本書のタイトルとなっている問いに、著書が答えを示しているか?と言えば、それは疑問。
そこを差し引いても、地域分析の手法が解説されているという点で、十分面白い本だと感じた。
著者は、日本政策投資銀行で様々な地域開発プロジェクトに携わったのち、
現在は東洋大学でPPP等の研究を行っている。
長年にわたって日本各地の地域の盛衰を見てきた著者が説くのは、
どの自治体も今や「地球規模での地域間競争」の只中にあり、
その結果を端的に表すのが「人口増減」であるという事。
本書では、11のケースを例に、国勢調査等のデータに基づき、地域分析がなされる。
ここで用いられる手法は
○人口の長期的な増減
○年齢区分(5歳刻み)別に、5年間でどれだけ人口が増減したか
○住民がどこに通勤・通学しているか(他自治体からどれだけ通勤・通学してきているか)
○どのような業種で雇用が多いか
という4つ。
この結果から、その地域の特徴や成長・衰退の状況が見てとろうというのである。
地域活性化をテーマとした本は多いが、
その中には単に成功事例(何をもって成功というのか判然としないものもある)
を紹介しただけというものも散見される。
本書では、客観的なデータに基づく分析・評価が展開されており、そこに大きな特色があると言えよう。
何より、その分析手法は比較的簡単であり、その気になれば誰でもわが町を分析できるというのが、おもしろい。
私も早速、自分の住む市の現状分析を行ってみたくなった。
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「豊かな地域」はどこがちがうのか: 地域間競争の時代 (ちくま新書 992) 新書 – 2013/1/9
根本 祐二
(著)
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購入オプションとあわせ買い
- 本の長さ270ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2013/1/9
- 寸法11 x 1.3 x 17.6 cm
- ISBN-104480066918
- ISBN-13978-4480066916
登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2013/1/9)
- 発売日 : 2013/1/9
- 言語 : 日本語
- 新書 : 270ページ
- ISBN-10 : 4480066918
- ISBN-13 : 978-4480066916
- 寸法 : 11 x 1.3 x 17.6 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 569,572位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,785位ちくま新書
- - 55,621位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年5月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
国や自治体のデータの内容を具体的に知ることができた。
2013年1月23日に日本でレビュー済み
“コーホート図”と、“産業構造の転換が人口減少を食い止めた”という2点が本書の最大の功労点ではないでしょうか?
それらは、最初の2節程度で十分に語られていますし、その後の説は、対象としては興味深いにしろ、研究としては十分な結果が出ていないものをとりあえず掲載したという感は否めません。
面白いので、自分の地域に当てはめて、リサーチしてみてはいかがでしょうか?
もっと深い未来予想図が出てくることを期待しています。
それらは、最初の2節程度で十分に語られていますし、その後の説は、対象としては興味深いにしろ、研究としては十分な結果が出ていないものをとりあえず掲載したという感は否めません。
面白いので、自分の地域に当てはめて、リサーチしてみてはいかがでしょうか?
もっと深い未来予想図が出てくることを期待しています。
2014年9月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は、実務家(銀行員)を経て、現在、大学で公民連携(パブリップ・プライベート・パートナーシップ/PPP)を専門領域として教鞭をとっておられる著者の手による地域分析・地域振興の方向性を示す好著である。
最近、人口減少による自治体消滅に警鐘を鳴らす某レポートが世間を騒がせているが、著者も地域を客観的にみることが重要であると指摘し、具体的には、年代別人口増減図(コーホート図)を用いて人口の動きをみる手法や国勢調査の従業地・通学地データ分析手法を採用・紹介している。
その背景には「魅力ある地域には人が集まり、魅力のない地域からは人が出て行きます。少なくとも自由主義の国では、人が地域間を移動する動きを制約することはできませんから、人口増減がもっとも客観的な成果です」(24頁)との著者の信念があるものと思われる(明示されてはいないが、チャールズ・ティボーの「足による投票(voting with one’s feet)」概念と同旨であろう)。
