一気に読みました。 妄想幻魔大戦級というか岡倉天心クラスのパフォーマティブな書きっぷりだけども、だからこそいろいろ考えさせられるし、面白く読める。
クローン技術、遺伝子改造技術、生殖補助技術について、禁止などせず、オープンにして誰でも可能なようにして、とことんやっちゃうべきだと主張する著者は、
“街路が自動車によってではなく車椅子や松葉杖で埋められているほうが、よほど美しい社会だと思う。痴呆老人が都市の中心部を徘徊し、意味不明の叫びを発する人間が街路にいるほうが、よほど豊かな社会だと思う。そのためには何をなすべきかという問題を立てています。”(P111)と語る。
『ターミネーター』『エイリアン4』『生ける屍の死』『フランケンシュタイン』『モロー博士の島』『金閣寺』などを検証し進めていく生殖論も刺激的だ。
豚少女や、馬男を作っちゃえ!というノリの怪物歓待論が描く未来の世界像は、人間が終焉し、怪物だけが存在する地球だ。
劣性なものこそ優等であるという価値転倒、いや価値そのものの崩壊こそが、新しい進化を生み出すのだという主張に辿りつく本書に、濃密なSF小説を読んだ後のようなショックを受けて、読み終わったあと、頭がぐるぐるした。オススメ。
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生殖の哲学 (シリーズ・道徳の系譜) 単行本 – 2003/5/14
小泉 義之
(著)
- ISBN-104309242855
- ISBN-13978-4309242859
- 出版社河出書房新社
- 発売日2003/5/14
- 言語日本語
- 本の長さ126ページ
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
クローン万歳! バイオテクノロジーはすばらしい。なぜならそれが怪物たちを生み出すから…。全く新しい視点からバイオを論じ、哲学のテーマとしての生殖を取り上げる、ポレミカルな思想への招待。未来はこの一冊から始まる。
登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2003/5/14)
- 発売日 : 2003/5/14
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 126ページ
- ISBN-10 : 4309242855
- ISBN-13 : 978-4309242859
- Amazon 売れ筋ランキング: - 665,720位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 4,372位哲学 (本)
- - 56,704位科学・テクノロジー (本)
- カスタマーレビュー:
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