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愛国の血糊: 南北戦争の記録とアメリカの精神 単行本 – 1998/11/1

3.5 5つ星のうち3.5 4個の評価

「悪との戦いの神話にとりつかれたアメリカ人が戦争をメロドラマ化した」 という、南北戦争についての結論を明晰で力強くかつ平易な文体で語る。
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商品の説明

内容(「MARC」データベースより)

歴史、伝記、日記、文学批評、文学史、詩、小説と多彩な資料を検討し「悪との戦いの神話にとりつかれたアメリカ人が戦争をメロドラマ化した」という結論を、明晰で力強くかつ平易な文体で語る。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 研究社 (1998/11/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1998/11/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 566ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4327471895
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4327471897
  • カスタマーレビュー:
    3.5 5つ星のうち3.5 4個の評価

著者について

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エドマンド・ウィルソン
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上位レビュー、対象国: 日本

2019年6月25日に日本でレビュー済み
 アメリカ名物の乱射事件後に、小熊英二『市民と武装』で、護身用の武装という考えは南北戦争と関わっていると知ったのですが、南北戦争について知らないので何か読もうと思い、著者名と題名にひかれてこれを読みました。
 部厚い本で読み応えがあり、アメリカという国で銃規制が困難な事情について、やたらと他国にけんかを売ることについて、いくらかアメリカ的精神の成立ちがわかったような感触は得られました。戦争そのものがテーマではく、戦争前後のアメリカについての、小説、詩、回想、論考などの文書がテーマ、というのが本書の特色であり長所なのだと思います。
 訳本としては、不要な注釈がむやみに多く(いかにも学習参考書風なところが研究社)、そのくせ誤植が目立ちます。はじめに登場人物のうち24人の写真があるのですが、ヒギンソンと記された写真はただ一人の黒人でもちろん別人、本文中にもたびたび白人と書いてあるのに、ちょっとおそまつです。訳文はいささか冗長で、読みづらく、がまんして読了したのですが、例えてみれば、それなりにおいしく食べたし、腹もふくれたし栄養にもなったが、たびたび砂やゴミが混じっていてうんざりもした、こんなにいい材料なのに、もうちょっとなんとかならなかったのか、と不満が残りました。
 結局、読めるかどうか心配しながら 2年後に原書を購入、思ったより楽に通読できたのは、訳本を一度読んでいたためかもしれません。その意味ではこの本にもお世話にはなったわけですが。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年9月5日に日本でレビュー済み
『アクセルの城』で文芸批評家の地位を確立したエドマンド・ウィルソンだが、彼の生涯を見ていくと批評の対象の幅広さに驚かされる。彼は狭義の「文学」(小説や詩、戯曲)だけをその批評の対象にしたのではなく、広義の「文学」(日記や書簡、演説、回想録などを含める)を対象にしていたと考えると、『フィンランド駅へ』や『死海写本』と同様に、本書もあくまで「文学批評」だったことが理解できる。
ほかの方も書いておられるが、本書は南北戦争の戦史などではなく、南北戦争がアメリカ人に与えた影響などを、約30名が残した幅広い「文学作品」から読み解いたものである。
非常に大部で本文だけで500ページを超え(2段組)、「序文」も16ページある。

まず、「序文」で徹底的に、アメリカの過去を断罪していく。
例えば、「奴隷解放」の大義をかざして行われた南北戦争に疑問を呈すると同時に、メキシコとの戦争、先住民族であるインディオに対する政策、日本への原爆投下、キューバ革命に対する干渉にも触れながら、アメリカ人が「「圧政者」や「犯罪者」から犠牲者を保護し解放するのだとか、「正義」と「悪」といったわが国の古い御題目や、さらには、有罪者を罰するのだといった口調」でする話をやめるべきだとウィルソンは主張し、また「いったん戦争が始まってしまうと、もはや敵を破壊すること以外に何かを考える人はほとんどいなくなる」ことを指摘、戦争の本質にも迫っている。
本文では、現在では入手の難しそうな当時の日記や回想録、現代では忘れられたド・フォレストやケイブルといった作家の作品などについても詳細に触れ、アメリカ文学におけるリアリズムの誕生について描き、そういった中でアメリカ人自らが南北戦争を「メロドラマ化」し、戦争を正当化している姿を暴きだしている。
意外だったのは、「感傷的」などとして批判されたこともあるストウ夫人の『アンクル・トムの小屋』に対して、その描写力などを評価していること。また、アメリカ時代のラフカディオ・ハーンについても触れた部分がある。

