十九世紀の哲学と言えばドイツのイメージが圧倒的に強い。
イギリスにも功利主義とかイギリス理想主義とか、多少は思い浮かぶ。
フランス?はて十九世紀フランス哲学って誰かいたっけ?
ということで魅惑的なタイトルに惹かれ一読。クセジュ文庫ということで、
半ば予想していた通りの詰め込み型の記述となっていて、初心者には厳しい。
しかし、十九世紀フランス社会の動きとともにある程度の流れに沿って
沢山の哲学者が紹介されていて大変価値がある。ほとんど無名の哲学者や、
ふつう哲学者とみなされない思想家(例えばトクヴィル)も数多く取り上げられている。
スピリチュアリスムも、マテリアリスムも、さらには実証主義でさえ、早くにシェリングが指摘していたように
「結局、フランスにおいてすべては―出てくる帰結はさまざまであるにせよ―
前提としての心理学というものをもとに、動いていた」(171-172)
評者にとって最も印象深かったのはこの一節である。なぜ自分がフランス哲学とこんなにも相性が悪いのか
という年来の疑問に、(単に頭が悪いというのは別として、)啓示が得られたように思えた。
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十九世紀フランス哲学 (文庫クセジュ 989) 新書 – 2014/3/21
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十九世紀美術、文学の華やかな知名度に比べ、同世紀の哲学はいまひとつよく知られていない。美術や文学が開花する土壌となった、革命後の混乱期における多様で猥雑な思想を読み解く。
パリの街並み、美術・文学および革命・ナポレオンなど政治に至るまで、今ではふつうにイメージとして頭にうかぶもののほとんどができあがった華麗、猥雑そして残酷な19世紀フランス。その中で、思想界もまた激動を繰り返していたのだ。
本書の特徴は、まずなんといってもその情報量。多数の人物がとりあげられており、それぞれをくわしく解説することで百花繚乱の思想家群像を描写している。また、時代を追いながら各哲学者の思想を浮き彫りにすることによって、革命後の混乱が描かれる。
従来とは異なる独自の視線で分量配分、時期区分を行なっている点にも注目。初めての方にも、すでにこの分野に通じていてより詳細な情報をお求めの読者にも充分満足な読み応えのある一冊となっている。関連年表、人名・事項索引も収録。
▼目次
序論
第一章 あの〈革命〉をどう解釈する? 一七八九〜一八三〇年
I イデオロジー学派 大革命・ナポレオン時代の思想家群像
II スピリチュアリスム 十九世紀フランス哲学のひとつの本流
III 伝統主義〈革命〉の負の遺産を清算せよ
IV 《新キリスト教》(ヌーヴォー・クリスチアニスム)──新たな社会をめがける閃光
第二章 スピリチュアリスムと実証主義 一八三〇〜四〇年
I スピリチュアリスム──七月王政下でのクザン派の展開
II 宗教と進歩──サン=シモン主義、連帯、メシアニスム
III オーギュスト・コントの〈実証主義〉(ポジティヴィスム〉
第三章 批判的撤退 一八四八〜七〇年
I 貧困の哲学──プルードン、所有と無政府主義
II 悪の詩──ボードレール、ヴィニー、ユゴー
III スピリチュアリスムとリベラリスム──クザン派の黄昏、その遺産
IV 《新 - 批判哲学》(ネオクリティシスム)
V 《ヘーゲル主義者たち》
第四章 諸々の達成、諸々の再生 一八七一年〜世紀末転換期
I 実証主義の確実性と不確実性──生物学・進化論・科学主義
II 〈反省哲学〉──フランス現代哲学の黎明
III 科学史の哲学──数理と科学のエピステモロジーに向けて
IV 生の哲学、行為の哲学
結論
関連年表/訳者あとがき
人名索引/事項索引/参考文献
▼原題 La philosophie en France au XIXe siècle
パリの街並み、美術・文学および革命・ナポレオンなど政治に至るまで、今ではふつうにイメージとして頭にうかぶもののほとんどができあがった華麗、猥雑そして残酷な19世紀フランス。その中で、思想界もまた激動を繰り返していたのだ。
本書の特徴は、まずなんといってもその情報量。多数の人物がとりあげられており、それぞれをくわしく解説することで百花繚乱の思想家群像を描写している。また、時代を追いながら各哲学者の思想を浮き彫りにすることによって、革命後の混乱が描かれる。
