年パスをかって月に2,3度は上野動物園に行きます。
自作の上野動物園図鑑も作ってるくらいの大好き人間で、興味深く拝読させていただきました。
上野動物園の歴史から、上野動物園に来た動物たちの飼育の話、飼育に失敗してすぐに死んでしまったなどの失敗談。動物たちの購入代金などいわゆる中の人しか知りえないエピソード満載でした。
個人的にうれしかったのは象やキリン、ライオンやトラ、カバ、サイなどの動物オールスターズのエピソードだけでなく、
ワライカワセミ→自分は一番かわいい動物はこの子だと思っている
コビトカバ、ハリモグラ、マタコミツオビアルマジロなど、知る人ぞ知る?的な動物のエピソードまで触れていて読んでいてうれしくなりましたね。
あと本書でも触れていましたが西園マダガスカルの夜行性動物コーナーにいある【アイアイ】
上野動物園に何度も行くとちょっと通気取りで西園の弁天門から入るとまずお目見えするのがアイアイなんですが、アイアイは何度も見ても怖い、、、
童話のかわいいイメージとは真逆も真逆いつも震えていますwwww
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
物語上野動物園の歴史 (中公新書 2063) 新書 – 2010/6/25
小宮 輝之
(著)
- 本の長さ292ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2010/6/25
- ISBN-104121020634
- ISBN-13978-4121020635
この著者の人気タイトル
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2010/6/25)
- 発売日 : 2010/6/25
- 言語 : 日本語
- 新書 : 292ページ
- ISBN-10 : 4121020634
- ISBN-13 : 978-4121020635
- Amazon 売れ筋ランキング: - 157,977位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 813位中公新書
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
イメージ付きのレビュー
5 星
年パス作って上野動物園通ってます♪
年パスをかって月に2,3度は上野動物園に行きます。自作の上野動物園図鑑も作ってるくらいの大好き人間で、興味深く拝読させていただきました。上野動物園の歴史から、上野動物園に来た動物たちの飼育の話、飼育に失敗してすぐに死んでしまったなどの失敗談。動物たちの購入代金などいわゆる中の人しか知りえないエピソード満載でした。 個人的にうれしかったのは象やキリン、ライオンやトラ、カバ、サイなどの動物オールスターズのエピソードだけでなく、 ワライカワセミ→自分は一番かわいい動物はこの子だと思っている コビトカバ、ハリモグラ、マタコミツオビアルマジロなど、知る人ぞ知る?的な動物のエピソードまで触れていて読んでいてうれしくなりましたね。 あと本書でも触れていましたが西園マダガスカルの夜行性動物コーナーにいある【アイアイ】上野動物園に何度も行くとちょっと通気取りで西園の弁天門から入るとまずお目見えするのがアイアイなんですが、アイアイは何度も見ても怖い、、、 童話のかわいいイメージとは真逆も真逆いつも震えていますwwww
フィードバックをお寄せいただきありがとうございます
申し訳ありませんが、エラーが発生しました
申し訳ありませんが、レビューを読み込めませんでした
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年1月26日に日本でレビュー済み
年パスをかって月に2,3度は上野動物園に行きます。
自作の上野動物園図鑑も作ってるくらいの大好き人間で、興味深く拝読させていただきました。
上野動物園の歴史から、上野動物園に来た動物たちの飼育の話、飼育に失敗してすぐに死んでしまったなどの失敗談。動物たちの購入代金などいわゆる中の人しか知りえないエピソード満載でした。
個人的にうれしかったのは象やキリン、ライオンやトラ、カバ、サイなどの動物オールスターズのエピソードだけでなく、
ワライカワセミ→自分は一番かわいい動物はこの子だと思っている
コビトカバ、ハリモグラ、マタコミツオビアルマジロなど、知る人ぞ知る?的な動物のエピソードまで触れていて読んでいてうれしくなりましたね。
あと本書でも触れていましたが西園マダガスカルの夜行性動物コーナーにいある【アイアイ】
上野動物園に何度も行くとちょっと通気取りで西園の弁天門から入るとまずお目見えするのがアイアイなんですが、アイアイは何度も見ても怖い、、、
童話のかわいいイメージとは真逆も真逆いつも震えていますwwww
