中世、比叡山延暦寺の保持していた勢力には凄まじいものがあった。国家鎮護の根本霊場であり、当時の日本で唯一の総合大学
であり、宗教界における絶対的権威であった。さらに僧兵軍団を擁して朝廷や幕府や有力武将とも渡り合う軍事勢力でもあり、
金融業を始めとする商業活動によって莫大な資産を蓄えていた大富豪でもあった。政治勢力としても侮りがたい存在であり、朝
廷や幕府の権力者たちも容易に手を出せず対応に苦慮させられていた。本書はそうした中世延暦寺の実態を詳細に解説した研究
書である。
今年度の大河ドラマ『麒麟がくる』には延暦寺の主である天台座主・覚恕という人物が登場する。正親町天皇の異母弟という
皇族であり、かつまた最高位の高僧でありながら色と欲に溺れ、政治的な野望も旺盛で富と武力に物を言わせて織田信長にも
対抗してくる怪物的な人物として描かれている。覚恕は言わば延暦寺という「怪物」を具現化したようなキャラクターであり、
新しい時代を切り開こうとする信長や明智光秀たちの前に立ちはだかる巨大な壁である。信長が叡山焼き打ちによって覚恕
を排除し延暦寺をせん滅させるのは必然であり避けられぬ運命であった。本書が取り上げているのは覚恕や信長が登場する以
前の出来事が主だが、あのような「怪物」は何故生まれたか理解する上で非常に役立つ好著だと言えよう。
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京を支配する山法師たち: 中世延暦寺の富と力 単行本 – 2011/4/1
下坂 守
(著)
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- 本の長さ237ページ
- 言語日本語
- 出版社吉川弘文館
- 発売日2011/4/1
- ISBN-104642080554
- ISBN-13978-4642080552
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登録情報
- 出版社 : 吉川弘文館 (2011/4/1)
- 発売日 : 2011/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 237ページ
- ISBN-10 : 4642080554
- ISBN-13 : 978-4642080552
- Amazon 売れ筋ランキング: - 664,212位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2013年6月18日に日本でレビュー済み
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嘗て都を震撼させた延暦寺の山法師。
実際に、信長の焼き討ちに依ってその力を完全に削がれるまで、頻繁に、そして断続的に強訴は続けられた。
だが、仏に仕える身である僧侶達が何故に武装し、あれ程までの横暴を極めたのか。
彼等は何を望み、そして何が彼等を掻き立てたのか。
そんな素朴な疑問に、当時の延暦寺の環境や時代の変遷に伴う政治との関連に着眼して答えを指し示してくれるのが本書である。
そもそもの切っ掛けは何処にでもありがちな内部抗争が発端であったと言う。
ただ、延暦寺ほどの規模になると単なる小競り合いだけでは済まされず、合戦に及ぶ為に武装する必要が出て来るのも当然の成り行きであろう。
それでも決着しない場合には互いの正当性を訴えんが為に朝廷に押し寄せる。
やがてそれが、内部の問題だけには留まらず、ありとあらゆる要求に対して実力行使に及ぶようになるのだ。
ましてや彼等は神仏の力を笠に着て神輿を担ぎ出すので最早誰にも止められない。
こうして延暦寺の武力は巨大化して行ったのである。
尚、これはほんの一部分に過ぎない。
本書はここから更に奥深く、強訴という問題を幅広い視点で多角的に検証しているのだ。
資料の掲載や古記録からの引用も豊富であり、特に強訴の内容や回数については一覧で纏めてあるので当時の状況が手に取るように良く解る。
更には、彼等が単に神輿を担ぎ出したから恐れられたのではなく、実際に強訴が行なわれている間は全ての神事、祭事が滞ったという事を指摘している点は、改めてその背景にある力の大きさを実感する事が出来た。
私は本書を通して、今迄の知識が余りにも希薄であった事を思い知らされた。
寺院内部の組織の複雑さ、統制の難しさ、朝廷、或いは幕府との利害関係、更には年間行事の重要性等、実に多くを勉強する事が出来たので、皆様にも自信を以ってお勧めしたい。
強訴の実態について前知識がある方もない方も、それぞれの視点で何かを学ぶ事が出来ると思う。
実際に、信長の焼き討ちに依ってその力を完全に削がれるまで、頻繁に、そして断続的に強訴は続けられた。
だが、仏に仕える身である僧侶達が何故に武装し、あれ程までの横暴を極めたのか。
彼等は何を望み、そして何が彼等を掻き立てたのか。
そんな素朴な疑問に、当時の延暦寺の環境や時代の変遷に伴う政治との関連に着眼して答えを指し示してくれるのが本書である。
そもそもの切っ掛けは何処にでもありがちな内部抗争が発端であったと言う。
ただ、延暦寺ほどの規模になると単なる小競り合いだけでは済まされず、合戦に及ぶ為に武装する必要が出て来るのも当然の成り行きであろう。
それでも決着しない場合には互いの正当性を訴えんが為に朝廷に押し寄せる。
やがてそれが、内部の問題だけには留まらず、ありとあらゆる要求に対して実力行使に及ぶようになるのだ。
ましてや彼等は神仏の力を笠に着て神輿を担ぎ出すので最早誰にも止められない。
こうして延暦寺の武力は巨大化して行ったのである。
尚、これはほんの一部分に過ぎない。
本書はここから更に奥深く、強訴という問題を幅広い視点で多角的に検証しているのだ。
資料の掲載や古記録からの引用も豊富であり、特に強訴の内容や回数については一覧で纏めてあるので当時の状況が手に取るように良く解る。
更には、彼等が単に神輿を担ぎ出したから恐れられたのではなく、実際に強訴が行なわれている間は全ての神事、祭事が滞ったという事を指摘している点は、改めてその背景にある力の大きさを実感する事が出来た。
私は本書を通して、今迄の知識が余りにも希薄であった事を思い知らされた。
寺院内部の組織の複雑さ、統制の難しさ、朝廷、或いは幕府との利害関係、更には年間行事の重要性等、実に多くを勉強する事が出来たので、皆様にも自信を以ってお勧めしたい。
強訴の実態について前知識がある方もない方も、それぞれの視点で何かを学ぶ事が出来ると思う。