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往きて還らず (新潮文庫) 文庫 – 2011/7/28
団 鬼六
(著)
「おれが飛び立ったら、この女をお前の妻にしろ」──戦争末期の鹿屋航空基地で著者の父が出会った、三人の特攻隊員と絶世の美女、八重子。出撃命令を待つ彼らの間で交わされた密約が、それぞれの人生を大きく変えていく。国を守るために命を捨てた男たちと彼らの想いに殉じた女の運命を描く哀切きわまる恋愛譚。父が語った思い出を妖艶な物語に昇華させた鬼六文学の最高傑作。
- 本の長さ243ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2011/7/28
- 寸法10.7 x 1 x 15.1 cm
- ISBN-104101331332
- ISBN-13978-4101331331
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登録情報
- 出版社 : 新潮社; 文庫版 (2011/7/28)
- 発売日 : 2011/7/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 243ページ
- ISBN-10 : 4101331332
- ISBN-13 : 978-4101331331
- 寸法 : 10.7 x 1 x 15.1 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 830,901位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 10,184位新潮文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年8月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
戦争と、それを体験する男の女の情が、団さんの筆力をもって迫ってくる作品です。蒼井そらさん主演で、映画化しませんか。
2013年11月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本の状態もよく申し分なく読めました。
ページをめくる度に次の展開がどうなっていくのかワクワクして、
あっという間に読み終わってしまいました。
流石、団鬼六先生の作品です。
ページをめくる度に次の展開がどうなっていくのかワクワクして、
あっという間に読み終わってしまいました。
流石、団鬼六先生の作品です。
2010年1月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
戦記物といえば、家族愛とか、生きる、というテーマを取り上げるものが多いが
これは戦記物では今までタブー視されていた、生と性を取り上げた異色作である。
戦争といういわば異常な状況の中、特攻隊員の限られた命が貪欲に性を求めるのは
生きている証だったのかもしれない。そしてその貪欲さはむしろ神々しいまで美しい。
神と崇められた特攻隊員が一人の女の前では子供のように弱さを曝け出し、人間臭いドラマを
生み出す。
人間はそんなに偉いもんじゃない、人間ってのはもっと泥臭い。
泥臭い中に真実があり、美が存在する。そんなことをリアルに感じさせられたのは、やはり、男と女の
世界を書き続け第一人者とされる著者が、あえて切り込んだ世界だからだろうか。
冒頭は父の残した断片的な話の謎を筆者が特攻隊の地に旅して次第に解明しくのだが、それにどんどん引き込まれていってしまった。
まるでこの世の出来事ではなく、夢幻の世界で繰り広げられる性描写が切ないほど美しく印象的だった。
今までにない新たなジャンルの戦記小説が新鮮で面白かった。
これは戦記物では今までタブー視されていた、生と性を取り上げた異色作である。
戦争といういわば異常な状況の中、特攻隊員の限られた命が貪欲に性を求めるのは
生きている証だったのかもしれない。そしてその貪欲さはむしろ神々しいまで美しい。
神と崇められた特攻隊員が一人の女の前では子供のように弱さを曝け出し、人間臭いドラマを
生み出す。
人間はそんなに偉いもんじゃない、人間ってのはもっと泥臭い。
泥臭い中に真実があり、美が存在する。そんなことをリアルに感じさせられたのは、やはり、男と女の
世界を書き続け第一人者とされる著者が、あえて切り込んだ世界だからだろうか。
冒頭は父の残した断片的な話の謎を筆者が特攻隊の地に旅して次第に解明しくのだが、それにどんどん引き込まれていってしまった。
まるでこの世の出来事ではなく、夢幻の世界で繰り広げられる性描写が切ないほど美しく印象的だった。
今までにない新たなジャンルの戦記小説が新鮮で面白かった。
2013年5月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
団鬼六といえば官能小説の大御所ですが、この「往きて還らず」は、特攻という生死の極限の中で愛を貫き通した純愛物語であり、小説「真剣師小池重明」と並び純文学と言えるのではないでしょうか。官能系に馴染みの無い人でも団鬼六文学を堪能するにはもってこいの作品だと思います。短い小説ですが、戦争、特攻、愛、父親と息子・・いろいろと考えさせる団鬼六の文章力に脱帽。本当にすごい作家だと認識させられました。
2014年5月14日に日本でレビュー済み
今年の社員旅行では鹿児島に連れていっていただき、知覧特攻平和会館も見学コースの一つだったので、数年ぶりに本書を再読。
今日の読売新聞にも、『永遠のゼロ』などの影響もあって、知覧や鹿屋の特攻基地跡は観光客数が増え、世界遺産登録も期待されるとあった。
