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分裂病と人類 (UP選書 221) ペーパーバック – 1982/2/1

3.8 5つ星のうち3.8 21個の評価

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新版 分裂病と人類 (UPコレクション)
¥3,080
(29)
残り14点(入荷予定あり)
日本が生んだ最大の精神医学者の一人、中井久夫の名著。中井久夫の直弟子、精神医学者・小川恵(おがわさとし)氏の言によれば、中井久夫の著作の中で最も高い評価に値する一冊。統合失調症(旧称精神分裂病)に関する数多くある中井久夫の論著の中で、最も普遍的であり、彼の統合失調症論の中核をなす作品です。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 東京大学出版会 (1982/2/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1982/2/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • ペーパーバック ‏ : ‎ 252ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4130020218
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4130020213
  • カスタマーレビュー:
    3.8 5つ星のうち3.8 21個の評価

著者について

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中井 久夫
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1934年生まれ。1959年、京都大学医学部卒業。はじめウイルス研究者。東大分院において精神科医となる。神戸大学名誉教授。1985年、芸術療法学会賞、1989年、読売文学賞(翻訳研究賞)、1991年、ギリシャ国文学翻訳賞、1996年、毎日出版文化賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 ヴァレリー詩集 コロナ/コロニラ (ISBN-13: 978-4622075455 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)