さらに、この手法を国内11の事例地域に適用して、それぞれの地域の強みや隘路などを鮮やかに分析してみせているが、そのいずれの事例地域についても著者の実体験を伴う分析・記述は説得力がある。
なお、分析手法(コーホート図作成)について、例えば生データを引用しての順を追った具体的な手ほどきが記述されていればよりありがたいが、新書という性格上それを求めることは欲張りすぎであろうし、他著書あるいは著者がPPP研究センター長を努める大学での講義受講により学ぶべき領域であろう。
最後に、「地域問題は勘や人情ではなく、科学的に分析して解決すべきものだと思います」(270頁)という著者の印象的な言葉を紹介しておきたい。
本書は、地域に愛着をもち、地域振興、まち・むらおこしに日々奮闘している皆様に一読をお勧めします。勇気・元気が出ることうけあいです。
最近、人口減少による自治体消滅に警鐘を鳴らす某レポートが世間を騒がせているが、著者も地域を客観的にみることが重要であると指摘し、具体的には、年代別人口増減図(コーホート図)を用いて人口の動きをみる手法や国勢調査の従業地・通学地データ分析手法を採用・紹介している。
その背景には「魅力ある地域には人が集まり、魅力のない地域からは人が出て行きます。少なくとも自由主義の国では、人が地域間を移動する動きを制約することはできませんから、人口増減がもっとも客観的な成果です」(24頁)との著者の信念があるものと思われる(明示されてはいないが、チャールズ・ティボーの「足による投票(voting with one’s feet)」概念と同旨であろう)。
さらに、この手法を国内11の事例地域に適用して、それぞれの地域の強みや隘路などを鮮やかに分析してみせているが、そのいずれの事例地域についても著者の実体験を伴う分析・記述は説得力がある。
なお、分析手法(コーホート図作成)について、例えば生データを引用しての順を追った具体的な手ほどきが記述されていればよりありがたいが、新書という性格上それを求めることは欲張りすぎであろうし、他著書あるいは著者がPPP研究センター長を努める大学での講義受講により学ぶべき領域であろう。
最後に、「地域問題は勘や人情ではなく、科学的に分析して解決すべきものだと思います」(270頁)という著者の印象的な言葉を紹介しておきたい。
本書は、地域に愛着をもち、地域振興、まち・むらおこしに日々奮闘している皆様に一読をお勧めします。勇気・元気が出ることうけあいです。
2013年2月18日に日本でレビュー済み
面白い企画(タイトル)なので、読んでみたが
分析が非常に浅く、暴論が目立つ。
そもそも論として「豊かな地域」の選定が、おかしい。
例えば、11ケースのうち千葉県から「木更津市、八千代市、浦安市、習志野市」と
4つも選んでいるが、その選定基準は実に滑稽だ。
木更津市と八千代市は、30歳代の移住が多いから「豊かな地域」と言うが、
若い世代の移住者が多い理由は「新線開通効果(アクアライン、東葉高速)で
交通アクセスが良くなったのに、地価は下がってるから」って、当たり前すぎる。
以上2都市と同様に、浦安市と習志野市は「震災による液状化」が深刻な問題で、
やはり「交通アクセスは良いのに、地価は大きく下がっている」地域である。
こんな浅い分析では、週刊誌の「不動産取得の穴場情報」レベルにすぎない。
いや、むしろ「交通アクセスが良くなったのに、地価は下がる」地域とは、
「豊かな地域」ではなく「不人気=豊かでない地域」と分析すべき。
事実、木更津駅周辺は、廃墟ビルが多い「ゴーストタウン」として有名だ。
分析の浅い著者も、それは承知しているようで、69頁で「衰退した駅前の
活性化」を論じるが、「活性化は諦めて、廃墟ビルを市役所に建て替えろ」って
住民不在の暴論すぎる。
そんな住民不在の暴論では、せっかくの移住者が転居してしまう。
著者は、若い世代の移住者など住民の意向を少しは「考えたり、調査」すべき!
分析が非常に浅く、暴論が目立つ。
そもそも論として「豊かな地域」の選定が、おかしい。
例えば、11ケースのうち千葉県から「木更津市、八千代市、浦安市、習志野市」と
4つも選んでいるが、その選定基準は実に滑稽だ。
木更津市と八千代市は、30歳代の移住が多いから「豊かな地域」と言うが、
若い世代の移住者が多い理由は「新線開通効果(アクアライン、東葉高速)で
交通アクセスが良くなったのに、地価は下がってるから」って、当たり前すぎる。
以上2都市と同様に、浦安市と習志野市は「震災による液状化」が深刻な問題で、
やはり「交通アクセスは良いのに、地価は大きく下がっている」地域である。
こんな浅い分析では、週刊誌の「不動産取得の穴場情報」レベルにすぎない。
いや、むしろ「交通アクセスが良くなったのに、地価は下がる」地域とは、
「豊かな地域」ではなく「不人気=豊かでない地域」と分析すべき。
事実、木更津駅周辺は、廃墟ビルが多い「ゴーストタウン」として有名だ。
分析の浅い著者も、それは承知しているようで、69頁で「衰退した駅前の
活性化」を論じるが、「活性化は諦めて、廃墟ビルを市役所に建て替えろ」って
住民不在の暴論すぎる。
そんな住民不在の暴論では、せっかくの移住者が転居してしまう。
著者は、若い世代の移住者など住民の意向を少しは「考えたり、調査」すべき!
