人間の言葉というのは、しばしば抽象的な数学や論理とは、似ているようで全く異なる様相を呈することがある。
特に、本書のとりあげる「数」、「時」、「量」は自然科学的にはきわめて明瞭で、疑いようのない性質であるが、自然言語に表したときに、必ずしもはっきりしない現象がいくつかある。「今は平成19年」はＯＫで、「今は3日」はだめ、庭は「広い」のにハンカチは「大きい」など・・・考えればいっぱいあるものだ。
本書はこれらについて深く考えていく。そうすると意外に見えてくる日本語の不思議で巧みな論理。そしてそれはおそらく自然言語一般に共通するもので、人間の認知や考え方に深く根ざしたものであるといえよう。
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