著者のマルソーフはサル・アンモニアク(塩化アンモニウムのこと。アンモニアの原料とされ、その語源でもある)の歴史論文を書いているなど、塩の専門家だ。
この場合、塩は「えん」と読むのが正しい。
それはこの『塩の世界史』についても同様だ。食塩が一応の中心ではあるが、話は曖昧に色々な塩についてなされることになる。
このわかりにくさは著者の筆力のせいではない。そもそも化学史において塩の分類が現代のように明確にされたのはつい最近のことなのだ。だから著者は時代に従い「よい塩、悪い塩」のように記述せざるを得なかった。
食塩の本と思って買うと辟易するかもしれない。しかし、塩について化学史、技術史の観点から書かれた本、とわかっていればこれ以上の良著はない。私自身、塩の研究からブラックが固定空気を発見し、空気化学が興り、化学革命へと繋がっていく、という見方もこの本で身につけた。
欠点を挙げるとすれば、日本語訳があまりよくないことか。訳者は実力ある方ではあるが、この本ばかりは荷が勝ちすぎていたのではと思う(例えば、「枝状架」という製塩技術の術語があるのだが、この本には出てこない。そのため読者が独力で理解を広げていく必要がある)。
この本を参考に化学史を学びたいと思ったら、原著の購入も検討するとよいかもしれない。
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塩の世界史 単行本 – 1989/11/1
R.P. マルソーフ
(著),
市場 泰男
(翻訳)
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- 本の長さ395ページ
- 言語日本語
- 出版社平凡社
- 発売日1989/11/1
- ISBN-104582408036
- ISBN-13978-4582408034
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登録情報
- 出版社 : 平凡社 (1989/11/1)
- 発売日 : 1989/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 395ページ
- ISBN-10 : 4582408036
- ISBN-13 : 978-4582408034
- Amazon 売れ筋ランキング: - 226,253位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2009年5月22日に日本でレビュー済み
まとまっておらず読みにくい。
同じ製塩所についてなんども似た様な話を繰り返したり、
塩の生産量、消費量などについて細々説明している割には単なる羅列に堕している。
訳文についてもメリハリの無い文章でひたすら書かれており、読んでいて実に疲れる。
専門の研究者向けに書かれたとするとアバウトな推測で数字が出て来るのがおかしいし、
一般向けにしては些細なことばかり書かれていて読んでいて埒が明かない。
参考文献を探す手がかりとしてはいいのだろう。
図画が欲しい人以外には購入をおすすめできない。
同じ製塩所についてなんども似た様な話を繰り返したり、
塩の生産量、消費量などについて細々説明している割には単なる羅列に堕している。
訳文についてもメリハリの無い文章でひたすら書かれており、読んでいて実に疲れる。
専門の研究者向けに書かれたとするとアバウトな推測で数字が出て来るのがおかしいし、
一般向けにしては些細なことばかり書かれていて読んでいて埒が明かない。
参考文献を探す手がかりとしてはいいのだろう。
図画が欲しい人以外には購入をおすすめできない。