★3.1/2022年81冊目/7月6冊目/『「三国志」の迷宮―儒教への反抗 有徳の仮面』(文春新書/文藝春秋)/山口 久和/P.190/1999年/660円+税 #読了 #読了2022
三国志について書かれているが、著者のメッセージが何かよく分からなかった。著者なりに様々分析しているのだが、それの羅列にしか読めない。文字数が多く、文字を追う作業になったことに加えて、読了に時間がかかった。私は中国の史実を大学の一般教養でしか読んだことがなかったので、今後は一大人として、『三国志』『三国演義』『水滸伝』などを読んでおくべきだとメモした。また、著者は中国近世が専門らしく、1ページ内に無為自然、隠忍侍従、信賞必罰、権謀術数、右顧左眄(p135)と四文字熟語が多いのも特徴で面白い。
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「三国志」の迷宮―儒教への反抗 有徳の仮面 (文春新書 (046)) 新書 – 1999/6/1
山口 久和
(著)
ダブルポイント 詳細
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劉備は本当に仁慈の君か?孔明は誠忠だけの賢人か?曹操は単なる奸雄か?中国思想史から見た、複雑で奥深い英雄たちの素顔
- 本の長さ190ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日1999/6/1
- ISBN-10416660046X
- ISBN-13978-4166600465
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (1999/6/1)
- 発売日 : 1999/6/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 190ページ
- ISBN-10 : 416660046X
- ISBN-13 : 978-4166600465
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,149,530位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年1月15日に日本でレビュー済み
漢は儒教を国教とした体制だった。当然のことながら三国志のベースにも宗教なり思想が大きく影響していた。そのことが分からなければ、曹操がいったい何と戦っていたかを見誤る。吉川英治・宮城谷昌光などの小説然り、横山光輝のマンガ然り。孫権や劉備などはなから曹操の眼中にない。本書はその点を分かり易く説明してくれている良書である。
ただ、その基礎から導き出される考察はいただけない。これまでの考察は「孔明を過大評価し過ぎている」と言っているが、本書の著者自身も諸葛亮を過大評価し過ぎている。明や清の文献には精通しているが、肝心の『三国志』を読み込んでいない。それで間違った方向に考察を繰り広げている。
それでも基礎を説明している点で昨今の「三国志学会」なる商売人たちが書く本よりも優れている。絶版で入手困難な状況が続いているが、ぜひ復刊するべきだ。
ただ、その基礎から導き出される考察はいただけない。これまでの考察は「孔明を過大評価し過ぎている」と言っているが、本書の著者自身も諸葛亮を過大評価し過ぎている。明や清の文献には精通しているが、肝心の『三国志』を読み込んでいない。それで間違った方向に考察を繰り広げている。
それでも基礎を説明している点で昨今の「三国志学会」なる商売人たちが書く本よりも優れている。絶版で入手困難な状況が続いているが、ぜひ復刊するべきだ。
2006年10月22日に日本でレビュー済み
当時中華に蔓延していた儒教についての解説を交えながら、曹操と劉備についての考察を深めていく「名教と偽善」は蒼天航路などで三国志にのめり込んだ人には比較的読みやすい代物でしょう。
合理主義者曹操と偽善者劉備という位置づけは近年既に目新しい物ではないけれども、興味深い考察がなされています。
全体を通して論文に近い解説書といった内容で敷居は高いですが、もっと深く三国志の世界を考察したいと言う人にはお勧めです。
ただ、惜しくらくは作者本人があまり三国志時代の知識を持ちえていない事です。
経歴を見ると元々中国哲学史を専攻していたようなので古代史そのものは門外漢なのでしょう。
高島俊男先生などと比べるとどうしても物足りなく感じてしまいます。
合理主義者曹操と偽善者劉備という位置づけは近年既に目新しい物ではないけれども、興味深い考察がなされています。
全体を通して論文に近い解説書といった内容で敷居は高いですが、もっと深く三国志の世界を考察したいと言う人にはお勧めです。
ただ、惜しくらくは作者本人があまり三国志時代の知識を持ちえていない事です。
経歴を見ると元々中国哲学史を専攻していたようなので古代史そのものは門外漢なのでしょう。
高島俊男先生などと比べるとどうしても物足りなく感じてしまいます。