2013年1月16日に日本でレビュー済み
「地域の人が地域のことを知っているとは限らない」
逆に、外から、地域の人が気がつかないようなちょっとしたヒントを出せば、
地域を応援することができるのではないか?
地球規模の地域間競争!
「地域を見る目を養う」という観点で書かれ、
特に人口の動きを見る手法を使っている。「人が動くには理由がある」
年代別人口増減図(通称コーホート図)によって、
地域の人が気づいていないことを見つける名著。
館山市はなぜ雇用の創出に成功したか?
銚子市、三浦市、館山市の"三大さかなの町"を比較して、
さかなに強い町、弱い町を解き明かします。
3市の特徴は明らかです。
銚子と三浦の水産関連企業の従業員比率は合計13%台に上っており、
「さかなの町」と呼んでも良い水準に達しています
(ただし銚子は水産食料品製造業が過半、
三浦は漁業、生鮮魚介卸売業、鮮魚小売業が多く「生魚の町」)。
一方、館山市はわずか3.4%で両市を大きく下回っています。
実際は「さかなに弱い町」にもかかわらず、
「さかなに強い町」銚子、三浦の知名度に匹敵しています。
少ない資源を大きく見せるシティ・プロモーションに成功しているといえるでしょう。
館山市はなぜ雇用の創出に成功したか?
銚子や三浦と違い、25〜29歳人口がプラスであることに加えて、
30歳以降も若干プラスになっている。
最大の特徴は、常住人口に対して昼間人口の方が多くなっていることです。
この点は、銚子、三浦とはまったく逆の傾向に、なっています。
館山市の成長の秘密は、実は特定の業種に特化するのではなく、
さまざまな業種がバランス良く集まったオールラウンドな魅力にあるのではないか…
何でもあれば、住むにも便利だろうし、
ビジネスも発生しやすいのかもしれません。
今、地域のおかれている環境を簡単に表すと、
「地球規模の地域間競争」ということばが一番ぴったりしています。
逆に、外から、地域の人が気がつかないようなちょっとしたヒントを出せば、
地域を応援することができるのではないか?
地球規模の地域間競争!
「地域を見る目を養う」という観点で書かれ、
特に人口の動きを見る手法を使っている。「人が動くには理由がある」
年代別人口増減図(通称コーホート図)によって、
地域の人が気づいていないことを見つける名著。
館山市はなぜ雇用の創出に成功したか?
銚子市、三浦市、館山市の"三大さかなの町"を比較して、
さかなに強い町、弱い町を解き明かします。
3市の特徴は明らかです。
銚子と三浦の水産関連企業の従業員比率は合計13%台に上っており、
「さかなの町」と呼んでも良い水準に達しています
(ただし銚子は水産食料品製造業が過半、
三浦は漁業、生鮮魚介卸売業、鮮魚小売業が多く「生魚の町」)。
一方、館山市はわずか3.4%で両市を大きく下回っています。
実際は「さかなに弱い町」にもかかわらず、
「さかなに強い町」銚子、三浦の知名度に匹敵しています。
少ない資源を大きく見せるシティ・プロモーションに成功しているといえるでしょう。
館山市はなぜ雇用の創出に成功したか?
