あのショーペンハウアーが絶賛しているので興味を持って読んだ。やはり時代的制約があり、ヒュームは自分の意見ではなく登場人物の意見として語っているので、著者の正直な思想はどうだったのかはあまり明瞭ではない。この作品さえ生前に出版できなかったことから、教会による思想弾圧が厳しかったことが伺える。そして、文中にはショーペンハウアーの作品とよく似た表現もあり、ショーペンハウアーはこれを参考にしたのだなと確認できた。
《「それにどうして人間が」と彼は付け加えて言った、「他の一切の動物の運命からの免除を要求していいのだろうか。全地球はね、フィロ君、君はどう思う、呪われ、汚されているんじゃないかね。永久の戦争が、一切の生物の間で燃えあがらせられている。必要、飢餓、欠乏が強者や勇者を駆りたてる。恐れ、不安、恐怖が弱者や病者を動揺させる。人生への最初の登場からして、新生児にも、また哀れなその母親にも激痛をもたらすのだ。弱体、不能、困窮がその生涯の各段階についてまわる。そして人生は遂に末期の苦しみと恐怖のうちに終えられるのだ。」》
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自然宗教に関する対話: ヒューム宗教論集 2 (叢書・ウニベルシタス) 単行本 – 1975/1/1
- 本の長さ189ページ
- 言語日本語
- 出版社法政大学出版局
- 発売日1975/1/1
- ISBN-104588000705
- ISBN-13978-4588000706
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登録情報
- 出版社 : 法政大学出版局 (1975/1/1)
- 発売日 : 1975/1/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 189ページ
- ISBN-10 : 4588000705
- ISBN-13 : 978-4588000706
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,400,849位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 35,871位哲学・思想 (本)
- カスタマーレビュー:
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5 星
哲学者が真剣に著した名作
あのショーペンハウアーが絶賛しているので興味を持って読んだ。やはり時代的制約があり、ヒュームは自分の意見ではなく登場人物の意見として語っているので、著者の正直な思想はどうだったのかはあまり明瞭ではない。この作品さえ生前に出版できなかったことから、教会による思想弾圧が厳しかったことが伺える。そして、文中にはショーペンハウアーの作品とよく似た表現もあり、ショーペンハウアーはこれを参考にしたのだなと確認できた。《「それにどうして人間が」と彼は付け加えて言った、「他の一切の動物の運命からの免除を要求していいのだろうか。全地球はね、フィロ君、君はどう思う、呪われ、汚されているんじゃないかね。永久の戦争が、一切の生物の間で燃えあがらせられている。必要、飢餓、欠乏が強者や勇者を駆りたてる。恐れ、不安、恐怖が弱者や病者を動揺させる。人生への最初の登場からして、新生児にも、また哀れなその母親にも激痛をもたらすのだ。弱体、不能、困窮がその生涯の各段階についてまわる。そして人生は遂に末期の苦しみと恐怖のうちに終えられるのだ。」》
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2012年9月9日に日本でレビュー済み
あのショーペンハウアーが絶賛しているので興味を持って読んだ。やはり時代的制約があり、ヒュームは自分の意見ではなく登場人物の意見として語っているので、著者の正直な思想はどうだったのかはあまり明瞭ではない。この作品さえ生前に出版できなかったことから、教会による思想弾圧が厳しかったことが伺える。そして、文中にはショーペンハウアーの作品とよく似た表現もあり、ショーペンハウアーはこれを参考にしたのだなと確認できた。
《「それにどうして人間が」と彼は付け加えて言った、「他の一切の動物の運命からの免除を要求していいのだろうか。全地球はね、フィロ君、君はどう思う、呪われ、汚されているんじゃないかね。永久の戦争が、一切の生物の間で燃えあがらせられている。必要、飢餓、欠乏が強者や勇者を駆りたてる。恐れ、不安、恐怖が弱者や病者を動揺させる。人生への最初の登場からして、新生児にも、また哀れなその母親にも激痛をもたらすのだ。弱体、不能、困窮がその生涯の各段階についてまわる。そして人生は遂に末期の苦しみと恐怖のうちに終えられるのだ。」》
《「それにどうして人間が」と彼は付け加えて言った、「他の一切の動物の運命からの免除を要求していいのだろうか。全地球はね、フィロ君、君はどう思う、呪われ、汚されているんじゃないかね。永久の戦争が、一切の生物の間で燃えあがらせられている。必要、飢餓、欠乏が強者や勇者を駆りたてる。恐れ、不安、恐怖が弱者や病者を動揺させる。人生への最初の登場からして、新生児にも、また哀れなその母親にも激痛をもたらすのだ。弱体、不能、困窮がその生涯の各段階についてまわる。そして人生は遂に末期の苦しみと恐怖のうちに終えられるのだ。」》
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2009年6月22日に日本でレビュー済み
ヒュームはいくつかの宗教論を残していますが、本作はその筆頭に上げられるべき作品だと思います。
ヒュームは対話編の形で人間の理性では神の存在を把握できないことを述べています。そのため生前は公開されず、死後はじめて公開されました。
本作に対し「無神論者の戯言」と一蹴することは可能でしょう。しかし考察に値する部分も多く、事実カントの宗教論にも多大な影響を与えました。毛嫌いせず読んでいただきたい作品です。
ヒュームは対話編の形で人間の理性では神の存在を把握できないことを述べています。そのため生前は公開されず、死後はじめて公開されました。
本作に対し「無神論者の戯言」と一蹴することは可能でしょう。しかし考察に値する部分も多く、事実カントの宗教論にも多大な影響を与えました。毛嫌いせず読んでいただきたい作品です。