新書ではありながら、その内容は、英文法がどのように成立
してきたかを述べる、れっきとした専門書(専門入門書)程度の
レベルになっている。
聖書という中世において絶対的な存在であったものが、土着言語
としての英語では読み解けないことに始まる、英語への劣等感か
ら英文法の歴史が始まったと主張し、その後、現在の規範文法に
流れを作ったRowthやMurrayなどの紹介に至るまで、細かにかかれ
ている。
最後には構造主義言語学や生成文法やPinkerにまで話がおよび、
筆者の規範文法に対する必要性の高さを感じる文言が続いている。
英文法の研究をする人には必携の書といってもいいほど、よく
まとめられていて、非常に勉強になる。
しかし一方で、娯楽として(あるいは新書レベル程度で)読みたい
読者にはやや内容が深いものになっている。
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英文法を知ってますか 文春新書 (文春新書 344) 新書 – 2003/10/21
渡部 昇一
(著)
いまや国際語、しかしかつては″後進国″の言葉だった英語が、語彙をふやし、規範をもとめて、文法を完成させるまでの苦闘の全軌跡!
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2003/10/21
- ISBN-104166603442
- ISBN-13978-4166603442
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2003/10/21)
- 発売日 : 2003/10/21
- 言語 : 日本語
- 新書 : 256ページ
- ISBN-10 : 4166603442
- ISBN-13 : 978-4166603442
- Amazon 売れ筋ランキング: - 339,010位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年5月15日に日本でレビュー済み
本書では、今ある英文法がどのような経緯で
進化整理されてきたのかを専門的な解説と共に
捉えることができると思います。
キーワードとしては、
・宗教改革、印刷技術の発展
・ドイツ語と英語は根っ子が同じ(ゲルマン系)
・母国語に対する劣等感、国語意識の発生
・綴りと発音の甚だしい乖離、一字一音主義
・大母音推移
・ノルマン侵攻によるフランス語の干渉
・保守派と革新派の対立
・ラテン語との比較
…等でしょうか。
本文では細かな話にまで入り込んでいるので、
私のように専門的な知識を必要としない人は
その辺はサラッと読み流して、
だいたいのアウトラインが掴めればよいと思います。
結論として氏が言いたいことは、
「八品詞、及びそれに相当する語句に文章を分析し、
支配と一致の関係を見て文章を正確に理解するいわゆる伝統文法は
印欧語系に関してはすでに古代から中世、ルネサンス、近代、
現代と通じて実践教育で成功した唯一の言語学と文法学の体系なのですよ。」
ということです。詳しい解説と共に述べられるこの言葉には、
コツコツと地道に文法を学んでいる方にとっては心強く、
勇気付けられるに違いないと思います。
英文科の方なら★5つでしょう。
私はちょっと文法に興味がある素人なので★4つにしておきます。
ちょっと専門的なので。
はじめはもう少し読みやすい「英文法を撫でる」の方がいいかもしれません。
進化整理されてきたのかを専門的な解説と共に
捉えることができると思います。
キーワードとしては、
・宗教改革、印刷技術の発展
・ドイツ語と英語は根っ子が同じ(ゲルマン系)
・母国語に対する劣等感、国語意識の発生
・綴りと発音の甚だしい乖離、一字一音主義
・大母音推移
・ノルマン侵攻によるフランス語の干渉
・保守派と革新派の対立
・ラテン語との比較
…等でしょうか。
本文では細かな話にまで入り込んでいるので、
私のように専門的な知識を必要としない人は
その辺はサラッと読み流して、
だいたいのアウトラインが掴めればよいと思います。
結論として氏が言いたいことは、
「八品詞、及びそれに相当する語句に文章を分析し、
支配と一致の関係を見て文章を正確に理解するいわゆる伝統文法は
印欧語系に関してはすでに古代から中世、ルネサンス、近代、
現代と通じて実践教育で成功した唯一の言語学と文法学の体系なのですよ。」
ということです。詳しい解説と共に述べられるこの言葉には、
コツコツと地道に文法を学んでいる方にとっては心強く、
勇気付けられるに違いないと思います。
英文科の方なら★5つでしょう。
私はちょっと文法に興味がある素人なので★4つにしておきます。
ちょっと専門的なので。
はじめはもう少し読みやすい「英文法を撫でる」の方がいいかもしれません。
2005年1月25日に日本でレビュー済み
内容としては、ほとんどがこれまでの本とかぶっている。彼の英語教育論にはかなり賛成できる部分が多いが、彼がよく使う『受験英語』の概念が明確に定義されていないのが問題。本書の最終章で著者が英文読解力の指標として掲げている英文を、和訳しかつ解説できる力は、一部の超難関大と呼ばれる大学の入試問題を除いて、普通の受験問題を解く際には要求されない。そもそも著者が教鞭をとっていた上智大学の入試問題自体が、彼の重視するような『和訳力』『文法力』とはかけ離れた方向に向かっているのではないか。彼が重視する能力を一括して『受験英語』と称してしまうことはかなり無理があるだろう。
2011年5月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中身がない英文法?自慢話やどうでもいい歴史をドシロウトには解らないように書かれてます。著者自身の他人への悪口が目立つ。英文法を知らないのは著者自身では?と、言いたいくらい解りづらい..。解っている人が教えれば素人でも解るはず..。これを読んでも英文法は解りません。ただの雑学本。著者自身が池〇先生に弟子入りしなさい。と、言いたくなる本。
2014年3月11日に日本でレビュー済み
名著です。しかし、本の題名が悪すぎます。
どうにかならなかったのでしょうか?
どうにかならなかったのでしょうか?
2004年11月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とにかく重箱の隅をつつくような細かくどうでもいい話のオンパレードで英語の発展史に興味の無い人には何の価値も無い記述ばかり。著者のこれまでの本のファンで中身に期待して買った人はお金を損することうけあいです。これって本当に新書で出す意味あったのかな~?
2003年12月3日に日本でレビュー済み
同著者による『英文法を撫でる』(PHP新書)が伝統文法をめぐるエッセイ集といった趣向で気軽に読めたので、続編を期待して読んだのだが、こちらはより学問的な英文法史って感じで、第二章から第九章までがやたらと知らない人名や書名が次々に出てきて、正直かなりうんざりしました。
でも序章、第一章と巻末第十~十二章は渡部昇一随一の薀蓄あふれる雑談集でゾクゾクするほど面白かった。むしろ『講談・英語の歴史』(PHP新書)をより専門的にした感じかな。今までの著書で述べたことの繰り返しが殆どだが、P.245からのスティーブン・ピンカーに対する批判は新ネタだと思う。
特に英文法史を勉強したい人以外は、最初と最後だけ読めば十分でしょう。
でも序章、第一章と巻末第十~十二章は渡部昇一随一の薀蓄あふれる雑談集でゾクゾクするほど面白かった。むしろ『講談・英語の歴史』(PHP新書)をより専門的にした感じかな。今までの著書で述べたことの繰り返しが殆どだが、P.245からのスティーブン・ピンカーに対する批判は新ネタだと思う。
特に英文法史を勉強したい人以外は、最初と最後だけ読めば十分でしょう。