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遠いあし音,人はさびしき: 人物回想 (筑摩叢書 317) 単行本 – 1987/11/1

4.5 5つ星のうち4.5 2個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 筑摩書房 (1987/11/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1987/11/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 345ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4480013172
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4480013170
  • カスタマーレビュー:
    4.5 5つ星のうち4.5 2個の評価

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小林 勇
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上位レビュー、対象国: 日本

2023年8月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
小林勇=岩波書店 支配人、取締役、最後は会長、(1903~1981)が人生で出逢った心に遺る人々の回想録です。
多くの作家の妻達を見て著者の感慨は:
芸術家でなくても男性は皆妻で苦しみ、女で苦しんでいる。芸術家、とくに作家は神経質で、鋭く、生みの苦しみのためいらいらすることがあるだろう。その夫人たちもはじめ親切で明るくても、そのうち刀折れ矢尽きて、変形することが多いのではないだろうか、、、です。
内山完造、書店主(1885~1959)
上海に書店を開いて成功しました。彼は日中事変の起きた頃 中国人は二つに足をかける知恵を持っている。中国は広い、人口が多い。長い進んだ歴史を持っている。そういう国を相手にして日本は馬鹿な戦争をしている、と述べる。1947年以降は日本に住み、以後も日中友好協会の理事長にもなりますが、最後は北京に招かれて愉しい華やかな食事の最中に倒れます。そして、葬儀は上海で盛大に行われたそうです。著者は「日本人でこのように中国の人々に哀惜されて生涯を閉じた人は他にあるまい」と記します。評者は中国人をあまり信用していないので、内山完造のように心底から受け入れられた日本人についての記述は大変参考になりました。
野呂栄太郎、マルクス経済学者(1900~1934):
昭和7年、野呂は病体で自宅療養中であったが、その前年北海道から招いた父の一太郎も共に療養していた。著者は羽仁五郎と知己で、野呂の友人でもある羽仁五郎の兄篠崎義郎が医師であったので、羽仁と著者が野呂への往診を依頼した。診察を受けたあと、野呂は隣室に寝ている父も診察して頂きたい、と述べた。少し驚いた医師篠崎は承諾して野呂と2人で別室へ移った。著者と羽仁五郎は控えていたが隣室の様子がなにか異様であった。篠崎医師と野呂が戻ってきて野呂が「父が亡くなりました」と静かに言ったそうである。そしてそのまま自身は寝床に入った。著者、羽仁五郎、篠崎医師の3人が野呂家を辞して駅に着いた時に篠崎医師は切符を買う金が無かった。所持金を全部香典として渡したのだった。
中垣虎児郎、エスペランティスト(1893-1971)
中学を出た後朝鮮に渡り平壌で小学校の教員となり、平壌時代に結婚した。妻は妊娠してお産のために実家に帰ったが、そのあと中垣は200字の原稿用紙に75枚の長い離縁状を書いた。いい人だったけれどもどうしても生涯を俱にしようという気になれなかった、と訳を述べたそうです。
三木清:哲学者(1897-1945. )
1945年3月28日、治安維持法違反で拘留され9月26日、獄死。三木の獄死が機となり、治安維持法は撤廃された、と。
三木の生涯は48年9ヶ月、文筆活動は20年に過ぎず、その期間に大小700あまりの論文を書いた。日本の敗戦後、ただちに釈放されていれば、この高名な哲学者は生きて多くの仕事が出来たでしょう。大東亜戦争は日本の偉人を戦地ではなくても牢獄で死なせました。
本書で語られる事柄は常識と外れたことが多いのですが、後世に名を遺す人達は皆尋常な人生ではありませんでした。