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鄙の宿 (ゼーバルト・コレクション) 単行本 – 2014/3/25

4.8 5つ星のうち4.8 7個の評価

ジャン=ジャック・ルソー、ローベルト・ヴァルザーなど、偏愛した作家と作品、その孤独で不幸な生涯。時空を超えて、生きる苦悩のごとき普遍的な生々しさが浮かび上がる。解説=松永美穂

(ゼーバルトが目を向けるのは)何よりも作家としての彼らにのしかかった、呪いにも似た「物書きという悪癖」「書くことの強迫」である。遅咲きの作家であったゼーバルト自身も、この「強迫」にとらえられていたのだろうか?(松永美穂「解説」より)

ジャン=ジャック・ルソー、ローベルト・ヴァルザーなど、ゼーバルトが偏愛した作家・作品と人生を振り返る。彼らは時代の波に乗らなかった「脇役」であった。そして、「幸福」とは言えなかった人生を送り、書くことを止められなかった作家たちであった。
19世紀から20世紀にかけて、急速に変貌を遂げていく近代社会、資本主義、そしてナショナリズムへの傾斜を背景にしながら、そうした趨勢と思潮に背を向け、逃避し、孤独で病的な作家たちの生涯が、ゼーバルトならではの独自な視点から取りあげられた逸話を交え、いつものように印象深い図版を豊富に織り交ぜながら綴られる。彼らが一見小さな領域に引きこもっているかに見えて、むしろ誰よりも「時代の災厄」を感知し、それぞれが言葉で相対していたことが、ゼーバルト流の息の長い密度の濃い文体で明かされる。時空を越えた連想や脱線から時代が捉えられ、歴史を越えて、生きる苦悩のごとき普遍的な生々しさが浮かび上がり、心を強く打つ。
ゼーバルトの歴史へのまなざし、近代に対する鋭い批評性を改めて認識させられる傑作であり、「コレクション」の完結となる。カラー口絵6点収録。

▼目次
まえがき
天に彗星がいる
──〈ライン地方の家の友〉に敬意を込めて
この湖が大西洋であってくれたら
──サン・ピエール島を訪ねて
なにを悲しむのか 私にもわからない
──メーリケ追想
死は近づき 時は過ぎ去る
──ゴットフリート・ケラーについての覚え書
孤独な散歩者
──ローベルト・ヴァルザーを心に刻むために
昼と夜のように
──ヤン・ペーター・トリップの絵画について
解説 「鄙の宿」から見える風景 松永美穂
訳者あとがき

▼原題 LOGIS IN EINEM LANDHAUS
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商品の説明

著者について

W・G・ゼーバルト W.G. (Winfried Georg) SEBALD
1944年、ドイツ・アルゴイ地方ヴェルタッハ生まれ。フライブルク大学、マンチェスター大学などでドイツ文学を修めた後、各地で教鞭をとった。やがてイギリスを定住の地とし、70年にイースト・アングリア大学の講師、88年にドイツ近現代文学の教授となった。散文作品『目眩まし』(90年)、『移民たち 四つの長い物語』(92年)、『土星の環』(95年)を発表し、ベルリン文学賞、ハイネ賞など数多くの賞に輝いた。遺作となった散文作品『アウステルリッツ』(01年)も、全米批評家協会賞、ブレーメン文学賞を受賞し、将来のノーベル文学賞候補と目された。2001年、住まいのあるイギリス・ノリッジで自動車事故に遭い、他界した。ほかに、文学評論『空襲と文学』(99年)、散文・評論・エッセイ『カンポ・サント』(03年)が編まれた。

訳者:鈴木 仁子(すずき ひとこ)
1956年生まれ。名古屋大学大学院博士課程前期中退。椙山女学園大学教授。翻訳家。主要訳書:クリューガー『生きつづける──ホロコーストの記憶を問う』、ツムトア『建築を考える』(以上、みすず書房)、ハントケ『私たちがたがいをなにも知らなかった時』(論創社)、トゥルコウスキィ『まっくら、奇妙にしずか』(河出書房新社)、カイザー『インゲへの手紙』、ベーレンス『ハサウェイ・ジョウンズの恋』、ゼーバルト『移民たち』、『目眩まし』、『土星の環』、『空襲と文学』『カンポ・サント』『[改訳]アウステルリッツ』(以上、白水社)

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 白水社 (2014/3/25)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2014/3/25
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 186ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4560027730
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4560027738
  • 寸法 ‏ : ‎ 13.9 x 2.2 x 19.4 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.8 5つ星のうち4.8 7個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中4.8つ
5つのうち4.8つ
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上位レビュー、対象国: 日本

2014年4月27日に日本でレビュー済み
このゼーバルト・コレクションの最終巻には、ヘーベル、ルソー、メーリケ、ケラー、ヴァルザーといった、いずれも書くという悪癖をやめることができず、不幸になっていった作家についてのエッセイと、かつての学友で精神的同朋ともいえる画家ハンス・ペーター・トリップの絵の分析が収められています。
人生からの敗走ともいえる、それぞれの作家の生涯に並走するかのような論述が「驚くべき精妙さをもって人生を回避する行動障害の消息」を描き出しています。尾形亀之助のことを知っていたらどんな文章を書いただろうな、などと、ありうるはずもない変な妄想が膨らみます。
最後に紹介されている、ハンス・ペーター・トリップの「宣戦布告」という絵の分析が面白く、この画家に興味をもちました(その絵に登場する犬の「私たちを見透かしている」ような眼!)。
入念に選ばれた図像と文章との相互作用による、独自の喚起力ある展開はここでも健在です。
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