大王継体についてはたくさんの論点がある。ひとり継体の問題にとどまらない、大王家全体にかかわる問題だ。当然、その後の天皇家にも。
果たして継体で王統は途切れたのか?
この点についてこの本はかなり明確に判断を下している。それも誠実な論理と手続きを以て。
継体以前に王統譜は存在せず、継体の息子欽明から王統形成が始まるというのだ。
従前の王統が切り替わったのではない。継体以前には王統というべきものが無かったのだ。
これは重要な指摘だ。
『日本書紀』がいうような初代神武にはじまる「万世一系」などはなかったのである。継体以後、その息子欽明によって王統の形成がなされてゆく。
ただ本書に物足りない点がある。男系・女系の問題に言及が見られないのだ。『日本書紀』には前大王の娘を大后に迎えたという記述がある。となるとその間に生まれた欽明は女系の大王となるのではないか?
著者にはこうした点にも言及してほしかった。
男系・女系の揺らぎは、『日本書紀』に章立てされている神功皇后の例などにもある。皇后というより大王級の活躍ですらある。その子の応神も女系になるではないか?
歴史学者はこういう問題にはあまり触れたくないのだろうが、取り組んでほしかった。
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継体天皇 (人物叢書 新装版) 単行本 – 2016/1/27
篠川 賢
(著)
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6世紀初め、近江から迎えられ大和の王権を継承した大王。淀川水系を中心に勢力を拡大し、即位後には氏姓(しせい)制・国造(こくぞう)制などの創始、百済(くだら)への援軍派遣など諸政策を実施する。晩年には「磐井の乱」を鎮圧し、死後葬られた今城塚古墳では盛大な葬送儀礼が行われた。記紀の信憑性を検証しつつ、古代国家の形成過程で大きな画期となったその生涯を追う。
- 本の長さ247ページ
- 言語日本語
- 出版社吉川弘文館
- 発売日2016/1/27
- ISBN-104642052763
- ISBN-13978-4642052764
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商品の説明
著者について
1950年 神奈川県に生まれる。1981年 北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。 現在 成城大学文芸学部教授 ※2013年8月現在 【主な編著書】『日本古代国造制の研究』(吉川弘文館、1996年)、『日本古代の王権と王統』(吉川弘文館、2001年)、『飛鳥の朝廷と王統譜』(吉川弘文館、2001年)、『物部氏の研究』(雄山閣、2009年)
登録情報
- 出版社 : 吉川弘文館 (2016/1/27)
- 発売日 : 2016/1/27
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 247ページ
- ISBN-10 : 4642052763
- ISBN-13 : 978-4642052764
- Amazon 売れ筋ランキング: - 455,790位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2023年12月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
初心者でもわかりやすく、理解できました。シリーズものとのこと、他も購入したいとおもいます。
2016年7月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
簡単に表現すると「古事記」「日本書紀」に古史古伝の書として有名な「上宮記」を掻き混ぜて自分の言いたい説の根拠にして出来た本。使用テキストはこの三冊「だけ」で「モノ」の証拠は鉄剣2本と鏡が一面。
つまり考古学でもなんでもなくて「文章解釈学」である。延々原典の引用文章と解釈がダラダラ続くだけ.......何で買ってしまったのか途中で自己嫌悪に陥る。
文章を解釈するのに夢中になっている余り人間そのものについて考えるのを忘れた本。例えば「応神天皇の5世の子孫」というと途中の系譜ばかりに気を取られ「何故応神天皇を持ちだしたのか?」をすっかり忘れた。5世って言えば江戸時代末期くらいの感じだが「応神=品陀和気/誉田大王」がそれこそ一体誰の子供だ?という疑問(ドグマ)が有る怪人物という共通認識は当時の人間でも有った筈。しかも神様と名前を交換するなんぞという訳の理解らない怪人物を御先祖に指定した継体=男大迹王の含む処は?という面白みは一切無し。考古学的発掘成果も何一つ具体的な証拠も無しに一冊出来てしまったダラダラ本。
今の御時世に出所が怪しい文書を引用するのが「当然」になってる様だが「上宮記」は原書つまり一次資料を今まで誰も見た事が無い。逸文がバラバラ勝手に「引用」されてる文書である。例えば誰か論文で一流雑誌に投稿しようとしたとして引用文献に「小保方晴子論文」とか「東北旧石器文化研究所」の文章が指定されてたら査読にも回されず返却される。不採用のでかいスタンプを押されるよ。
こんな状態が日常化している文献考古学なんぞ学問として成立するのか?とつくづく思う。
つまり考古学でもなんでもなくて「文章解釈学」である。延々原典の引用文章と解釈がダラダラ続くだけ.......何で買ってしまったのか途中で自己嫌悪に陥る。
