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平安朝の父と子: 貴族と庶民の家と養育 (中公新書 2044) 新書 – 2010/2/1

4.3 5つ星のうち4.3 7個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 中央公論新社 (2010/2/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2010/2/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 新書 ‏ : ‎ 207ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4121020448
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4121020444
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 7個の評価

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服藤 早苗
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平安時代の貴族層の女性の生き方
5 星
平安時代の貴族層の女性の生き方
『平安朝の父と子――貴族と庶民の家と養育』(服藤早苗著、中公新書)で、個人的に、とりわけ興味深いのは、●藤原道長子孫の摂関家の成立、●和泉式部の出産、●貴族層の女性の生き方――の3つです。●藤原道長子孫の摂関家の成立「より重要なのは、天皇に入内するキサキが、11世紀中頃は、道長子孫だけに限定されたことである。天皇に入内するキサキの決定権を事実上もつのは、天皇家と道長子孫摂関家に君臨する上東門院彰子だった。その結果、王家と摂関家の血統的接近、貴種性が決定的になり、道長子孫以外の貴族層との血統的格差は決定的になる。いわば彰子が今の摂関家の最終的基盤を作ったのであった」。●和泉式部の出産「和泉式部は、敦道親王の召人となり、男子を出産するが僧侶にする。平安中期は、母の出自や家族内の位置も問題になり、親王と庶民女性との性愛関係による子どもは公的には認知されず、落胤とされたのであろう。身分秩序の固定化と、いまだ母の出自・血統を重視する双系的意識のもとで、父は子を認知することさえ不可能の場合があったのである」。●貴族層の女性の生き方「平安中期は、いまだ荘園制社会ではなく、官職や位階にもとづく国家給付や、家人として仕える上層貴族からの様々な恩恵による収入などが主だった。上層貴族女性は、基本的に朝廷に出仕することはなくなっていた。中・下級貴族層の女性の女房出仕も、すでに理想的な女性の生き方ではなくなっている。貴族女性の理想は、貴族男性と結婚し、同居の正妻として安定した生活を送ることだった。当然ながら、貴族層から父親の経済力による子の扶養が一般的になっていく。経済力を背景に、父の子への権限が強化されていく。この経済力とは、貴族層にとっては官職への就任であり、しかも父の官職を基礎にした家業は子に継承されることは、多くの史料で検証してきたところである。家業の父子継承を背景に、父の子への権限強化が始まるのである」。
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上位レビュー、対象国: 日本

2024年1月20日に日本でレビュー済み
『平安朝の父と子――貴族と庶民の家と養育』(服藤早苗著、中公新書)で、個人的に、とりわけ興味深いのは、●藤原道長子孫の摂関家の成立、●和泉式部の出産、●貴族層の女性の生き方――の3つです。

●藤原道長子孫の摂関家の成立
「より重要なのは、天皇に入内するキサキが、11世紀中頃は、道長子孫だけに限定されたことである。天皇に入内するキサキの決定権を事実上もつのは、天皇家と道長子孫摂関家に君臨する上東門院彰子だった。その結果、王家と摂関家の血統的接近、貴種性が決定的になり、道長子孫以外の貴族層との血統的格差は決定的になる。いわば彰子が今の摂関家の最終的基盤を作ったのであった」。

●和泉式部の出産
「和泉式部は、敦道親王の召人となり、男子を出産するが僧侶にする。平安中期は、母の出自や家族内の位置も問題になり、親王と庶民女性との性愛関係による子どもは公的には認知されず、落胤とされたのであろう。身分秩序の固定化と、いまだ母の出自・血統を重視する双系的意識のもとで、父は子を認知することさえ不可能の場合があったのである」。

●貴族層の女性の生き方
「平安中期は、いまだ荘園制社会ではなく、官職や位階にもとづく国家給付や、家人として仕える上層貴族からの様々な恩恵による収入などが主だった。上層貴族女性は、基本的に朝廷に出仕することはなくなっていた。中・下級貴族層の女性の女房出仕も、すでに理想的な女性の生き方ではなくなっている。貴族女性の理想は、貴族男性と結婚し、同居の正妻として安定した生活を送ることだった。当然ながら、貴族層から父親の経済力による子の扶養が一般的になっていく。経済力を背景に、父の子への権限が強化されていく。この経済力とは、貴族層にとっては官職への就任であり、しかも父の官職を基礎にした家業は子に継承されることは、多くの史料で検証してきたところである。家業の父子継承を背景に、父の子への権限強化が始まるのである」。
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5つ星のうち5.0 平安時代の貴族層の女性の生き方
2024年1月20日に日本でレビュー済み
『平安朝の父と子――貴族と庶民の家と養育』(服藤早苗著、中公新書)で、個人的に、とりわけ興味深いのは、●藤原道長子孫の摂関家の成立、●和泉式部の出産、●貴族層の女性の生き方――の3つです。

●藤原道長子孫の摂関家の成立
「より重要なのは、天皇に入内するキサキが、11世紀中頃は、道長子孫だけに限定されたことである。天皇に入内するキサキの決定権を事実上もつのは、天皇家と道長子孫摂関家に君臨する上東門院彰子だった。その結果、王家と摂関家の血統的接近、貴種性が決定的になり、道長子孫以外の貴族層との血統的格差は決定的になる。いわば彰子が今の摂関家の最終的基盤を作ったのであった」。

