河原者ノススメ―死穢と修羅の記憶
を読んで山椒大夫に原作のある事を知りました。
どの本に載っているのか散々に探してみて、ようやく本書に辿り着きました。
この本のシリーズの特徴で若干文字サイズが小さいですが、満足です。
森鴎外の山椒大夫と異なり、全般に渡ってカットされているシーンが全て載っています。
例えばですが、厨子王と別れた安寿は入水自殺しません....
爽やかな内容ではないので、繊細な方は読まれないほうがよいかもしれません...
現代語訳ではなく、古文調で書かれています。
中には原文で文字が不明と思われる箇所については、「□」が使われていたりします。
私もそうですが、古文に明るくない方はやや苦戦するやもしれません。
古文辞典か抜粋ながらも現代語訳と参照させながら、頑張って読破しましょう。
まずは山椒大夫を読んだので、残りの作品もチャレンジしようと思います....
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
説経節: 山椒太夫・小栗判官他 (東洋文庫 243) 新書 – 1973/1/1
- 本の長さ361ページ
- 言語日本語
- 出版社平凡社
- 発売日1973/1/1
- ISBN-104582802435
- ISBN-13978-4582802436
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 平凡社 (1973/1/1)
- 発売日 : 1973/1/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 361ページ
- ISBN-10 : 4582802435
- ISBN-13 : 978-4582802436
- Amazon 売れ筋ランキング: - 570,558位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 186位東洋文庫
- - 309位日本の戯曲・シナリオ
- - 42,251位新書
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2015年8月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中世の死生観、道徳観の、理不尽でかつ、容赦ないこと。
籟者に対する差別、女性に対する思いやりのない浄土感など、「弱者」である女性の立場からすれば、納得いかないことも多いのですが、中世の風景を知るには最適の本ではないかと思います。
籟者に対する差別、女性に対する思いやりのない浄土感など、「弱者」である女性の立場からすれば、納得いかないことも多いのですが、中世の風景を知るには最適の本ではないかと思います。
2013年11月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
説教節の悲しさがよく出ていました。このような資料こそを残していく必要があると思います。これこそが日本庶民文化の原点だと思います。
2019年7月11日に日本でレビュー済み
面白い本がないかと、朝日、毎日、読売、産経、日経の書評欄を毎週、見ているが、2019年6月30日付・読売の平野啓一郎の対談における森鷗外の『山椒大夫』に関する発言に目が吸い寄せられた。「不思議なのは、終盤の展開です。この小説は通常、母と引き裂かれた姉弟の苦難の物語として読まれます。様々な出来事を経て最後に厨子王は丹後の国守となり、奴隷の売買を禁じる。そこで話の展開からは唐突に、<(山椒)大夫が家では一時それを大きい損失のように思ったが、此時から農作も工匠の業も前に増して盛になって、一族はいよいよ富み栄えた>という一文が出てくる。なぜこんなことを書く必要があったのか。・・・鷗外は安寿と厨子王の物語を、単に山椒大夫個人の問題に帰して終わらせたくなかった。奴隷という制度があった社会の問題まで含んで書きたかったんですよ。その思いが一見、読み落としがちなこの一文に気づくことで分かってくる」。
そこで、早速、『山椒大夫・高瀬舟・阿部一族』(森鷗外著、角川文庫)を読み直してみると、平野の指摘する一文があっただけでなく、鷗外が種本にした説教節『さんせう太夫』(荒木繁・山本吉左右編注、平凡社・東洋文庫『説教節――山椒太夫・小栗判官他』所収)では、姉弟の額に逃亡を企てた罰として焼き鏝が当てられたのに、鷗外の『山椒大夫』では夢の話にすり替えられているではないか。さらに重要なことは、出世して丹後の国司となった厨子王の山椒太夫への報復場面――山椒太夫の残忍な三男・三郎に父の首を三日三晩かけて竹鋸で切り落とさせるシーンがすっぽりと抜け落ちているではないか。『山椒大夫』が子供向けに書かれたものであれば、残酷シーンの割愛・変更は已むを得ないだろうが、成人向けの歴史小説なのだから、もう少し違う扱い方の可能性を検討してもよかったのではないか。このため、平野の言う奴隷制度の告発も、中途半端に終わってしまっているように感じられる。
そこで、早速、『山椒大夫・高瀬舟・阿部一族』(森鷗外著、角川文庫)を読み直してみると、平野の指摘する一文があっただけでなく、鷗外が種本にした説教節『さんせう太夫』(荒木繁・山本吉左右編注、平凡社・東洋文庫『説教節――山椒太夫・小栗判官他』所収)では、姉弟の額に逃亡を企てた罰として焼き鏝が当てられたのに、鷗外の『山椒大夫』では夢の話にすり替えられているではないか。さらに重要なことは、出世して丹後の国司となった厨子王の山椒太夫への報復場面――山椒太夫の残忍な三男・三郎に父の首を三日三晩かけて竹鋸で切り落とさせるシーンがすっぽりと抜け落ちているではないか。『山椒大夫』が子供向けに書かれたものであれば、残酷シーンの割愛・変更は已むを得ないだろうが、成人向けの歴史小説なのだから、もう少し違う扱い方の可能性を検討してもよかったのではないか。このため、平野の言う奴隷制度の告発も、中途半端に終わってしまっているように感じられる。