文章を解釈するのに夢中になっている余り人間そのものについて考えるのを忘れた本。例えば「応神天皇の5世の子孫」というと途中の系譜ばかりに気を取られ「何故応神天皇を持ちだしたのか?」をすっかり忘れた。5世って言えば江戸時代末期くらいの感じだが「応神=品陀和気/誉田大王」がそれこそ一体誰の子供だ?という疑問(ドグマ)が有る怪人物という共通認識は当時の人間でも有った筈。しかも神様と名前を交換するなんぞという訳の理解らない怪人物を御先祖に指定した継体=男大迹王の含む処は?という面白みは一切無し。考古学的発掘成果も何一つ具体的な証拠も無しに一冊出来てしまったダラダラ本。
今の御時世に出所が怪しい文書を引用するのが「当然」になってる様だが「上宮記」は原書つまり一次資料を今まで誰も見た事が無い。逸文がバラバラ勝手に「引用」されてる文書である。例えば誰か論文で一流雑誌に投稿しようとしたとして引用文献に「小保方晴子論文」とか「東北旧石器文化研究所」の文章が指定されてたら査読にも回されず返却される。不採用のでかいスタンプを押されるよ。
こんな状態が日常化している文献考古学なんぞ学問として成立するのか?とつくづく思う。
2022年1月20日に日本でレビュー済み
人物叢書シリーズで、珍しい人の伝記が出ているのを見つけたので入手…だが、Amazonで検索すると、結構継体天皇をネタにした一般書があったりして逆に驚いた。
内容についてはAmazonの「なか見検索」機能で目次が見られるので参照されたいが、はっきり言って継体天皇の伝記とは言っても、その人物の内面とかに迫るようなお話は全くない(苦笑)著者も前書きでも書いておられ、念押しなのかあとがきでも書いておられるのだが、要は継体天皇という人物の心情に迫る史料というのが0で、しかもその史料というのがどこまで事実を描いているのか考証しなければいけない。結果、この本は継体天皇に絡む史料の考察でほぼ終了している。なので、単純に人物伝記と思って入手すると拍子抜けするかもしれない一冊ではある。
著者は古代日本史の制度史に詳しい人らしく、「国造」「部民制」の話は特に詳しかった、著者の意見ではこれらの制度は継体天皇が新しい政治体制を構築するために始めたものではないかという。実は並行して読んでいた『天智天皇』(人物叢書)によれば、いわゆる”大化改新”で改革の壁となったのがこれらの制度なのだという。新制度も年月が経てば逆に障壁になってしまうというあるあるな典型例で、興味深かった。
ちなみに自らの血統を大王を輩出する一族として確立するため、異母兄弟姉妹の近親婚を増やし、大后(皇后)を立てる制度を始めたのも著者の考えではこの継体天皇だという。
また、著者は水野祐氏が提唱して、今も支持者が多いと思われる「二王朝並立説」(継体天皇の年長の皇子と、皇后(大后)出生の「嫡男」である欽明天皇が対立して同時に2人の天皇(大王)が存在していたとする説)には否定的であるが、これに対しては意見のある人が多いのではと感じた。
継体天皇の陵(今城塚古墳)と、継体天皇と対立して敗死したらしい筑紫の磐井の墓(岩戸山古墳)が、祭祀スペースを現した張り出しがくびれの部分についているという構造が似ているという指摘は興味深かった。
ところで、ほかの方のレビューでも触れられているが、著者は「継体天皇は前代の大王家とはつながりがなく、実質的に新王朝の初代だった」「それまでは大王につける家系は特に決まってなかった」という説だが、この説明では「では前代の大王家が断絶したときに、なぜ大和の有力豪族の中から次の大王を選ばなかったのか」という疑問が出てくる。今後の展開を期待したい。
内容についてはAmazonの「なか見検索」機能で目次が見られるので参照されたいが、はっきり言って継体天皇の伝記とは言っても、その人物の内面とかに迫るようなお話は全くない(苦笑)著者も前書きでも書いておられ、念押しなのかあとがきでも書いておられるのだが、要は継体天皇という人物の心情に迫る史料というのが0で、しかもその史料というのがどこまで事実を描いているのか考証しなければいけない。結果、この本は継体天皇に絡む史料の考察でほぼ終了している。なので、単純に人物伝記と思って入手すると拍子抜けするかもしれない一冊ではある。
著者は古代日本史の制度史に詳しい人らしく、「国造」「部民制」の話は特に詳しかった、著者の意見ではこれらの制度は継体天皇が新しい政治体制を構築するために始めたものではないかという。実は並行して読んでいた『天智天皇』(人物叢書)によれば、いわゆる”大化改新”で改革の壁となったのがこれらの制度なのだという。新制度も年月が経てば逆に障壁になってしまうというあるあるな典型例で、興味深かった。
ちなみに自らの血統を大王を輩出する一族として確立するため、異母兄弟姉妹の近親婚を増やし、大后(皇后)を立てる制度を始めたのも著者の考えではこの継体天皇だという。
また、著者は水野祐氏が提唱して、今も支持者が多いと思われる「二王朝並立説」(継体天皇の年長の皇子と、皇后(大后)出生の「嫡男」である欽明天皇が対立して同時に2人の天皇(大王)が存在していたとする説)には否定的であるが、これに対しては意見のある人が多いのではと感じた。
継体天皇の陵(今城塚古墳)と、継体天皇と対立して敗死したらしい筑紫の磐井の墓(岩戸山古墳)が、祭祀スペースを現した張り出しがくびれの部分についているという構造が似ているという指摘は興味深かった。
ところで、ほかの方のレビューでも触れられているが、著者は「継体天皇は前代の大王家とはつながりがなく、実質的に新王朝の初代だった」「それまでは大王につける家系は特に決まってなかった」という説だが、この説明では「では前代の大王家が断絶したときに、なぜ大和の有力豪族の中から次の大王を選ばなかったのか」という疑問が出てくる。今後の展開を期待したい。
2020年11月4日に日本でレビュー済み
本書は、限られた文献しかない状態で、業績などをよく浮かび上がらせているように思います。