センターにファントムが墜落したのは1968年でした。
当時、九州大学の学生だった伯父さんと一緒にキャンパスを散歩していて、
ビルの鉄骨にファントムが突っ込んでいるところを見ました。
門には机でバリケードが築かれ、ヘルメットとマスクをした学生が3,4人でジグザグデモの練習をしていました。
そんなときにやっていたのは「ギャリソン・ゴリラ」でした。
私が見たのは再放送かもしれない。なんてことを言う事に意味はあるのでしょうか?
伯父さんは、大学院に進み、学生運動をやり、学生結婚し、生協で披露宴をやりました。
その後、警察に逮捕されて・・・・・
p.s.ロバート・ロージアの「キャット」のことは載っていなかった。
2014年6月18日に日本でレビュー済み
1999年に夭折したミステリー・映画評論家、瀬戸川猛資氏の弟である宗太氏による、日本で放映されたアメリカ製TV映画(ただし、英製、加製、日本製にも言及)を概観した書。TV映画黄金期と言える1956年〜1969年までの10年強が、社会史的視点も含みながらも、多分に、瀬戸川氏の個人史的視点から全6章に渡って論じられている。
黄金期アメリカ製のTV映画は、一部のメジャー・タイトル(『 ローハイド 』、『 ララミー牧場 』、『 コンバット! 』、『 奥さまは魔女 』など)を除き、日本盤DVDがほとんど発売されていないこともあり、リアルタイムで、そういった作品に触れて来た人の話を読むのは、やはり楽しいし、勉強にはなる。ただし、瀬戸川氏の個人史という面がかなり強いこともあり、資料的な価値はあまりなく、体系的な論と呼べるものにはなっていないのが残念。あくまで、雑然と各年に日本で放映された作品を挙げて行き、当時の世相を絡めながらも、とめどなく溢れて来る、氏の個人的な思い出を語るという体裁だ。作品の社会史的意味付けにしても、特に鋭い指摘はない。エピローグで、氏が「単なるノスタルジーに終わっているのではないかと心配である」(P163)と述べているが、結果的に、その言葉通りになっているというのが、正直な感想だ。リアル・タイムということに縛られ、良くも悪くも、懐古的になってしまったのが本書。
そういった意味では(書名に「懐かしの」という語が入っているし、帯には「昭和三〇年代の子どもたちへ!」というキャッチ・コピーが大きく書かれているところからすると、明確に、氏と同じ世代をターゲットにしているのかもしれない)、氏と同じく、リアルタイムで本書で触れられているTV映画作品を観て育った世代には、それこそ、タイム・スリップしたかのように、当時を懐かしく追体験出来、たまらないのではないかと思う。
また、それ以外の世代にとっては、前述通り、資料的な価値が低いのが難点で、全面的に褒めることは出来ないものの―ただし、巻末の「日米TV映画史年表」、索引は、コンパクトで役に立つ―、ちょうど、日本でのTV受信機普及の時期と重なって、アメリカ製TV映画が、好意的に受容されて行った当時の熱気や雰囲気を知る上では、それなりに意味のある書と言えるのではないだろうか。
黄金期アメリカ製のTV映画は、一部のメジャー・タイトル(『 ローハイド 』、『 ララミー牧場 』、『 コンバット! 』、『 奥さまは魔女 』など)を除き、日本盤DVDがほとんど発売されていないこともあり、リアルタイムで、そういった作品に触れて来た人の話を読むのは、やはり楽しいし、勉強にはなる。ただし、瀬戸川氏の個人史という面がかなり強いこともあり、資料的な価値はあまりなく、体系的な論と呼べるものにはなっていないのが残念。あくまで、雑然と各年に日本で放映された作品を挙げて行き、当時の世相を絡めながらも、とめどなく溢れて来る、氏の個人的な思い出を語るという体裁だ。作品の社会史的意味付けにしても、特に鋭い指摘はない。エピローグで、氏が「単なるノスタルジーに終わっているのではないかと心配である」(P163)と述べているが、結果的に、その言葉通りになっているというのが、正直な感想だ。リアル・タイムということに縛られ、良くも悪くも、懐古的になってしまったのが本書。
そういった意味では(書名に「懐かしの」という語が入っているし、帯には「昭和三〇年代の子どもたちへ!」というキャッチ・コピーが大きく書かれているところからすると、明確に、氏と同じ世代をターゲットにしているのかもしれない)、氏と同じく、リアルタイムで本書で触れられているTV映画作品を観て育った世代には、それこそ、タイム・スリップしたかのように、当時を懐かしく追体験出来、たまらないのではないかと思う。