自作の上野動物園図鑑も作ってるくらいの大好き人間で、興味深く拝読させていただきました。
上野動物園の歴史から、上野動物園に来た動物たちの飼育の話、飼育に失敗してすぐに死んでしまったなどの失敗談。動物たちの購入代金などいわゆる中の人しか知りえないエピソード満載でした。
個人的にうれしかったのは象やキリン、ライオンやトラ、カバ、サイなどの動物オールスターズのエピソードだけでなく、
ワライカワセミ→自分は一番かわいい動物はこの子だと思っている
コビトカバ、ハリモグラ、マタコミツオビアルマジロなど、知る人ぞ知る?的な動物のエピソードまで触れていて読んでいてうれしくなりましたね。
あと本書でも触れていましたが西園マダガスカルの夜行性動物コーナーにいある【アイアイ】
上野動物園に何度も行くとちょっと通気取りで西園の弁天門から入るとまずお目見えするのがアイアイなんですが、アイアイは何度も見ても怖い、、、
童話のかわいいイメージとは真逆も真逆いつも震えていますwwww
このレビューの画像
2010年8月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
書名どおりの「上野動物園史」。
上野動物園の変遷、歴史、飼育動物のうつり変わりや、現在、これからの動物園のありかたを問う。
綿密な資料をもとにしっかり書き込んであり、動物園事情をとおして戦前・戦後のちょっとした日本史もおさらいできるような内容。
写真もそれなりに豊富で、資料的価値もある。
「上野動物園初の外来産飼育動物は?」などの豆知識も得られる。
新書でこの内容はお得。
上野動物園の変遷、歴史、飼育動物のうつり変わりや、現在、これからの動物園のありかたを問う。
綿密な資料をもとにしっかり書き込んであり、動物園事情をとおして戦前・戦後のちょっとした日本史もおさらいできるような内容。
写真もそれなりに豊富で、資料的価値もある。
「上野動物園初の外来産飼育動物は?」などの豆知識も得られる。
新書でこの内容はお得。
2010年7月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
上野動物園について、逐年的資料とトピックスとを取り混ぜて紹介している。
トピックスは面白いし、逐年的資料は貴重な記録である。
動物に対する考え方の変遷がよくわかり、とくに昨今の種の保存、繁殖計画など新しい考え方には目を開かされる思いである。
上野動物園を始め、それと一体関係にある多摩動物園、葛西水族館なども、今一度訪ねてみたくなる。
トピックスは面白いし、逐年的資料は貴重な記録である。
動物に対する考え方の変遷がよくわかり、とくに昨今の種の保存、繁殖計画など新しい考え方には目を開かされる思いである。
上野動物園を始め、それと一体関係にある多摩動物園、葛西水族館なども、今一度訪ねてみたくなる。
2011年3月11日に日本でレビュー済み
上野動物園は、自分自身が幼少の時から、折りあるごとに電車に揺られ何度も訪れた思い出深い場所。
おそらく、関東圏に住んでいる方にとっては、親子2代、3代、4代と一度は訪れる場所だと思う。
久しぶりにパンダが中国からやってきて、公開が近いので興味をもって読んだ。
まず新書で、これだけの情報量は凄いと思う。
現職の上野動物園園長が記した、動物たちへの愛情が充分感じられる、詳細な歴史と資料集。
掲載されている写真は、大部分がモノクロだが、貴重なものが多い。
「動物園」という名称を、日本で初めて名付けた意外な人物だった事にも驚く。
本書は、「開園前後」「宮内省の動物園」「東京市の動物園に」「平和の回復」「復興から発展へ」
「新たな百年、そして21世紀へ」「上野動物園の目指すこと」の7章で構成されている。
ナポレオンの馬パリス号、初めてのライオン、年間予算の数倍を投じて物議を醸し出したキリン、戦時中の悲しい運命をたどった動物たちの事、象の花子、パンダブームetcなど、当時の飼育員達の奮闘や動物の逸話が豊富。
国民的動物園の成り立ちと歴史、現在の上野動物園の目指している方向、域内外保全活動等を知るための良書だと思う。
おそらく、関東圏に住んでいる方にとっては、親子2代、3代、4代と一度は訪れる場所だと思う。
久しぶりにパンダが中国からやってきて、公開が近いので興味をもって読んだ。
まず新書で、これだけの情報量は凄いと思う。
現職の上野動物園園長が記した、動物たちへの愛情が充分感じられる、詳細な歴史と資料集。
掲載されている写真は、大部分がモノクロだが、貴重なものが多い。
「動物園」という名称を、日本で初めて名付けた意外な人物だった事にも驚く。
本書は、「開園前後」「宮内省の動物園」「東京市の動物園に」「平和の回復」「復興から発展へ」
「新たな百年、そして21世紀へ」「上野動物園の目指すこと」の7章で構成されている。
