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追跡・アメリカの思想家たち (新潮選書) 単行本 – 2008/9/1
会田 弘継
(著)
アメリカの思想は多様である。究極の自由を求めるリバタリアンや、宗教ファンダメンタリズムだけでなく、近代そのものを否定するような保守思想の命脈も、ずっと生き続けてきた。ニューヨークやワシントンだけでは分からない、「深層のアメリカ」の姿がそこにある。実際に思想家たちを訪ね歩いたジャーナリストが、「思想史のドラマ」を鮮やかに描き出す。
- 本の長さ223ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2008/9/1
- ISBN-104106036185
- ISBN-13978-4106036187
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商品の説明
出版社からのコメント
エピローグ「戦後アメリカ思想史を貫いた漱石の『こころ』」は、著者の手によって初めて掘り起こされた感動の物語です。戦後保守思想の大物ラッセル・カーク、経済学者のフリードリッヒ・フォン・ハイエク、『こころ』の英訳者エドウィン・マクレラン、そして日本の文芸評論家の故・江藤淳などの間に生じた、意外なつながりが明らかにされています。
著者について
1951年埼玉県生まれ。東京外国語大学英米語学科卒。共同通信に入社し、ワシントン支局記者、ジュネーブ支局長、ワシントン支局長などを歴任し、現在は編集委員兼論説委員。著書に『戦争を始めるのは誰か』、訳書に『アメリカの終わり』(フランシス・フクヤマ著)などがある。
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2008/9/1)
- 発売日 : 2008/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 223ページ
- ISBN-10 : 4106036185
- ISBN-13 : 978-4106036187
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,155,593位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 238位イギリス・アメリカの思想
- - 2,233位西洋哲学入門
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年10月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ジャーナリストが思想を描くとこうなるのか。まれに見る本だ。漱石の「こころ」の英訳が生まれる背景にあった思想史のドラマを描くエピローグは白眉だ。ハイエクと江藤淳が、不思議な縁でつながっていく。そのドラマを読むと、思想のグローバルな動きに粛然とさせられる。
2009年6月4日に日本でレビュー済み
それぞれのアメリカ保守思想家の周辺部をなぞるだけで、全く本質に迫れていない。おそらくそれは、この著者自身、ここで紹介されている思想家たちの本をほとんど読まずにその周辺部にある解説書を読んで(翻訳して)この本を書いているからだろう。
この本の中には「よくこんなことまで調べたなあ」という事実や、著者自身の経験による面白いエピソード(例えば、エドウィン・マクレランがシュトラウスとその門下生について「あの人たちは人種差別主義者ですよ」と言ったという話など)もある。しかしこれらに興味をかきたてられて、さあいよいよ思想の核心に触れてくれるかと思いきやそこで章は終わってしまう。実にフラストレーションがたまる。要するにトリビアばかりで、思想の解説や著者なりの理解というものが全く示されていない。これを読んでも結局アメリカの保守本流の思想とは何か、リベラルとは何か、ネオコンとは何か、理解することはできない。それは、著者が自分自身真摯にテキストに向き合い、咀嚼し理解しようとせず、それらの周辺にある解説書だけを読んで理解した気になっているからであろう。あるいは抽象的に物事を考える能力の欠如である。
こうした態度ではいくらプロのジャーナリストの特権として、大物に直接話を聞いたところで全く無意味である。思想やアメリカ政治に関する基本的な用語法の間違いも散見される。要は著者の実力不足ということであろう。
