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遺訓 (新潮文庫) 文庫 – 2020/12/23

5つ星のうち4.4 57個の評価

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「西郷先生を守護せよ」
西郷隆盛の教えをなぜ戊辰戦争の旧敵である庄内武士が伝えたのか。
沖田総司の甥にしてその再来、天然理心流の若き遣い手、沖田芳次郎の志とは。

佐藤賢一が郷土鶴岡への想いをこめて描いた、感涙必至の本格時代長篇。


西南の役が何故起きたのかをめぐる歴史小説であるが、同時に、青年剣士の成長と挫折を捉えた青春小説でもある。激動の時代を生き抜く男たちの、苦難に動じることなく飄々と対処する姿が実に印象深い。颯爽たる佐藤文学の代表作だろう。──池上冬樹


第一部 明治政府
第二部 西郷暗殺
第三部 西南の役

沖田総司の甥にして、天然理心流の遣い手たる沖田芳次郎は、旧庄内藩重臣から西郷 隆盛の警護を依頼された。青年剣士はやがて西南戦争という激流に巻き込まれてゆ く。西郷、大久保という二つの巨星。悲恋、戦塵をくぐり抜けながらの成長。戊辰戦 争ののち西郷と庄内侍の間には熱い絆が結ばれた。『南洲翁遺訓』を後世に伝えた鶴 岡に生を受けた著者が、深き感慨をこめて描く、本格時代長篇。解説・大矢博子

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双頭の鷲〔上〕
双頭の鷲〔下〕
女信長
新徴組
遺訓
日蓮
カスタマーレビュー
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【新潮文庫】佐藤 賢一 作品 英国との百年戦争で劣勢に陥ったフランスを救うは、ベルトラン・デュ・ゲクラン。傭兵隊長から大元帥となった男の、痛快な一代記。 覇王・信長は女であることを隠し、乱世を駆け抜けた。猛将・知将との秘められた恋。そして本能寺の真相。驚天動地の新・戦国絵巻。 沖田総司の義兄にして剣客、林太郎。フランス式歩兵を操る庄内藩青年中老、酒井玄蕃。戊辰戦争で官軍を破り続けた二人の男の物語。 「西郷隆盛を守護せよ」。その命を受けたのは沖田総司の再来、甥の芳次郎だった。西郷と庄内武士の熱き絆を描く、渾身の時代長篇。 人々を救済する──。佐渡流罪に処されても、信念を曲げず、法を説き続ける日蓮。その信仰と情熱を真正面から描く、歴史巨篇。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社; 文庫版 (2020/12/23)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2020/12/23
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 656ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 410112535X
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4101125350
  • 寸法 ‏ : ‎ 14.8 x 10.5 x 2 cm
  • Amazon 売れ筋ランキング: - 459,134位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
  • カスタマーレビュー:
    5つ星のうち4.4 57個の評価

著者について

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佐藤 賢一
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1968年、山形県鶴岡市生まれ。東北大学大学院文学研究科で西洋史学を専攻。93年、『ジャガーになった男』で第六回小説すばる新人賞を受賞。99年、『王妃の離婚』で第一二一回直木賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 フランス革命の肖像 (ISBN-13:978-4087205411)』が刊行された当時に掲載されていたものです)

カスタマーレビュー

星5つ中4.4つ
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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2024年1月21日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    西郷隆盛は征韓論に敗れて下野と常識を覆し、昨日の敵と心を通じ合うことができた人たちの物語である。明治維新には多くの偉人が輩出したが、その言葉が教えとして今日まで残されているには西郷隆盛のみである。しかし西郷隆盛は紙幣の顔には選ばれていない。
  • 2018年8月7日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    名作「新徴組」の続編。
    敗者となった庄内藩、その後の物語。
    西南戦争をこの視点で描いた歴史小説は唯一無二。
    佐藤賢一氏は、今いちばん信頼のできる歴史小説家と確信する。
    買いです。
    14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2018年8月8日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    あまり伝えられていない幕末の庄内藩と西郷との関係を伝える貴重な物語です。かねて省内は私の心の故郷ですが、改めて庄内の歴史に思いを馳せることができました。
    7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2020年1月13日に日本でレビュー済み
    戊辰戦争で唯一、薩摩視点でいわゆる「漢と漢の闘い」的な麗しい締め方で終われた庄内藩。
    その本筋はこの作者の前著「新徴組」で追うとして、本作は庄内藩視点からの西南戦争のお話。
    認め合った漢同士という感じで、維新後に薩摩(西郷派)と庄内の関係が深まっていくのだが、
    中央を牛耳る大久保との溝を深めていく西郷に、庄内も否応なく巻き込まれていく。