なお、この序文は1961年11月に書かれたものだが、当時ヴェトナム戦争下であったことやキューバ危機の直前であったことを考えると、驚きを禁じ得ない。だからこそ、2001年にウィルソンが存命であれば、またもや過去と同じ轍を踏もうとしているアメリカに対して、強い憤りを発していたに違いない。

『フィンランド駅へ』やナボコフとの書簡集などを読むと分かるが、ウィルソンはコミュニストではないものの社会主義に親近感を抱いていたようだし、『森林インディアン イロクォイ族の闘い』を書き、第二次世界大戦後のアメリカの冷戦政策に批判的で、そのためには所得税の納税さえ拒否していることを知ると、少なくともかなり強固なリベラリストであったと思われる。

459ページ上段にウィルキー・コリンズの著書として『ムーンストーン』を挙げているが、これには邦訳があり『
月長石 (創元推理文庫 109-1) 』である。最初の邦訳は1950年に出ているのだから、ほかの作品同様、邦題を使うべきだろう。このことも含め、表記の不統一や細かい校正ミスが見られるのは、残念である。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年9月26日に日本でレビュー済み
この「執念の書」を読了するには、相当な体力と気力を要する。小さな活字の2段組みで、16頁にわたる長大な序文、540頁以上の本文からなる大部であり、小生のような高齢者には目に甚だしく負担をかかり、読むのに苦労する。ウィルソンは、南北戦争100周年を期して1962年(昭和37年)に本書を出版した。丁度、米国プリンストン大学に在留した故江藤淳氏はこの本(当然、原文で)を読んだ。このことは氏の「アメリカと私」に詳しい。氏がアメリカを理解し、その後の思想を構築する上で大きな影響を与えた著作といえる。

この本に南北戦争の原因、戦争の経緯、戦後処理など戦争史的な知識を期待しても無駄である。ここでは、戦争前、戦争中、戦後再建期を過した多くの人々(30人以上になるか)の著作、回想録、手紙・手記、伝記などをこれでもかというほど提示してそのなかから「アメリカの精神」を浮かび上がらせようとする。南北戦争(the American Civil War)とは、何であったか? 奴隷制度廃止の大義に掲げたリンカーン率いる北軍が南軍に勝利したとの構図であるが、そう単純なものではない。そこに神がからみ、なによりも北部の南部への「アメリカン・ウエイ・オブ・ライフ」の大義の強制がある。
江藤淳氏のプリンストンに在留したとき、南北の確執は解消していなかった。黒人公民権運動の盛んな時期であった。さて、その現在は? そして、日本は敗戦によるアメリカの占領から65年を経過した。
なお、標題の「愛国の血潮(Patriotic Gore)」とは、戦争中の「南部同盟の歌」の歌詞にあるものである。アメリカについての知を求める人は是非、本書に挑戦してみて欲しい。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2001年3月19日に日本でレビュー済み
エドマンド・ウィルソンは、フィリップ・トルシエが 言うところの「男とは頭脳とガッツだ」という言葉に 合致する。膨大な資料の全てに目を通し、活用できる ものを選別していく頭脳、そしてそれを自らの批評眼 と闘わせるガッツ。本著は南北戦争に関する記述は もちろん、エドマンド・ウィルソンという一人の男を 鮮明に映し出す名著である。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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