3万年前にアジア人がベーリング海峡を徒歩で渡って北米から中南米に住み着いたという簡単な描写から始まって
本書で扱っているのは1607年のイギリス人のバージニア移住から始まって、2003年のイラク戦争まで、約400年の出来事である。
著者も「はじめに」で述べているように、本書は全7章のうち、1973年のオイル危機以降に2章を割いている。
それは「なんといっても、私たちが今生きている時代の事を十分に理解し、合わせて未来の姿を考えてみたいと思うからである。」との意図で書かれたものである。
アメリカ東海岸に小さな植民地を築いたイギリスは、やがてアパラチャ山脈を越えてドンドン西部に向かって発展していく。これは見方によっては「西部開拓史」でもあるが、土着のアメリカ原住民にとっては、白人によるインディアンの土地の侵略の歴史である。
インディアンを征服したアメリカは、イギリス本国との独立戦争(1776年)にも勝ち、やがて労働力としてアフリカの奴隷を輸入し始める。白人、インディアン、黒人の国となったアメリカは1960年代から黒人の民権運動の時代に入る。
第二次世界大戦に勝利したアメリカは世界の警察官として、ついに不条理なイラク戦争に突入する。
ここまでの記述は、あさすがアメリカ史の専門家のよくこなれた文章で一挙に読ませてくれる。
学生の世界史の副読本として最適だと思う。
さて、この本の初版が出版されたのは2004年である。
初の黒人大統領オバマも居ないし、アメリカ・ファーストのトランプも居ない。
この時代を包含した改訂版を出してもいいのではないか。
私の感想としては、トランプ大統領の施策は、湾岸戦争やイラク戦争をはじめてブッシュ大統領と政治手法が酷似しているのである。大義なきイラク戦争をはじめたブッシュは引退したが、トランプの時代をどう見ているのか、著者に聞いてみたい気がする。
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検証アメリカ500年の物語 (平凡社ライブラリー) 文庫 – 2004/10/6
猿谷 要
(著)
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世界に冠たる超大国の真の歴史を知る人は意外と少ない。アメリカ史の第一人者がその500年を読みやすくつぶさに検証した入門書の最高峰。アメリカを語る前に必読。中高生から。
- ISBN-104582765173
- ISBN-13978-4582765175
- 出版社平凡社
- 発売日2004/10/6
- 言語日本語
- 本の長さ439ページ
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登録情報
- 出版社 : 平凡社 (2004/10/6)
- 発売日 : 2004/10/6
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 439ページ
- ISBN-10 : 4582765173
- ISBN-13 : 978-4582765175
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2018年8月15日に日本でレビュー済み
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2020年7月14日に日本でレビュー済み
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アメリカの歴史が1冊で良くわかります。傍らにいつも。
2023年11月9日に日本でレビュー済み
第1章 光と影の大国が産ぶ声をあげたとき―有史前から初代大統領の就任(一七八九年)まで
第2章 欲望と利権の渦巻くなかで―南北戦争の終結(一八六五年)まで
第3章 大国への道序曲―第一次世界大戦の終結(一九一八年)まで
第4章 覇権と驕りの頂点に向かって―日本への原爆投下(一九四五年)まで
第5章 歴史は繰り返された―ニクソン大統領の訪中・訪ソ(一九七二年)まで
第6章 「強いアメリカ」が叫ばれた果てに―米ソ首脳による冷戦終結宣言(一九八九年)まで
第7章 アメリカは衰退するか―イラク戦争(二〇〇四年)まで
第2章 欲望と利権の渦巻くなかで―南北戦争の終結(一八六五年)まで
第3章 大国への道序曲―第一次世界大戦の終結(一九一八年)まで
第4章 覇権と驕りの頂点に向かって―日本への原爆投下(一九四五年)まで
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第6章 「強いアメリカ」が叫ばれた果てに―米ソ首脳による冷戦終結宣言(一九八九年)まで
第7章 アメリカは衰退するか―イラク戦争(二〇〇四年)まで
2017年8月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
西洋によるアメリカ大陸発見から現代までの簡潔なアメリカ史なのですが、重要な人物や出来事を詳しく説明しているので、小説のような面白さもあります。独立戦争や奴隷解放運動の部分など、スリル満点で読めます。西欧人がアメリカ大陸へ移住し形成された各都市は、西欧諸国の植民地のような存在でしたが、独立戦争、内乱(南北戦争)、繁栄、大恐慌、大戦勝利、反戦やフェミニズム、公民権など様々な市民運動、短いのに怒涛の歴史です。トランプの出現で今後どの方向に進むのかわかりませんが、移民が集まり憲法を毎年のように書き換えながら運営する実験国家の履歴書として楽しく読めました。
2005年8月21日に日本でレビュー済み
猿谷先生はこれまでも数々のアメリカ史の本を書いていますが、この本の最大の特徴は現代のことが多く書かれていることです。現代史を書くことは難しいが「歴史家は逃げてはいけないのだ。」この言葉には感動しました。同時多発テロ後の、まさに現代のアメリカについて読める貴重な本です。是非読んでください。