この本の中には「よくこんなことまで調べたなあ」という事実や、著者自身の経験による面白いエピソード(例えば、エドウィン・マクレランがシュトラウスとその門下生について「あの人たちは人種差別主義者ですよ」と言ったという話など)もある。しかしこれらに興味をかきたてられて、さあいよいよ思想の核心に触れてくれるかと思いきやそこで章は終わってしまう。実にフラストレーションがたまる。要するにトリビアばかりで、思想の解説や著者なりの理解というものが全く示されていない。これを読んでも結局アメリカの保守本流の思想とは何か、リベラルとは何か、ネオコンとは何か、理解することはできない。それは、著者が自分自身真摯にテキストに向き合い、咀嚼し理解しようとせず、それらの周辺にある解説書だけを読んで理解した気になっているからであろう。あるいは抽象的に物事を考える能力の欠如である。
こうした態度ではいくらプロのジャーナリストの特権として、大物に直接話を聞いたところで全く無意味である。思想やアメリカ政治に関する基本的な用語法の間違いも散見される。要は著者の実力不足ということであろう。
2010年10月18日に日本でレビュー済み
タイトルは「アメリカの思想家たち」ですが、第2次世界大戦後の保守派思想の紹介が内容の中心となっています。分量もそれなりにあるので、本書を通してアメリカ保守派の多様性を認識することができます。
関係者への聞き取りを主たる材料としており、いささか思想ゴシップ的なところもありますが、ジャーナリストの特性を生かした好著だと思います。純理論的なところは研究者に任せればいいでしょう。
私としては、量は少ないですがニスベットに1章を割いていることを嬉しく思いました。一般的には「現代社会学入門」の著者としか認識されていないでしょうが、人間社会の「自由と絆」を考える上で最重要の社会学者だと学生の頃に考えていました。
実際は、碌に理解できていませんでしたが。
関係者への聞き取りを主たる材料としており、いささか思想ゴシップ的なところもありますが、ジャーナリストの特性を生かした好著だと思います。純理論的なところは研究者に任せればいいでしょう。
私としては、量は少ないですがニスベットに1章を割いていることを嬉しく思いました。一般的には「現代社会学入門」の著者としか認識されていないでしょうが、人間社会の「自由と絆」を考える上で最重要の社会学者だと学生の頃に考えていました。
実際は、碌に理解できていませんでしたが。
2008年11月1日に日本でレビュー済み
試みにリベラルという言葉を広辞苑で引いてみると自由主義的あるいは自由主義者となっている。従来の日本語の感覚からいうと自由を重んじて政治的には統制経済に反対の立場に立つ人物がリベラリストとなるが、どうも違うらしい。
米国政治は共和党と民主党の2大政党制といわれる。共和党は保守政党であってネオコンとはそれが先鋭化したものとして日本でも揶揄される傾向があるが、そう簡単なものではないらしい。また民主党はリベラルといわれるが、ハイエク流の自由主義を指向しているわけではなく、著者は誤解を避けるためリベラル(進歩派)としている。これらのことは米国政治や思想に詳しい人にとっては自明のことなのかもしれないが、素人にとっては理解のために有難い。著者はジャーナリストであり直接、思想家に会って取材をする強みがあり説得力を増している。
米国ではエドマンド・バークの保守思想を継承する思想家が戦後のラッセル・カークまで現われなかったのは意外であった。ネオコンの出自についても興味深い事実が語られる。そして米国ではどのような態度を取るにせよ、宗教(キリスト教)と思想は切り離すことができないことが実感される。
確かに現代の米国の(政治)思想は多様であり、また同じ思想家においても変化して止まない。そしてサブプライム問題を契機とする世界的な金融崩壊の脅威の中から今後、米国でどのような思想が生まれてくるのであろうか? 著者には是非、フォローしてもらいたいものである。
米国政治は共和党と民主党の2大政党制といわれる。共和党は保守政党であってネオコンとはそれが先鋭化したものとして日本でも揶揄される傾向があるが、そう簡単なものではないらしい。また民主党はリベラルといわれるが、ハイエク流の自由主義を指向しているわけではなく、著者は誤解を避けるためリベラル(進歩派)としている。これらのことは米国政治や思想に詳しい人にとっては自明のことなのかもしれないが、素人にとっては理解のために有難い。著者はジャーナリストであり直接、思想家に会って取材をする強みがあり説得力を増している。
米国ではエドマンド・バークの保守思想を継承する思想家が戦後のラッセル・カークまで現われなかったのは意外であった。ネオコンの出自についても興味深い事実が語られる。そして米国ではどのような態度を取るにせよ、宗教(キリスト教)と思想は切り離すことができないことが実感される。
確かに現代の米国の(政治)思想は多様であり、また同じ思想家においても変化して止まない。そしてサブプライム問題を契機とする世界的な金融崩壊の脅威の中から今後、米国でどのような思想が生まれてくるのであろうか? 著者には是非、フォローしてもらいたいものである。