従来とは異なる独自の視線で分量配分、時期区分を行なっている点にも注目。初めての方にも、すでにこの分野に通じていてより詳細な情報をお求めの読者にも充分満足な読み応えのある一冊となっている。関連年表、人名・事項索引も収録。
▼目次
序論
第一章 あの〈革命〉をどう解釈する? 一七八九〜一八三〇年
I イデオロジー学派 大革命・ナポレオン時代の思想家群像
II スピリチュアリスム 十九世紀フランス哲学のひとつの本流
III 伝統主義〈革命〉の負の遺産を清算せよ
IV 《新キリスト教》(ヌーヴォー・クリスチアニスム)──新たな社会をめがける閃光
第二章 スピリチュアリスムと実証主義 一八三〇〜四〇年
I スピリチュアリスム──七月王政下でのクザン派の展開
II 宗教と進歩──サン=シモン主義、連帯、メシアニスム
III オーギュスト・コントの〈実証主義〉(ポジティヴィスム〉
第三章 批判的撤退 一八四八〜七〇年
I 貧困の哲学──プルードン、所有と無政府主義
II 悪の詩──ボードレール、ヴィニー、ユゴー
III スピリチュアリスムとリベラリスム──クザン派の黄昏、その遺産
IV 《新 - 批判哲学》(ネオクリティシスム)
V 《ヘーゲル主義者たち》
第四章 諸々の達成、諸々の再生 一八七一年〜世紀末転換期
I 実証主義の確実性と不確実性──生物学・進化論・科学主義
II 〈反省哲学〉──フランス現代哲学の黎明
III 科学史の哲学──数理と科学のエピステモロジーに向けて
IV 生の哲学、行為の哲学
結論
関連年表/訳者あとがき
人名索引/事項索引/参考文献
▼原題 La philosophie en France au XIXe siècle
- 本の長さ194ページ
- 言語日本語
- 出版社白水社
- 発売日2014/3/21
- ISBN-104560509891
- ISBN-13978-4560509890
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商品の説明
著者について
ジャン・ルフラン Jean Lefranc
パリ第四大学ソルボンヌ名誉助教授。専門分野は十九世紀思想史、特にショーペンハウアーとその影響・受容。
訳者:川口 茂雄(かわぐち しげお)
1976年兵庫県生まれ。京都大学文学研究科博士課程指導認定退学。日本学術振興会特別研究員PD(東京大学人文社会計研究科)を経て、現在、青山学院大学総合文化政策学部・大学院総合文化政策学研究科非常勤講師。
訳者:長谷川 琢哉(はせがわ たくや)
1975年新潟県生まれ。京都大学文学研究科博士課程指導認定退学。大谷大学助教を経て、現在、大谷大学など非常勤講師。
訳者:根無 一行(ねむ かずゆき)
1979年大阪府生まれ。京都大学文学研究科博士課程指導認定退学。現在、日本学術振興会特別研究員PD(京都大学文学研究科)
パリ第四大学ソルボンヌ名誉助教授。専門分野は十九世紀思想史、特にショーペンハウアーとその影響・受容。
訳者:川口 茂雄(かわぐち しげお)
1976年兵庫県生まれ。京都大学文学研究科博士課程指導認定退学。日本学術振興会特別研究員PD(東京大学人文社会計研究科)を経て、現在、青山学院大学総合文化政策学部・大学院総合文化政策学研究科非常勤講師。
訳者:長谷川 琢哉(はせがわ たくや)
1975年新潟県生まれ。京都大学文学研究科博士課程指導認定退学。大谷大学助教を経て、現在、大谷大学など非常勤講師。
訳者:根無 一行(ねむ かずゆき)
1979年大阪府生まれ。京都大学文学研究科博士課程指導認定退学。現在、日本学術振興会特別研究員PD(京都大学文学研究科)
登録情報
- 出版社 : 白水社 (2014/3/21)
- 発売日 : 2014/3/21
- 言語 : 日本語
- 新書 : 194ページ
- ISBN-10 : 4560509891
- ISBN-13 : 978-4560509890
- Amazon 売れ筋ランキング: - 416,062位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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