カスタマーレビュー

星5つ中3.8つ
5つのうち3.8つ
21グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2008年3月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「分裂病親和者」(S親和者)という「人間類型」仮説。
S親和者の能力は「変化の予兆を把握し、将来発生するであろう状況に対して予防的働きをなす」ものとして有用だった。
現代人からすれば、さながら超能力のようなものであるが、過酷な氷河期のさ中、彼らはそうした能力を駆使して生き延びてきた…。時を経て、地球環境が温暖になり、農耕を生業にする人間が増えてゆく中、そうした能力は次第に使われることがなくなった。とは言え、こうした能力は、現代においても、アフリカやオーストラリアの原野、アラスカの雪氷地など過酷な環境下で生きる人たちの営為の中でいまだ存在意義を得ているのだ…と。
S親和者はどんな社会にも一定程度はいるが、マイノリティとならざるを得ない。彼らは、兆しを読むに当たり、往々にして過剰なほど「先取り」的な反応を起こしてしまい、そのコントロールを失ってしまうこともあるからである。それが、現代社会においては「統合失調症」などの疾患として分節化され、管理、排除されるべき対象となってしまう。いかな、医療や福祉、保健の概念なりが「精神障害」という形で援助の対象にしようとも、コアな存分において、こうした「狂気」を「世間」は許容しない。なぜなら「狂気」は社会の凝集性において危険をもたらすものでしかないと信じ込まれているからだ。
しかし、繰り返すようだが、S親和者は、未開社会においては、シャーマン、祭祀者、医者等リーダー的役割を担っており、ある意味で体系立った訓練を経ることで社会的認知を得ていたのである。そこのところは押さえておかねばなるまい。人類は、そうして「狂気」と馴れ合い、ともすると危うい妥協を繰り返しながら進化・発展を遂げてきた。
現代社会の八方塞がりな状況に対する希望は、もしかすると自らの外部に、あるいは内部にある「狂気」なるものを見据え、それとの調和を図る働きかけの過程にこそあるのではないか。
41人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年1月2日に日本でレビュー済み
分裂病と人類 中井久夫著
 誰でも自分が精神や身体が、おかしいと感じるような体験を、生きて働いていると感ずることがあるのではないだろうか。統合失調とか分裂病とか、時には身近に感じることもある。何か天から声が聞こえてくるのか、報道で騒がれる事件の中には、声が囁いたのでその囁きに答えて事件を起こしたというような訳の分からない事件があったりする。
 分裂病気質は、時代を敏感に先取りして、それへの対応を要求するので時には時代を導く指導者となり、大勢の群衆を導き革命を起こすことがあるらしい。本当かどうか分からないが、そうすると、大塩平八郎の乱などはやはり大塩の耳に天から代官所や富裕な商人を襲えと言う声でも聞こえていたのだろうか。明治維新の志士たちも、例えば奇兵隊の高杉晋作や薩摩の西郷隆盛には、江戸幕府を倒せとか、維新政府を革命しろとかいう声が聞こえていたのだろうか。
 分裂病が、人類史の中で革命を指導するリーダーの素質だとすると、怖いものを感じる。精神異常者に乗せられて人類史は作られてきたのか。例えばスウェーデンの環境活動家、学校にも通わないで地球の危機を訴える姿勢にも狂気に似たものを感じる。そして、これに触発されて名画に塗料を塗り、手に接着剤を付けて環境問題を訴える人々にも狂気を感じる。本当なのかねと大いに疑問を抱かされた。例えば、大塩は狂気ではなく陽明学の見地から革命運動を起こしたと普通はされている。ヒトラーとかムッソリニーとかスターリンとかいうとどうなのか。みんな確かに気が狂っているのではないかと思わせる。これは精神異常を確かに確信させる。とすると、人類の先行きには怖いものがある。正常さを保った人に指導者になって欲しいものだ。
 執着質の人の代表に二宮尊徳が出てくる。この精神異常は、世の中の害毒を改革して良い方向に向けるための正義の復調に対する執着心によるらしい。こうなると世を導いたり、世直しを叫ぶ人は皆精神異常者なのですか、と訳が分からなくなります。
 難しい本で、理解できず、多分誤解して読んでいるのかなと思いました。例えば、ロシアの今の大統領はかつてのワルシャワ条約機構の国々がNATOに加盟してしまったことを、ナトーの罠だと叫び、ナトーは旧ソ連圏の国に手を出さないと約束をしていたのに、次々にロシアを裏切り寝返らせていると演説しています。ロシア人に言わせると、ウクライナもナトーに騙されているのでしょうか。分裂気質の人は、敏感に誰よりも素早く変化の前兆を感じ取り、騒ぎ出すと言う。それは、ナマズのように地震が来る前に大騒ぎすることに現れている。と、すると、ロシアの大統領は正常を逸した分裂病患者となり、分裂病患者が世界を振り回していることになってしまうではありませんか。ロシアの大統領が狂っていると言う印象はありますが、精神分裂病患者だとは思えません。ここが難問です。
人には変化の兆しを感じて予想する能力があり、どうしたらよいかを検討し判断する力がある。これは納得できます。だから、日本でも、今回の戦争状態に対応する判断が政治家の一部の人々に出てくるのでしょう。敵基地攻撃能力の取得、と、当然だと思います。
 報道を見ていて、ウクライナの大統領は隣国の軍事訓練を見ていて、多数の国民が不安に思うのを根拠もなく否定していました。全く現実を見つめない、危機を予兆する力が欠如している人に見えます。結局、国民の大勢がすでに不安視していた通りの事態になりました。こういう予兆能力の欠けた人もあまりにも楽観的過ぎて、病的なもの、常識人ではないものを感じます。だから、大統領なのでしょうか。
 常識とは、過去の様々な人生体験の積み重ねであり、人は事件に対してこの積み重ねと、直感的に閃く未来への予兆を組み合わせて判断をしていくのだと思いますが、過去の体験が全く役に立たない事態に直面した時、あとは頭と身体を張って事態の変化の激流に身を投じて、新しい体験談を作り出していくのだと思います。誰も一寸先は闇の中を生きているのが人生だと思います。その時に役に立つのはいつでもどうにかなる、絶対に解決する時が来るという、結局、呑気な楽観が根本にドカンと座っている必要があるのではないでしょうか。結局、楽観的に生きて行くのが事態解決の要点かと思いました。
 古代社会では、分裂気質の人々が集団の指導者となり日々の生活を指揮していたと言う。それは、敏感に前兆から予兆を感じて先に先にと手を打てたからだと言う。古代社会では、日本でも邪馬台国の卑弥呼はシャーマンであったと推察できる。鬼道を良くしたとあるからそう思うのですが、政治の指導者には今でもこの予兆の力が必要なのではないかと、東北の地震以来感じています。民主党の蓮舫さんは架空やもしもの質問には答えないと政権を担当した時にしばしば答えていた。地震が起こると、全て年中想定外の事態と答えていた。もしかすると今でも政治家にはシャーマンのような予言や仮定の設問を心に持ってあらゆる事態に対処できる心の準備がなくてはいけないのではないでしょうか。古代だけが、分裂気質が余超能力と意味づけた時には、今でも必要な正確なのではないでしょうか。
原発の事故への対応でも、不手際が目立ちました。こういう事態を想定しないで、呑気にこの体制の恩恵に乗ってやっていけると楽観視して政権を担当していたから、全てが想定外となり混乱の極みとなり、この混乱はいまだに日本の低迷に結びついています。ブラたもりでを苫小牧の編を見ていて思ったのですが、北海道でもかなり早くから電柱が建ち並び、工場が誘致されて本州よりも早く工業化に成功したように見えました。現代社会は電気で動いています。電気が無くなれば国は疲弊して力をなくします。予兆を持てない現代人が指揮を執った悲しい結末だと思います。楽観的に政策を立てていたなら、一つの原発事故で全ての原発を止めると言う判断はなかったと思いますが、どうでしょうか。難しい選択ですが、庶民とは異なる人生を送るのだから、様々な事態の想定は必要だと思います。
 危機の予兆に基づく判断を相変わらず呑気に悪乗りだとか評価しているのは、政権担当能力はありませんと宣言しているようなものだと思いました。
2004年9月2日に日本でレビュー済み
現代人が罹患する高血圧、糖尿病などの成人病、、、
なぜそのような病気になる体質が残ってきたのか。
それは、元来血圧が高い人は、闘争に有利などの条件を満たしたからである。
分裂病もその気質が残ったのは人類の生存に対して何か有益なものがあったからであろう。
そのような観点から中井氏の興味深い理論が展開されている。
20人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年12月2日に日本でレビュー済み
著者の中井久夫氏は京都大学を卒業した精神科医で、本書は精神分裂業についての幅広い考察を行なったものです。