銚子や三浦と違い、25〜29歳人口がプラスであることに加えて、
30歳以降も若干プラスになっている。
最大の特徴は、常住人口に対して昼間人口の方が多くなっていることです。
この点は、銚子、三浦とはまったく逆の傾向に、なっています。
館山市の成長の秘密は、実は特定の業種に特化するのではなく、
さまざまな業種がバランス良く集まったオールラウンドな魅力にあるのではないか…
何でもあれば、住むにも便利だろうし、
ビジネスも発生しやすいのかもしれません。
今、地域のおかれている環境を簡単に表すと、
「地球規模の地域間競争」ということばが一番ぴったりしています。
2013年9月22日に日本でレビュー済み
本のページ構成を見ると最初からP38までが序論、
そこからP246までがケーススタディ、そして最後のまとめがP265と
笑ってしまうぐらいケーススタディが多い。
序論についてはとても教科書的な内容で、悪く言えば当たり前だけど、
コーホート図とか基本的な分析方法の重要性を再確認する意味では役に立つ。
問題のケーススタディだが、やはり長すぎるし、内容が薄い。
最初の数件については、序論の内容の事例としてある程度面白く読めるものの
読んでいてだんだんと「いつまで続くのか」という感じになる。
本のタイトルからしてある程度「豊かな地域」の一般化が求められるが、
歌舞伎町やUSJ、石垣島などいくらなんでもここで扱うには特殊すぎる例
なんじゃないか?と思う事例も多い。
最後のまとめも結局各ケーススタディの結論を並べなおしただけで、内容が薄い。
最後まで読んだが、序論と最初の数件のケーススタディだけ読めば、
あとは別に読まなくてもよかったなと思った。
ただ、ケーススタディの量は充実しているので、いろいろな地域のいろいろな事情を
座学として知りたいという気持ちで読めば十分意義のある本だと思う。
そこからP246までがケーススタディ、そして最後のまとめがP265と
笑ってしまうぐらいケーススタディが多い。
序論についてはとても教科書的な内容で、悪く言えば当たり前だけど、
コーホート図とか基本的な分析方法の重要性を再確認する意味では役に立つ。
問題のケーススタディだが、やはり長すぎるし、内容が薄い。
最初の数件については、序論の内容の事例としてある程度面白く読めるものの
読んでいてだんだんと「いつまで続くのか」という感じになる。
本のタイトルからしてある程度「豊かな地域」の一般化が求められるが、
歌舞伎町やUSJ、石垣島などいくらなんでもここで扱うには特殊すぎる例
なんじゃないか?と思う事例も多い。
最後のまとめも結局各ケーススタディの結論を並べなおしただけで、内容が薄い。
最後まで読んだが、序論と最初の数件のケーススタディだけ読めば、
あとは別に読まなくてもよかったなと思った。
ただ、ケーススタディの量は充実しているので、いろいろな地域のいろいろな事情を
座学として知りたいという気持ちで読めば十分意義のある本だと思う。
2017年7月23日に日本でレビュー済み
日本開発銀行(現日本政策投資銀行)で地域の開発プロジェクトの企画や融資に携わってきた著者が、11の地域を例示し、それぞれの地域においてどのような特色があるのか、そして、どのようにその特色を活かしていくべきかを検証する。特色を把握するための1つのツールとして紹介されていたコーホート分析は非常に参考になった。
高度経済成長期を経験した我が国は、戦後の復興から豊かな国へと変貌した。しかし、一方で情報化とグローバル化により、地域格差が生まれることとなった。中央官庁の主導による画一的な行政の時代は終焉し、それぞれの地域の特性に応じた十人十色の地域づくりが求められる時代が到来している。著者は「地域間競争の時代」と表現しているが、まさにその通りであり、近隣市と同じ取組みを行っていては、活気あるまち、特色あるまちにはならないだろう。
だからこそ、著者は「シティ・マネジメント」の必要性を説いている。まちも一つの会社として捉え、人口や雇用による地域分析のみならず、観光や産業、物流に関するデータなども駆使し、将来予測を行い、政策決定していくべきだと言う。
以前からシティ・マネジメントや都市経営という言葉は使われていたが、具体的にどのようなものなのかを本書では実例を取り入れて解説している点で、非常に為になった。
高度経済成長期を経験した我が国は、戦後の復興から豊かな国へと変貌した。しかし、一方で情報化とグローバル化により、地域格差が生まれることとなった。中央官庁の主導による画一的な行政の時代は終焉し、それぞれの地域の特性に応じた十人十色の地域づくりが求められる時代が到来している。著者は「地域間競争の時代」と表現しているが、まさにその通りであり、近隣市と同じ取組みを行っていては、活気あるまち、特色あるまちにはならないだろう。
だからこそ、著者は「シティ・マネジメント」の必要性を説いている。まちも一つの会社として捉え、人口や雇用による地域分析のみならず、観光や産業、物流に関するデータなども駆使し、将来予測を行い、政策決定していくべきだと言う。
以前からシティ・マネジメントや都市経営という言葉は使われていたが、具体的にどのようなものなのかを本書では実例を取り入れて解説している点で、非常に為になった。