●和泉式部の出産
「和泉式部は、敦道親王の召人となり、男子を出産するが僧侶にする。平安中期は、母の出自や家族内の位置も問題になり、親王と庶民女性との性愛関係による子どもは公的には認知されず、落胤とされたのであろう。身分秩序の固定化と、いまだ母の出自・血統を重視する双系的意識のもとで、父は子を認知することさえ不可能の場合があったのである」。

●貴族層の女性の生き方
「平安中期は、いまだ荘園制社会ではなく、官職や位階にもとづく国家給付や、家人として仕える上層貴族からの様々な恩恵による収入などが主だった。上層貴族女性は、基本的に朝廷に出仕することはなくなっていた。中・下級貴族層の女性の女房出仕も、すでに理想的な女性の生き方ではなくなっている。貴族女性の理想は、貴族男性と結婚し、同居の正妻として安定した生活を送ることだった。当然ながら、貴族層から父親の経済力による子の扶養が一般的になっていく。経済力を背景に、父の子への権限が強化されていく。この経済力とは、貴族層にとっては官職への就任であり、しかも父の官職を基礎にした家業は子に継承されることは、多くの史料で検証してきたところである。家業の父子継承を背景に、父の子への権限強化が始まるのである」。
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2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年3月15日に日本でレビュー済み
本書は、平安時代、女性史を専門とし

現在は埼玉学園大学教授である著者が、

平安時代における父子関係について検討する著作です。

まず1章において、平安時代、父親が子の成長にどのように関わったのか

『古今著問集』や『蜻蛉日記』など当時の資料を参照し紹介します。

続く2章では、平安時代よりも以前では、父の権威は確立していない

―との認識を示し、「家」や「父権」がどのように確立したのかを

「墓参り」や「親不孝(親による子の絶縁)」などの概念を手掛かりに考察。

そして終章では、本書の内容をまとめるとともに、

現代における父権論についても触れ、

父子関係のあるべき姿について論じます。

菅原道真による自身の家系についての分析や

女性にとっての元服である「着裳」をめぐる政治的駆け引き

なども興味深かい記述は多くありました。

なかでも、個人的に印象深かったのは

貴族層の墓参りは、命日とは関係なく

官職の継承に際して行われたものであった―という記述です。

個人的には、天智天皇などは命日が国忌などが定められたことについて、

命日だからお墓参りをしたのだろう―と考えていましたが、

そうではないと知ることができ、とても興味深かったです

あいまいに理解しがちな、歴史の中の家族関係について

実証的かつ平易に論じた本書。

日本史に興味がある方はもちろん

多くの方におススメしたい著作です。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年12月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
平安朝の母と子、女と男に続く本書は、平安中期から始まった父子関係の変化を、「御堂関白記」や「小右記」などの貴族の日記を基に論じている。残念ながら庶民の父子関係は、参考になる資料がないため判らない。
出産、生育儀礼、教育への関わりと、家業、父権の成立に関して記してあり、なぜこの時期に父子関係が変化したかは想像がつくものの、終章で現代の子育てを論ずるよりは父子関係が変化した要因をまとめていただきたかった。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年1月21日に日本でレビュー済み
この本はタイトル通り、平安時代の父と子の関係の変化について、豊富な資料を使いながら考察している書籍になります。

第一章、第二章とあり、第一章では子供の成長過程における父の関わり方(具体的には出産時、当時父親はどう関わっていたのか、など)について考察し、第二章では「家」の成立について考察しています。終章では主に現代の父親に対する育児論を展開している、というのが主な内容です。

何かの調べ物として「辞書的に」使うのであればこの書籍は大変有用だと思います。特に平安時代の詳しい貴族の様子がこの本には描かれているので、そういう意味では資料として大変有用だと感じました。

一方で読み物としては不適切な点がいくつもあると感じられました。
'@テーマは平安時代の父と子、ですが結論部分がなぜが「平安時代からこうだった。だから現代の父親はこうするべきだ」という論理の飛躍がある。
'A平安時代初期から父という存在は子供に対しての力を強めていく、など様々な変化が見られるのは分かりましたが、「ではなぜそう変化したのか」という考察がほとんど見受けられない
'B単純に、平安時代に詳しくない読者を想定していない(例えば登場人物についての説明が一切無く、大変読みにくい。著者は読み飛ばしておいてくれて構わない、と仰っていますが、、、)。

私の場合は通読が困難でしたので、時間があるときに部分部分で読んでいきました。そのような読み方をしても著者の結論は全体の内容と切り離されているので、結論部分だけ読んでも本書の内容はだいたい把握できます。書店で見かけた場合は、終章から読み進め、そこで買うかどうか判断されると良いでしょう。

私は平安時代の歴史を調べる際の補助資料として使う予定ですし、そのような使い方をおすすめします。まぁその前に買う本としては優先順位を落とさざるを得ないですが、、、。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年4月21日に日本でレビュー済み
平安時代の家族における父と子の関係は、通い婚のイメージが強すぎたせいか、希薄なものとこれまで誤解していましたが、意外にも強かったのですね。というか、家、そして父権の成立過程にあったのが平安時代。

妻の出産に付き添うため「産休」をとった貴族がいたなど、興味深いエピソードが一杯で勉強になりました。ある意味、平安時代の男が現代よりも育児・家事に積極的に関わっていたことを知り、わが身をふりかえって反省します。平安時代の父親像に照らして現代の家庭での父子関係のあり方についても再考を促す良書です。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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