本書は辞書としては星5つだと考えていますが、通読用なら星3つくらいだと考えています。
では、なぜ、星3つや4つではなく、星5つにしているかと言いますと、本書を辞書としての購入を考える人が多いであろうこと、そして刑法の基本書には、辞書として使える基本書がとても少ないことが理由です。
本書は、刑法総論としてはとてもページ数が多く、通読するのは困難ではあるでしょう。
しかしながら、通読する価値はあるでしょうし、なにより、かなり深いところから書かれているので、自分が理解できていなかった部分がよくわかります。
内容としては、これを司法試験受験の通読用基本書として使うとなると、かなりオーバースペックな気もしますが、1冊あれば、2008年以降に話題になってきた論点(具体的には共謀の射程等)を除けば、ほぼすべての論点に記述がされています。
教科書としての内容に触れてみますと、危険無価値という少々特殊な体系で書かれている基本書ではありますが、内容としては多くの関西系結果無価値と大きく変わるところはないでしょう。
本書の内容として、特筆すべきポイントは自分は大きく二つあります。1つ目は客観的帰属論の記述です。因果関係論を客観的帰属論をとることを考えている方は一読すべきです。2つ目は自説以外の説(判例込)も多く取扱われており、それぞれの記述もかなり深いところまで論じられているため、仮に山中説を使わない場合でも、内容が深いので、辞書代わりとしてかなり有用に使えます。
上記の内容に惹かれたかたは購入するのをおすすめします。
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刑法総論 第2版 単行本 – 2008/3/1
山中 敬一
(著)
- 本の長さ1114ページ
- 言語日本語
- 出版社成文堂
- 発売日2008/3/1
- ISBN-104792317908
- ISBN-13978-4792317904
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登録情報
- 出版社 : 成文堂 (2008/3/1)
- 発売日 : 2008/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 1114ページ
- ISBN-10 : 4792317908
- ISBN-13 : 978-4792317904
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,656,129位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年3月20日に日本でレビュー済み
【初学者へ】
まず、一番最初に読まないこと。初学者は、決して手を出さないこと。
初学者用としては、無星である。
【学部生へ】
読まない方がよい。ただ、ゼミなどで報告を行う場合は使える。学説は、少数説まで丁寧に紹介されているし、判例も同様であるので、レジュメ作成には使える。その点で、星2つ。
【司法試験受験生へ】
使えない。あまりにもアカデミックすぎるので、手を出さない方が良い。分量も多すぎる。
やはり山口、西田あたりで勉強するのが近道であろう。その点で、星1つ。
【研究者を目指す院生へ】
著者の見解を指示するかどうかは別として、研究者には是非、精読をすすめる。刑法解釈学を究めたいのであれば、非常に良くできた体系書である。また、山中刑法学を究めようとするのであれば必携の書である。
著者が力説する「客観的帰属論」については、近年支持を表明する研究者が多くなってきている。しかし、著者が力説しているのは、この点だけにとどまらない。「行為無価値論 VS 結果無価値論」といった議論や、違法性論、正当防衛論、中止未遂犯論、共犯論など、多岐にわたる。
近年の刑法学者は、刑法学の教科書はよく書くのだが、自身の刑法学について体系書を著そうとしない。それゆえ、哲学がないと揶揄されることも多いが、著者に限れば、そういった批判はあてはまらない。本書には、著者の刑法学に対する誠実な姿勢がよく現れています。
刑法学を究めることの難しさ、それ故に知ることができた刑法学の深さやそれを学ぶ楽しさについて、是非、本書を手にとり自分の手で確かめていただきたい。この点で、星5つ。
総合評価は、星4つです(おもいっきり主観的評価です。)。
まず、一番最初に読まないこと。初学者は、決して手を出さないこと。
初学者用としては、無星である。
【学部生へ】
読まない方がよい。ただ、ゼミなどで報告を行う場合は使える。学説は、少数説まで丁寧に紹介されているし、判例も同様であるので、レジュメ作成には使える。その点で、星2つ。
【司法試験受験生へ】
使えない。あまりにもアカデミックすぎるので、手を出さない方が良い。分量も多すぎる。
やはり山口、西田あたりで勉強するのが近道であろう。その点で、星1つ。
【研究者を目指す院生へ】
著者の見解を指示するかどうかは別として、研究者には是非、精読をすすめる。刑法解釈学を究めたいのであれば、非常に良くできた体系書である。また、山中刑法学を究めようとするのであれば必携の書である。
著者が力説する「客観的帰属論」については、近年支持を表明する研究者が多くなってきている。しかし、著者が力説しているのは、この点だけにとどまらない。「行為無価値論 VS 結果無価値論」といった議論や、違法性論、正当防衛論、中止未遂犯論、共犯論など、多岐にわたる。
近年の刑法学者は、刑法学の教科書はよく書くのだが、自身の刑法学について体系書を著そうとしない。それゆえ、哲学がないと揶揄されることも多いが、著者に限れば、そういった批判はあてはまらない。本書には、著者の刑法学に対する誠実な姿勢がよく現れています。
刑法学を究めることの難しさ、それ故に知ることができた刑法学の深さやそれを学ぶ楽しさについて、是非、本書を手にとり自分の手で確かめていただきたい。この点で、星5つ。
総合評価は、星4つです(おもいっきり主観的評価です。)。