    この視点から捉えると大久保はどうしても極端な悪役にならざるを得ず、やや単調なプロットだ。
    史実に従う以上あまり読後感の良い締め方もできず、ただ有名な南洲翁遺訓が庄内に残るだけとなる。
    庄内の人々にとっては大事なテーマだが、一般向け小説とするには難しい題材だったかもしれない。
    庄内藩がらみのストーリーなら、前著「新徴組」のほうをお薦めする。
    5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2018年1月18日に日本でレビュー済み
    西南戦争そのものよりも、庄内と薩摩のつながりを軸として、薩軍蜂起に至る過程に重きが置かれていた。

    主人公は、沖田総司の甥にして天然理心流を修めた美丈夫、今は庄内藩に身を寄せる元新徴組隊士の沖田芳次郎。多くはこの沖田の視点から語られるが、時には大久保、時には西郷と語り手が変わる。

    大久保が如何にして庄内に警戒しつつ薩摩の士族を追い詰めていったのか、西郷は何故起たざるを得なかったのか。大久保と西郷の心のうちの深いところまで、丹念に掘り下げている。冷酷非情で知られる大久保が、何と人間臭く描かれていることか(行為はやはり冷酷非情なのだが)。この人間描写の筆致が、著者の作品の醍醐味である。

    大久保と西郷の対立に焦点を当てた小説は他にいくつもあるだろうが、沖田芳次郎を介して庄内視点でこの対立構図を捉えているところに独創性がある。

    護衛対象を狙う刺客と沖田との数多くの立ち合いの場面も、手に汗握る迫力である。

    戊辰戦争後の庄内と薩摩とのつながりや、庄内の酒井玄蕃が台湾出兵時に清国に渡って直隷経略論を著していたことなど、本書を読んで初めて知ったことも多かった。
    21人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2018年5月3日に日本でレビュー済み
    旧庄内藩が西郷を崇拝しているおおよその事は知っていたが、より詳しく知ることができた。
    主人公の沖田芳次郎の様な青年が居れば、誰からも好かれるのではないかと思われます。
    ストーリーも面白く、一気に読んでしまったと言いたいが、東北弁や鹿児島弁で書かれると意味を理解するのに随所で引っ掛かり、
    読んでいてストレスになったことは否めない。
    一か所だけ「漫画?」と思ったのは、酒井玄蕃の護衛で清国の北京へ馬車で向かう時に、刺客が気球で追いかけてきて爆弾を落とすシーン。
    確かに欧州には気球も有り、軍の観測用には使われていたでしょうが、現在の気球みたいに自在に操れる?・・・笑いました。
    4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2018年5月13日に日本でレビュー済み
    2010年に出版された同著者の『新徴組』の続編にあたる作品です。

    主人公は前作の新徴組隊士・沖田林太郎から、その息子で同じく元新徴組の沖田芳次郎へと移り、西南戦争前夜の薩摩と庄内の絆を軸に物語は展開していきます。
    前作『新徴組』は主人公のキャラが立っていないことも相俟って題材は面白いのにそれを活かしきれていないなあ、と残念に思う部分もありましたが、今作はエンタメ性も十分で思わずイッキ読みするほど引き込まれてしまいました。
    フィクションだと、頭では分かっていても案外歴史の真実とはこうだったのではないかと思わせる有無を言わせぬ心理描写は圧巻の一言です。

    ―庄内は負けたわけではない。戊辰でも、そして今回も。

    そんな庄内藩士の無念と矜持が垣間見えるクライマックス、山形県庁前での武器引き渡しのシーンはまさに鳥肌モノ。
    この作品の白眉だと思います(もっとも、さすがにこれはフィクションでしょうが)。

    戦って敗れた薩摩。戦わずして敗れた庄内。そんな「ラストサムライ」たちがその果てに残したものとは・・・
    おすすめです。
    4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2018年3月18日に日本でレビュー済み
    明治維新前後を描く小説では、最近伊藤潤氏の作品など、従来あまり光の当たらなかった人物を取り上げた作品を読んでいるが、本書も東北の庄内藩に光を当てた作品だ。

    庄内藩は会津藩と同様に最後まで新政府に対して戦う姿勢を見せた東北の小藩だが、この藩と西郷隆盛との不思議な縁が実に興味深い。庄内藩は西郷を慕い、西郷が薩摩に下野した後も、薩摩の私学校に人を送るなど交流が続く。西南の役に至るまでの、新政府と薩摩、庄内のせめぎ合いを、沖田芳次郎という若者の目を通して一つの物語にうまく仕上げている。
    8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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