ナポレオンの馬パリス号、初めてのライオン、年間予算の数倍を投じて物議を醸し出したキリン、戦時中の悲しい運命をたどった動物たちの事、象の花子、パンダブームetcなど、当時の飼育員達の奮闘や動物の逸話が豊富。
国民的動物園の成り立ちと歴史、現在の上野動物園の目指している方向、域内外保全活動等を知るための良書だと思う。
2011年12月10日に日本でレビュー済み
著者は「私は動物オタクであり、動物園オタクである。」、「還暦を過ぎ、本性を隠すのも億劫になり、堂々と「我輩は動物コレクターである」と宣言したくなった。 」と後書きの中に書き記している。この2つは矛盾している。少なくとも現在の動物園は「コレクション」を見せる場ではなく、博物館であり、何かを伝える教育施設であるはずである。コレクターだと宣言しながら、動物園オタクは、一見動物に魅了され尽くしているということを表現したいように受け取れるが、根本的には理念として相反するものである。著者はそうした矛盾点に自ら気付くことなく、ある意味素直に時代から遊離した動物園づくりを、恩賜上野動物園長という日本の動物園界で言えば権威の象徴のような立場で楽しんでいるのだろう。いろいろと現在恩賜上野動物園は改修が進められてきている。しかし、究極的に何を目指しているのかは、そこからは伝わってこない。時代の中で、目先を変えるような展示にしているだけに過ぎないように感じる。
ツキノワグマの展示を、それ自体は面白いものではあるが、クマの生活環境を良くしてあげるものと捉えるのは無理がある。クマの寝たいという要求を満足させてあげているいるのではなく、著者が冬眠させたかったに過ぎない。管理ではなく、展示を優先させているだけである。こうしたことの中にはもちろん多少の動物に対するメリットはあるものもあるであろうが、とどのつまりは人間中心主義に全く疑問を持たずに進めていることであり、その行為は「動物オタク」のものと呼ぶにはふさわしいが「動物園オタク」のそれではない。日本の動物園は、基本恩賜上野動物園をモデルとしている。そのモデルの長たる立場の人がこの程度で満足しさも先を歩いているかのような自己認識で留まっていることが、日本の動物園の発展が足踏み状態にあることを許しているのであろう。そのことが本書を最後まで読み切ることによって、よく分かる。
そいういうものとして読めば、それだけの内容は十分にある。
ツキノワグマの展示を、それ自体は面白いものではあるが、クマの生活環境を良くしてあげるものと捉えるのは無理がある。クマの寝たいという要求を満足させてあげているいるのではなく、著者が冬眠させたかったに過ぎない。管理ではなく、展示を優先させているだけである。こうしたことの中にはもちろん多少の動物に対するメリットはあるものもあるであろうが、とどのつまりは人間中心主義に全く疑問を持たずに進めていることであり、その行為は「動物オタク」のものと呼ぶにはふさわしいが「動物園オタク」のそれではない。日本の動物園は、基本恩賜上野動物園をモデルとしている。そのモデルの長たる立場の人がこの程度で満足しさも先を歩いているかのような自己認識で留まっていることが、日本の動物園の発展が足踏み状態にあることを許しているのであろう。そのことが本書を最後まで読み切ることによって、よく分かる。
そいういうものとして読めば、それだけの内容は十分にある。
2010年7月31日に日本でレビュー済み
前半5章は上野動物園の百年史。後半2章は、野生動物減少など、様々な社会環境変化の中でそれまでの「娯楽施設としての動物園」からの脱却を求められるようになった現在の上野動物園の実践と挑戦とが語られている。
動物園関係者でもなく、上野にも特別な思い入れのない私には、正直、前半はさほど面白くはなかったが、後半、動物園に対して「域外保全」はもちろん、「域内保全」への貢献までが求められるようになった背景を理解するためには、前半の娯楽施設としての長い歴史との比較が有効だ。つまり動物園の役割変化とは、人間社会と野生動物との関係の変化に他ならないからである。
著者が書くように、上野動物園がこれからも真の「国民的動物園」として存続しようとするのであれば、今後の上野動物園が背負うべき使命の一つは、他でもない、動物園自身が自覚したこの社会的役割の変化を、今度は動物園から社会全体へと、積極的に発信・啓蒙していくことだろう。北海道の旭山動物園は“行動展示”で大人気だが、正直、その本来の導入意図(=単なる娯楽を超えた、飼育動物の野生性へのリスペクト)が、どれだけ理解されているかは疑わしい。むしろ多くのマスコミ報道を通じて、旭山動物園の“行動展示”は既に単に、「動物園の新しいアトラクションの一つ」として、消費されてしまおうとしているのではないか。
この現状を打ち破って「動物園=娯楽以上の場所」であることを高らかに示すべきは、やはり日本においては上野動物園以外にはない。著者はあとがきで、