第一章では先史以前の人類について考察していました。
超能力的とも言える微かな兆候を知覚する分裂症気質の者が、危険を敏感に察知することで人類がサバイバルを果たせたと述べていました。
第二章では日本の分裂症患者についてまとめられていました。
農村社会や武家社会で分裂症気質の者が生きてきた道のりや、近年の市場経済で競争が激化して社会のタメがなくなって生き辛くなってきたことが述べられていました。
第三章では目をヨーロッパ世界に目を転じ、現代医学の歴史に絡めながら分裂症患者がどのように扱われてきたのかを示していました。

構成を簡単にまとめると以上のようなものになりますが、本書は日本だけでなく世界各国の歴史、文化に言及しながら重層的な考察がされていました。
文中に引用されている部分は外国の論文はいうに及ばず、古典の原著からの引用もあって、それらを自在に使いこなすこの著者の教養には驚かされました。
しかも専門的に踏み込んだ内容でありながら、読み手を引きつけて飽きさせず、表層ではない著者の理解の深さを感じさせるようなものでした。
印象深い記述は多数あったのですが、特に分裂病者が大切にしている「心の生ぶ毛」に関する次の部分はとても心に残りました。

「言葉にできない微妙な温かみを感じさせる【心の生ぶ毛】は、一度失ってしまうと取り戻すことは難しい。
これは分裂病者がもつ鋭敏な感性と密接に結びついているために、この感覚を失うことは彼らにとって生きる喜びの喪失をもたらせてしまうからだ。」

30年前に出版されているものですが、今読んでも古さを感じさせないものでした。
とても一読した程度では本書の面白さを十分に味わうことが出来ず、またそのレビューを述べる能力が評者に不足していることを痛感して恥じいるばかりです。
それでも後日改めて読み返すための備忘録として、ここに残しておこうと思います。
19人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2021年11月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
成程、商品の外観、等については、言うほどの苦情を申し立てるほどのことは無いと思います。ただ、「良好なコンディションです。」には、色々な見方が有り得るとは思いますが、致命的とまでは言えないものの、第一章全般に赤線、青線が引いてある状態を「良好」と言えるかどうかについては、人それぞれだと思います。その旨説明があれば、受け入れざるを得ませんが。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年2月28日に日本でレビュー済み
中井久夫の代表作ともいえる3つの論文を,1つずつ3つの章に割り振った3章構成です。
第1章では,周囲の状況からかすかな兆候を嗅ぎ取る分裂病親和者の認知特性(微分回路的認知)が,狩猟採集時代を生き残るのに有利だったのではないか,という議論が展開されます。さらに,兆候の検出は異性の獲得にも有利に働いたのではないか,とも。そのため,分裂病を発現させうる遺伝子が今日に至るまで淘汰されず,人類の中に残っていると考察されます。近年流行している進化心理学や進化医学といった分野にも通低する発想で,今読んでも新鮮な内容です。
第2章では,古典的なうつ病の病前性格が日本社会においてどのように形成されたか,が考察されます。うつ病の病前性格論としての執着気質やメランコリーといった概念が,日本やドイツでのみ承認されていた理由はなぜか,この章を読んで納得です。
そして,歴史についての深く広い知識を駆使した第3章は,圧巻の一言。惜しむらくは,この第3章のみを取り出したみすずライブラリーの『西欧精神医学背景史』と比較して,図版などがいくつか削除されていることでしょうか。
17人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2007年3月2日に日本でレビュー済み
もう「分裂病」と人に向かって言ってはいけないコトになった今こそ、読み返そう。

S親和者とは誰なのか。

あるいはこの社会がS親和的カノヨウナモノになった、今。

一方でソノコトを知っているそうではない人達による囲い込みが進む、今。

四半世紀前に書かれたこの本を読もう。

本はいつでも使われなければならない、はずだ。おかしな理由で買えなくなる前に。

☆10個。
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2011年4月15日に日本でレビュー済み
2011/3/11大震災後諸会議「乱立=多頭」を防弾チョッキみたいに保身延命謀る菅直人の共犯御用学者に診え、「復興構想会議」率いる、名迄「多頭=キングギドラ」な(笑)「五百旗頭真」に比す迄もなく、同じ「1995/1/17阪神神戸大震災で被災した神戸大教授」でも、中井久夫の慧眼は図抜ける。震災後は正直日米共に歴史の浅い「PTSD・トラウマ・心的外傷・被災者の心のケア」等普及尽力が強調されがちで、更に愛弟子・安克昌を院内感染で亡くした諸バイアスも重なると、震災の「前と後」の差は無いと信じつつも尚、震災前の本書に手が行く〜中井が「S親和者」と呼ぶ分裂気質を「心のうぶ毛」なる繊細な語感で描くと当選書独特な「活字体の跳ね具合」さえ微妙に読み込まれ絶妙な質感を醸す。中井自身が分裂気質特有の「兆候を捉える」類稀な能力を有す由縁か?〜そんな中井には大顰蹙覚悟で、2011/3/11後沸く「震災が人工(謀略)か天然か」に関し震災津波映像「兆候」解析を期待する!仮に酷でも「真実」こそ人を救うと信じる由縁だ。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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