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生きる権利と死ぬ権利【新装版】 単行本 – 2000/6/5
脳死と〈人間の尊厳〉の問題は、もっとも現代的な問いである。
著者は1929年生まれのフランスの著名な弁護士で、多くの政治家・文化人の顧問弁護士として、
現代生物学の発展が作り出した新しいモラルと法について多くの経験を重ねてきた。体験と知恵、
良識と展望の結晶といえよう。
いままでの生死についての常識が新しい検討のテーマとなり、「生きる権利」と「死ぬ権利」は
別々のものではなく、深くつながっている。またかつての《生きることの尊重》というモラルも単
純なものではなくなった。
なぜなら、生命と健康の防衛の巨大な成功がもたらした一局面として、脳死または植物状態
の生命の維持について、それが成功と呼ぶに値するかどうか? あるいは胎内児の段階で、先
天的に欠陥を持つことが予見しうる場合、分娩の是非についてどう判断したらよいのか? また、
回復不能の外的傷害を受けたさいに、万全の犠牲を払うべきかどうか? 治療技術の進歩は天
文学的な数字の治療費を要するが、この受益者を人はどうして選択できるだろうか?
訳者(前東大附属病院長)は本書の鋭い知見に魅惑され、日本の人びとにぜひ読んでいただき
たいと発願して十年の年月を経た。ここにようやく公刊の運びとなったのである。
著者は1929年生まれのフランスの著名な弁護士で、多くの政治家・文化人の顧問弁護士として、
現代生物学の発展が作り出した新しいモラルと法について多くの経験を重ねてきた。体験と知恵、
良識と展望の結晶といえよう。
いままでの生死についての常識が新しい検討のテーマとなり、「生きる権利」と「死ぬ権利」は
別々のものではなく、深くつながっている。またかつての《生きることの尊重》というモラルも単
純なものではなくなった。
なぜなら、生命と健康の防衛の巨大な成功がもたらした一局面として、脳死または植物状態
の生命の維持について、それが成功と呼ぶに値するかどうか? あるいは胎内児の段階で、先
天的に欠陥を持つことが予見しうる場合、分娩の是非についてどう判断したらよいのか? また、
回復不能の外的傷害を受けたさいに、万全の犠牲を払うべきかどうか? 治療技術の進歩は天
文学的な数字の治療費を要するが、この受益者を人はどうして選択できるだろうか?
訳者(前東大附属病院長)は本書の鋭い知見に魅惑され、日本の人びとにぜひ読んでいただき
たいと発願して十年の年月を経た。ここにようやく公刊の運びとなったのである。
- 本の長さ360ページ
- 言語日本語
- 出版社みすず書房
- 発売日2000/6/5
- ISBN-104622049759
- ISBN-13978-4622049753
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商品の説明
出版社からのコメント
内容(「MARC」データベースより)
生命ならばどんなものでもよいのだろうか? 例えば脳死の生命維持は、成功に値するのだろうか? かつての「生きることの尊重」というモラルが単純ではなくなった今、生死を巡る人間の尊厳について再考する。88年刊の新装。
著者について
フランソワ・サルダ
Francois Sarda
1929年11月13日、フランス南境スペイン国境に近いペルピニアン(Perpignan)に生れる。1952年、パリ大学卒業。学生の頃、フランス・カトリック学生連盟長などを務め、弁護士試補の時代にも優等生であった。若くして多くの政府要人の訴訟事件の弁護を引き受け、とくにミッテラン(当時のフランス大統領)、マンデス-フランス(当時の首相)の国家防衛秘密漏洩事件の弁護士として活躍した。その他、著作権、出版権の弁護をおこない、ド・ゴール将軍の講演の著作権についても弁護をおこなった。多くの政治家・文化人の顧問弁護士として活躍するかたわら、医事法制にも興味を示し、医師会やパリ地区病院顧問弁護士、また医師保険会社顧問弁護士として活躍する。生物学・医学についての法律、倫理にも造詣が深い。司法については、常に中立的立場に立ち、政府機関・法務省の多くの委員を歴任している。上記の弁護士としての活躍の他、数年間にわたり、家族の故郷であるペルピニアン郊外の小村、カンポーム(Campome)の村長を務めたこともある。1980年、レジョン・ドヌール勲章受賞。1981年フランス法律家代表団長として中国を視察する。
Francois Sarda
1929年11月13日、フランス南境スペイン国境に近いペルピニアン(Perpignan)に生れる。1952年、パリ大学卒業。学生の頃、フランス・カトリック学生連盟長などを務め、弁護士試補の時代にも優等生であった。若くして多くの政府要人の訴訟事件の弁護を引き受け、とくにミッテラン(当時のフランス大統領)、マンデス-フランス(当時の首相)の国家防衛秘密漏洩事件の弁護士として活躍した。その他、著作権、出版権の弁護をおこない、ド・ゴール将軍の講演の著作権についても弁護をおこなった。多くの政治家・文化人の顧問弁護士として活躍するかたわら、医事法制にも興味を示し、医師会やパリ地区病院顧問弁護士、また医師保険会社顧問弁護士として活躍する。生物学・医学についての法律、倫理にも造詣が深い。司法については、常に中立的立場に立ち、政府機関・法務省の多くの委員を歴任している。上記の弁護士としての活躍の他、数年間にわたり、家族の故郷であるペルピニアン郊外の小村、カンポーム(Campome)の村長を務めたこともある。1980年、レジョン・ドヌール勲章受賞。1981年フランス法律家代表団長として中国を視察する。
登録情報
- 出版社 : みすず書房; 新装版 (2000/6/5)
- 発売日 : 2000/6/5
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 360ページ
- ISBN-10 : 4622049759
- ISBN-13 : 978-4622049753
- Amazon 売れ筋ランキング: - 361,170位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 15,708位医学・薬学・看護学・歯科学
- カスタマーレビュー:
著者について
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