本書は団鬼六氏の御尊父が主計兵長として勤務した海軍鹿屋航空基地で起こった話を私小説風に仕上げたフィクションである。
団鬼六というと緊縛変態SM小説の大家と目されており、事実そうなのであるが、本書はエロチックな部分は勿論あるが、戦時中の特攻兵と時局をよく描写して、いい意味で戦記物としても読むことが出来る、普通によく出来た良質な小説である。
いったい、団鬼六という作家は文体も上手いし、構成も巧みだし、安心して楽しめる作家だと本書を再読して強く思った。
併録の『夢のまた夢 道頓堀情歌』も復員後の御尊父の話で、本書は御尊父を主役に据えた、団鬼六氏の御尊父へのレクイエムといった趣の小説集である。
今日の読売新聞にも、『永遠のゼロ』などの影響もあって、知覧や鹿屋の特攻基地跡は観光客数が増え、世界遺産登録も期待されるとあった。
本書は団鬼六氏の御尊父が主計兵長として勤務した海軍鹿屋航空基地で起こった話を私小説風に仕上げたフィクションである。
団鬼六というと緊縛変態SM小説の大家と目されており、事実そうなのであるが、本書はエロチックな部分は勿論あるが、戦時中の特攻兵と時局をよく描写して、いい意味で戦記物としても読むことが出来る、普通によく出来た良質な小説である。
いったい、団鬼六という作家は文体も上手いし、構成も巧みだし、安心して楽しめる作家だと本書を再読して強く思った。
併録の『夢のまた夢 道頓堀情歌』も復員後の御尊父の話で、本書は御尊父を主役に据えた、団鬼六氏の御尊父へのレクイエムといった趣の小説集である。
2011年8月17日に日本でレビュー済み
緊迫の文豪・団鬼六氏の父が語る思い出を元にした小説です。
舞台は戦争末期の特攻隊航空基地。出撃迫る3人の特攻隊員
の間で交わされた密約。
「俺が死んだら、次はお前にこの女を譲る」
まるで死に土産のように譲渡された美女八重子をめぐる性と死の物語。
老境にさしかかり、長年の愛人を満足させられなくなった男の必死の
あがきが描かれた自伝的名作「勃起薬奇譚」に通じる、悲しい笑いが
底に流れています。時代背景も、事情も全く異なる二作品ですが、
蹂躙される性では決してない女性のしなやかで強い意思がどちらにも
あります。性に翻弄される愚かな主人公を受け入れる、女の懐の深さ。
それでいてスパッと終わりにできる潔さには、聖母のような情け深さが
あります。今作では、ヒロイン八重子の最後の選択が、鳥肌が立つ
ような悲劇的な美しさで描かれています。
命のきらめきを、これほど妖艶で哀切な小説にできる作家、団鬼六氏。
つくづくその死が悼まれます。
舞台は戦争末期の特攻隊航空基地。出撃迫る3人の特攻隊員
の間で交わされた密約。
「俺が死んだら、次はお前にこの女を譲る」
まるで死に土産のように譲渡された美女八重子をめぐる性と死の物語。
老境にさしかかり、長年の愛人を満足させられなくなった男の必死の
あがきが描かれた自伝的名作「勃起薬奇譚」に通じる、悲しい笑いが
底に流れています。時代背景も、事情も全く異なる二作品ですが、
蹂躙される性では決してない女性のしなやかで強い意思がどちらにも
あります。性に翻弄される愚かな主人公を受け入れる、女の懐の深さ。
それでいてスパッと終わりにできる潔さには、聖母のような情け深さが
あります。今作では、ヒロイン八重子の最後の選択が、鳥肌が立つ
ような悲劇的な美しさで描かれています。
命のきらめきを、これほど妖艶で哀切な小説にできる作家、団鬼六氏。
つくづくその死が悼まれます。
2009年11月13日に日本でレビュー済み
この人の本は始めて読みました。
あらすじは、 団 鬼六のお父さんが戦争中に知覧の特攻隊の基地に勤務しており、その特攻隊の中の3人の男の奇妙な約束とそれに関わる、原節子を思い起こさせる絶世の美女との話。
実際にあったとは思えないのだが、筆力のせいか、あの戦時下でもこんな事があったのか?とふと思ってしまう。
そもそも団鬼六という人に関して正確な知識がなく、SMの亀甲縛り(笑)というイメージしかないのだが、このような戦記物?も書かれていたのか、とか、もっと言えば作家だったのか?という思い。
当然少しエッチな描写もあるわけだが、すべて戦時下の狂った状態の世間と兵隊たち、それに踊らされた美女…という事で読めてしまう。
で、その父親が戦争が終わって普通の生活に戻り、その戦時下に世話をしていた絶世の美女に似た女性と生活が始まり、家庭を放り出してしまう。
団鬼六は、父親に戻ってきて欲しいという事で、その女性に会いに行くのだが、「私は結婚する」と言われ…。
この小説をどう読むか。
やはり戦時下の異様な精神状態、市民の行動、兵隊の狂気…これを伝えたかったと見るべくなのか。
あらすじは、 団 鬼六のお父さんが戦争中に知覧の特攻隊の基地に勤務しており、その特攻隊の中の3人の男の奇妙な約束とそれに関わる、原節子を思い起こさせる絶世の美女との話。
実際にあったとは思えないのだが、筆力のせいか、あの戦時下でもこんな事があったのか?とふと思ってしまう。
そもそも団鬼六という人に関して正確な知識がなく、SMの亀甲縛り(笑)というイメージしかないのだが、このような戦記物?も書かれていたのか、とか、もっと言えば作家だったのか?という思い。
当然少しエッチな描写もあるわけだが、すべて戦時下の狂った状態の世間と兵隊たち、それに踊らされた美女…という事で読めてしまう。
で、その父親が戦争が終わって普通の生活に戻り、その戦時下に世話をしていた絶世の美女に似た女性と生活が始まり、家庭を放り出してしまう。
団鬼六は、父親に戻ってきて欲しいという事で、その女性に会いに行くのだが、「私は結婚する」と言われ…。
この小説をどう読むか。
やはり戦時下の異様な精神状態、市民の行動、兵隊の狂気…これを伝えたかったと見るべくなのか。