2014年2月6日に日本でレビュー済み
著者は米国史の泰斗として、また軽妙洒脱な随筆家として知られている人物。その
せいか、歴史書としては大変に読みやすい。欧州人が移住を開始してから、イラク
戦争までの米国史を概括しているが、一冊にまとめ切るには限界があり、あらゆる
事件を掘り下げているわけではない。ただその中でも著者が力点を置いているのが、
新しい時代についてで、全七章のうち1973年の石油危機以降に二章を割いている。
特に黒人史研究の草分けでもあることから、黒人による権利獲得の闘いにも重点を
置く。コチコチの反米派でも拝米派でもなく、"知米派"を本書で増やしたいと述べる。
民族は歴史で作られるというが、本書に接してその意味を実感した。米国人の考え方
には学ぶべき点もあるが、違和感を感じることも多い。特に人種に関しての敏感さの
背景が良く分かったし、意図的に乱を引き起こし、自国に取り込んでいくという、米国
流の拡張主義が、国の成り立ちと密接な関係があることが理解できる。新しいものに
果敢に挑戦していく開拓精神は既存の秩序の破壊にもつながるが、そういったことに
彼らは関心を示さない。そんな米国人の国民精神がいかに培われたのか、いずれも
歴史を通じて初めて知ることができる。基礎的な米国史をおさらいできる一冊である。
せいか、歴史書としては大変に読みやすい。欧州人が移住を開始してから、イラク
戦争までの米国史を概括しているが、一冊にまとめ切るには限界があり、あらゆる
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新しい時代についてで、全七章のうち1973年の石油危機以降に二章を割いている。
特に黒人史研究の草分けでもあることから、黒人による権利獲得の闘いにも重点を
置く。コチコチの反米派でも拝米派でもなく、"知米派"を本書で増やしたいと述べる。
民族は歴史で作られるというが、本書に接してその意味を実感した。米国人の考え方
には学ぶべき点もあるが、違和感を感じることも多い。特に人種に関しての敏感さの
背景が良く分かったし、意図的に乱を引き起こし、自国に取り込んでいくという、米国
流の拡張主義が、国の成り立ちと密接な関係があることが理解できる。新しいものに
果敢に挑戦していく開拓精神は既存の秩序の破壊にもつながるが、そういったことに
彼らは関心を示さない。そんな米国人の国民精神がいかに培われたのか、いずれも
歴史を通じて初めて知ることができる。基礎的な米国史をおさらいできる一冊である。
2007年7月11日に日本でレビュー済み
親米派・反米派でなく知米派を増やしたいと語る著者は、私たち日本人がどれだけアメリカという国を理解しているかはかなり心細いという。せいぜい第二次大戦後の超大国としてのアメリカの姿しかしらず、アメリカは建国以来ずっと軍事大国・経済大国であり自由貿易の国であるという錯覚に陥っている人が多いという。それゆえ本書がそのような錯覚を正し、客観的にアメリカの歴史を見つめるのに役立ってほしいと語る。ただタイトルが「500年の物語」となっているのだが、建国時代のことがらについてはさらっと触れるだけで、分量的には現代史のほうに力点が置かれている。あくまで現代アメリカ社会を理解するために最低限知っておくべき歴史という趣旨で執筆されたようだ。
私自身も建国から200年しか経過していないアメリカには学ぶべきほどの歴史はないと思いがちだった。ところが本書を読んでみて、その短い歴史の中にも多くの教訓や知っておくべき点があることを教えられた。たとえば、1987年のブラックマンデーとして知られる株の暴落によって、多くの金融機関が不良債権を抱えて倒産した際、その後始末として破綻した金融機関の経営者に対する責任追及を徹底的に行った結果が、1990年代のアメリカの長期好況をまねいたこと。この時の責任追求は身内に甘い日本社会では考えられない厳しさだったようで、1000人以上が実刑判決を受け損害賠償額の合計が11億ドルにものぼったという。著者は真珠湾攻撃の際に、宣戦布告が遅れるというミスで、日本人はアンフェアな国民だという負のイメージを生みだして国益を損なった、当時の大使館関係者がその後まったく責任を問われず逆に出世している事実を例に挙げて、日米の違いを明確にしているが、まさしくその通りだと思った。
私自身も建国から200年しか経過していないアメリカには学ぶべきほどの歴史はないと思いがちだった。ところが本書を読んでみて、その短い歴史の中にも多くの教訓や知っておくべき点があることを教えられた。たとえば、1987年のブラックマンデーとして知られる株の暴落によって、多くの金融機関が不良債権を抱えて倒産した際、その後始末として破綻した金融機関の経営者に対する責任追及を徹底的に行った結果が、1990年代のアメリカの長期好況をまねいたこと。この時の責任追求は身内に甘い日本社会では考えられない厳しさだったようで、1000人以上が実刑判決を受け損害賠償額の合計が11億ドルにものぼったという。著者は真珠湾攻撃の際に、宣戦布告が遅れるというミスで、日本人はアンフェアな国民だという負のイメージを生みだして国益を損なった、当時の大使館関係者がその後まったく責任を問われず逆に出世している事実を例に挙げて、日米の違いを明確にしているが、まさしくその通りだと思った。
2005年2月22日に日本でレビュー済み
著者は本邦における米国研究の第一人者で、私のような素人にもわかりやすく米国の生い立ちを簡潔にまとめ、今日の米国の素顔を浮かび上がらせようとしている。ある社会を理解するというのは外国における日本への理解を考えてみてもなかなか困難だと思う。2005年のはじめのNew York Timesの書評にWhat made America?として書評が掲載されていたが、電話、映画、コンピューターの発明などがあげられていた。本書は米国の政治を中心とした歴史を紹介していると思うが、たとえばなぜ現大統領が再選されるのか、といった米国あるいは米国人の背景について、など増補されることを期待する。