また、それ以外の世代にとっては、前述通り、資料的な価値が低いのが難点で、全面的に褒めることは出来ないものの―ただし、巻末の「日米TV映画史年表」、索引は、コンパクトで役に立つ―、ちょうど、日本でのTV受信機普及の時期と重なって、アメリカ製TV映画が、好意的に受容されて行った当時の熱気や雰囲気を知る上では、それなりに意味のある書と言えるのではないだろうか。
2007年2月17日に日本でレビュー済み
著者は私より少し年上だ。1955〜1969年までのTV映画を網羅して語っている。
ケネディ暗殺、60年安保、キューバ危機、ベトナム戦争などを、時代背景と
して描いている。しかし、よくいろいろ番組や映画をみているものだ。
そこは都会の子だからか。いなかとは放映チャンネル数がだんぜんちがう。
白黒からカラーになった「逃亡者」や、スパイものの「ナポレオン・ソロ」、
「スパイ大作戦」は懐かしい。「ギリガン君SOS」は日本でほとんど話題に
ならなかったというが、私は結構見ていた。タイトルも「モーレツ!ギリガン君」
ではなかったか。
確かに、著者の主観的判断、個人的思い出がこもっているが、米国TVドラマは
それだけ当時の人々には人生と切り離せない娯楽だったということです。
ケネディ暗殺、60年安保、キューバ危機、ベトナム戦争などを、時代背景と
して描いている。しかし、よくいろいろ番組や映画をみているものだ。
そこは都会の子だからか。いなかとは放映チャンネル数がだんぜんちがう。
白黒からカラーになった「逃亡者」や、スパイものの「ナポレオン・ソロ」、
「スパイ大作戦」は懐かしい。「ギリガン君SOS」は日本でほとんど話題に
ならなかったというが、私は結構見ていた。タイトルも「モーレツ!ギリガン君」
ではなかったか。
確かに、著者の主観的判断、個人的思い出がこもっているが、米国TVドラマは
それだけ当時の人々には人生と切り離せない娯楽だったということです。
2005年1月17日に日本でレビュー済み
日本における外国TV映画史を当時の世相を絡ませて紹介してくれて、懐かしの番組を思い出しながら楽しく読ませてもらいました。
反面、著者の主観が入り過ぎた嫌いもあり、番組の紹介漏れ、東京と地方での生活環境の違いで持った番組への印象や、世代の違いで、著者の番組評価にやや違和感を覚えたことは否めません。
テレビ第一世代で育った日本人なら、番組を通じてアメリカ文化に憧憬を抱いたことは間違いないでしょう。
ノスタルジーを込めて一読の価値は十分あると思います。
反面、著者の主観が入り過ぎた嫌いもあり、番組の紹介漏れ、東京と地方での生活環境の違いで持った番組への印象や、世代の違いで、著者の番組評価にやや違和感を覚えたことは否めません。
テレビ第一世代で育った日本人なら、番組を通じてアメリカ文化に憧憬を抱いたことは間違いないでしょう。
ノスタルジーを込めて一読の価値は十分あると思います。
2005年1月18日に日本でレビュー済み
”アメリカTV映画史”と銘うたれていますが、当時の日米の世相や著者の個人的な思い出や思い入れがわりと多く述べられ、ドラマのインサイドストーリーの類はあまり多くはないので、その点には不満が残ります。文化史としての一冊ということだそうですからやむをないかもしれませんが。
また、昭和27年生まれの著者と一世代若い私とでは、具体的に思い入れのあるドラマに結構食い違いがあり、一方、育った地方の違いによる感じ方の差にも若干違和感を感じました。私にとっては話し半ばの一番いいところで終わってしまったという感じがしますが、昭和27年+-5年ぐらいの生まれで関東育ちの人に一番ピッタリとくる本ではないでしょうか。
とはいえ、昭和20~30年代生まれでアメリカTVドラマの洪水に洗われながら育った人にとっては、大変懐かしく甘美な思い出に浸ることができる本であることは間違いないのではないでしょうか。
また、昭和27年生まれの著者と一世代若い私とでは、具体的に思い入れのあるドラマに結構食い違いがあり、一方、育った地方の違いによる感じ方の差にも若干違和感を感じました。私にとっては話し半ばの一番いいところで終わってしまったという感じがしますが、昭和27年+-5年ぐらいの生まれで関東育ちの人に一番ピッタリとくる本ではないでしょうか。
とはいえ、昭和20~30年代生まれでアメリカTVドラマの洪水に洗われながら育った人にとっては、大変懐かしく甘美な思い出に浸ることができる本であることは間違いないのではないでしょうか。