>私は動物オタクであり、動物園オタクである。
と書き、さらに、
>還暦を過ぎ、本性を隠すのも億劫になり、堂々と「我輩は動物コレクターである」と宣言したくなった。
と告白しているが(笑)、それだからこそいっそう、これからも引き続き、動物園の新しい役割の発信に力を入れていただきたいと思う。
なお、21世紀にあるべき動物園の姿をより深く考えたい向きには、文春文庫『 動物園にできること 』をお奨めする。本書と併せて読むと良いだろう。
動物園関係者でもなく、上野にも特別な思い入れのない私には、正直、前半はさほど面白くはなかったが、後半、動物園に対して「域外保全」はもちろん、「域内保全」への貢献までが求められるようになった背景を理解するためには、前半の娯楽施設としての長い歴史との比較が有効だ。つまり動物園の役割変化とは、人間社会と野生動物との関係の変化に他ならないからである。
著者が書くように、上野動物園がこれからも真の「国民的動物園」として存続しようとするのであれば、今後の上野動物園が背負うべき使命の一つは、他でもない、動物園自身が自覚したこの社会的役割の変化を、今度は動物園から社会全体へと、積極的に発信・啓蒙していくことだろう。北海道の旭山動物園は“行動展示”で大人気だが、正直、その本来の導入意図(=単なる娯楽を超えた、飼育動物の野生性へのリスペクト)が、どれだけ理解されているかは疑わしい。むしろ多くのマスコミ報道を通じて、旭山動物園の“行動展示”は既に単に、「動物園の新しいアトラクションの一つ」として、消費されてしまおうとしているのではないか。
この現状を打ち破って「動物園=娯楽以上の場所」であることを高らかに示すべきは、やはり日本においては上野動物園以外にはない。著者はあとがきで、
>私は動物オタクであり、動物園オタクである。
と書き、さらに、
>還暦を過ぎ、本性を隠すのも億劫になり、堂々と「我輩は動物コレクターである」と宣言したくなった。
と告白しているが(笑)、それだからこそいっそう、これからも引き続き、動物園の新しい役割の発信に力を入れていただきたいと思う。
なお、21世紀にあるべき動物園の姿をより深く考えたい向きには、文春文庫『 動物園にできること 』をお奨めする。本書と併せて読むと良いだろう。
2010年7月7日に日本でレビュー済み
今まで世界史メーンだった同新書の「物語〜歴史」シリーズでかなり異色な本とも言える。日本のしかも近現代にスポットを当てているのと、他書が研究者であるのが、本書は上野動物園の現園長という点だ。エピソードや飼育方式の変遷など、当事者でなければ知ることが難しい話が多く、書くべき人によって書かれた感がある。余り知られていない宮内省機関だった時代と、戦後復興における飼育技術の急速な向上について大きくページが割かれる一方、多くの人が知る、戦中の猛獣殺処分やパンダフィーバーは5、6ページで終わる。多くの人が知るから敢えて本書で…ということか。前半では、国内で捕まえたサンショウウオやヒグマ、ニホンオオカミなど最初期の展示物が、ゾウ、ライオン、キリンなど動物園の大本命に変わっていく様子が描かれている。
本書でもう一つ異色なのは、写真の多さ。数ページ毎に動物の写真が掲載されている。当たり前ではあるが、草食動物の昔も今も変わらないぼけーっとした雰囲気がいい。欲を言えばカラーの方が見栄えはするが、ないよりは全然いい。
本書は上野動物園の歴史であるとともに、日本最古の動物園、かつナショナルセンター的な役割を果たした同園が受け入れる動物の試行錯誤の飼育を通じ、日本の動物展示、飼育方法の歴史も読み取れる。珍奇な動物を見て驚くという娯楽から、種の保存、冬眠など野生環境に近い飼育、行動展示など試行錯誤は今も続いている。著者の記述からは、原点の日本の在来種(土着の家畜は入手が容易どころか絶滅危機にある)飼育や「見て驚く」という最初期の動物園へ回帰しようという考えのようで、飼育される動物は変われど、動物への愛は変わらず、と感じた。
本書でもう一つ異色なのは、写真の多さ。数ページ毎に動物の写真が掲載されている。当たり前ではあるが、草食動物の昔も今も変わらないぼけーっとした雰囲気がいい。欲を言えばカラーの方が見栄えはするが、ないよりは全然いい。
本書は上野動物園の歴史であるとともに、日本最古の動物園、かつナショナルセンター的な役割を果たした同園が受け入れる動物の試行錯誤の飼育を通じ、日本の動物展示、飼育方法の歴史も読み取れる。珍奇な動物を見て驚くという娯楽から、種の保存、冬眠など野生環境に近い飼育、行動展示など試行錯誤は今も続いている。著者の記述からは、原点の日本の在来種(土着の家畜は入手が容易どころか絶滅危機にある)飼育や「見て驚く」という最初期の動物園へ回帰しようという考えのようで、飼育される動物は変われど、動物への愛は変わらず、と感じた。