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京料理の文化史 単行本 – 2017/4/3

5.0 5つ星のうち5.0 1個の評価

食と文学、フロイスがみた和食、精進料理、近世の料理屋、産物、宇治茶―
和食、とくに京料理の形成を、文化的な側面からとらえ、新たな京料理の見方を提案する。


【目次】
総論 京料理の文化史 上田純一

一 京料理への道程 ―大饗料理の成立と背景―/二 京料理への道程 ―本膳料理の成立と背景― /三 京料理の誕生 ―精進料理の影響―/四 京料理の展開 ―懐石料理との関係― /五 京料理の完成 ―会席料理― /六 喫茶 ―伝来と展開― /七 酒を巡る歴史

第一章 古代の「食」と文学表現 ―木簡・古事記歌謡・万葉集歌 山崎福之
はじめに/一 史料に見る古代の「食」/二 文学表現に見る「食」―古事記歌謡から― /三 文学表現に見る「食」―万葉集歌から― /おわりに

第二章 中世の日記から見る和食 田中純子
はじめに/一 神仏と供え物/二 中世公家の生活/おわりに

第三章 フロイス『日本覚書』にみる東西食文化 カパッソ・カロリーナ
はじめに/一 『日本覚書』について/二 『日本覚書』の内容 ―とくに「食文化」について― /おわりに

第四章「つくりもの」あるいは「見立て」としての精進料理 上田純一
はじめに/一 「もどき」料理としての精進料理/二 「つくりもの」あるいは「見立て」としての精進料理/おわりに

第五章 黄檗宗の伝来と普茶料理 竹貫友佳子
はじめに/一 黄檗宗と食文化/二 江戸時代の料理書にみる普茶料理/三 料理と黄檗宗/おわりに

第六章 近世京都の料理屋 橋爪伸子
はじめに/一 料理屋の始まりと円山の料理茶屋/二 豆腐茶屋と生洲/三 料理屋文化の発展/おわりに

第七章 近世京都・山城国の産物と鮎 東 昇
はじめに/一 京都の産物記録/二 京都の鮎/おわりに

第八章 宇治茶について知っていますか 藤井孝夫
はじめに/一 宇治茶の歴史/二 茶の種類/三 覆下茶園と露天地茶園/四 チャの栽培/五 茶の製造/六 茶に含まれる化学成分とその健康機能/七 美味しいお茶の淹れ方/八 茶の生産量/おわりに

第九章 食と地域 上杉和央
はじめに/一 「和食」と「洋食」の隙間 ―海軍料理を紐解きつつ―/二 お茶と地名 ―宇治茶を例に― /三 料理と景観 おわりに

第十章 食から考えるアメリカ ―グローバリゼーションと和食 出口菜摘
はじめに ―アメリカの比喩としての食―/一 アメリカ食文化の混淆性/二 文化としての食、商品としての食/三 グローバリゼーションと地域性/四 スターバックスという『白鯨』の世界/おわりに ―食のグローバル化のなかで―
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商品の説明

著者について

うえだ・じゅんいち・・・九州大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学.博士(文学).現在,京都府立大学京都和食文化研究センター特任教授. 主な著作に,『九州中世禅宗史の研究』(文献出版,2000 年),『丹後地域史への いざない』(編著,思文閣出版,2007 年),『足利義満と禅宗』(法藏館,2011 年) などがある.

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 思文閣出版 (2017/4/3)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2017/4/3
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 352ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4784218890
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4784218899
  • カスタマーレビュー:
    5.0 5つ星のうち5.0 1個の評価

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上位レビュー、対象国: 日本

2018年2月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
書名を見た限りでは、京料理の歴史や特色を京都の文化と共に読み解く内容だと思われるかもしれないが、本書は10人の研究者が各視点を以って和食文化全体を論じたものである。
具体的には、古代の食、中世の日記に見られる和食、戦国時代に来日したルイス・フロイスが観察した東西食文化の違い、精進料理、普茶料理、料理屋の誕生、近世京都・山城国の産物と鮎、宇治茶、食の地域性、アメリカに見る食のグローバル化の全10章。
依って、もしかしたら「徹底的に京料理に拘りたい」という読者にとってはやや趣が違うかもしれないが、その多角的な着眼点は思い掛けない発見を齎してくれるので、幅広い読者の方に是非ともお薦めしたい一冊であった。

本書は先ず、書名ともなっている「京料理の文化史」という総論を以て始まるが、ここでは大饗・本膳・精進・懐石/会席料理、喫茶の習慣と酒について概要を纏めている。
例えば大饗料理については食器や食材、調味料や調理法等を丁寧に紹介しているし、精進料理に至っては肉食禁忌にも言及しながら京料理の基礎知識を凝縮しているので、それこそ「京料理に拘りたい」方達はこの総論をお読み頂くだけでも十分かもしれない。
だが、ここまで読み進めたら是非とも次の頁を捲って頂きたい。
何故なら、本論はそれ以上に面白いからだ。

例えば古代の文献を扱った第一章では、万葉集に食材を詠み込んだものが見出される事を指摘しながら、如何に食事と日々の生活が密接であったかを説いているし、また、フロイスの記述を紹介した第三章では「外国人の目を通した日本の食文化」の新鮮さを浮き彫りにしているので、比較文化論としても読み応えがあるだろう。
また、「見立て」や「もどき」を通して精進料理を論じた第四章は日本文化の本質に触れる事が出来るし、更には、近世京都の料理屋に着目した第六章も興味深い。
外食産業の盛隆というと江戸を思い浮かべる方が多いと思うが、京都でも料理屋は発展したのであり、豆腐茶屋の出現、海から遠い不便さを克服する為に考案された生州、そして今でも京都では需要の多い仕出し等など、京都の料理屋の多彩さを実感する事が出来る。
著者の言葉を借りるならば、京料理の本質は「快適な飲食の場の提供」であり、正しく今でも私達が大切にしている“おもてなし”の精神の本質を垣間見たようでもあった。

だが、個人的に面白く、然も思わず呻らされてしまったのは第九章「食と地域」だ。
「カレー、ラーメン、とんかつ、カリフォルニア・ロールは日本食か?」という問い掛けを以て始まる本章は、日本食とは何か、和食とは何か、洋食とは何かという疑問に明快に答えてくれると同時に、日本の食文化の多様性について考える機会を与えてくれるのだ。
確かに「京料理」という枠組みからは外れてしまうものの、食と地域性の密接な関わりを説いた本章は「その土地ならではの食文化」という大切な事を教えてくれたように思う。

人間は食べなければ生きてはいけない。
だが、単に栄養を摂取すれば良いというのではなく、それを美味しく、楽しく、味わいながら食べたい…その思いが食文化を発達させたのであり、特に日本は食事に対する意識が高かったからこそ、この度「無形文化遺産」にも指定されたのであろう。
そんな貴重な文化を守り抜く為にも知っておくべきことが沢山ある…それを教えてくれる本書には、迷う事無く最高点を付けたいと思う。
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