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新編 太陽の鉛筆 大型本 – 2015/12/25
戦後日本を代表する写真家 東松照明の最高傑作、40年を経て新たに蘇る。
東松照明は1969年に沖縄と出会って以来、1970年代前半はほぼ沖縄を中心に活動し、その成果として
1975年に『太陽の鉛筆』(毎日新聞社)が刊行されました。東松が沖縄へ渡った契機の一つは、
代表作「占領」シリーズの延長上に沖縄の基地の実態を撮影することにありましたが、
『太陽の鉛筆』はある意味で脱占領宣言であり、脱アメリカや脱日本であり、最終的には脱国家の思考実践だったといえます。
そこには国境や領土や所有といった概念を拒もうとする精神の営みが波打ち、島々を分断させず、
やがてその視線は日本という枠を超えて東南アジアへと展開しました。
歴史や土地の制約からの自由を求める人間の脱領土的で群島的な想像力が
イメージとして結実した『太陽の鉛筆』は、東松照明の代表作として屹立しています。
『太陽の鉛筆』の沖縄編には宮古島での7カ月の生活を綴った6つのエッセイと、
宮古島や周辺の島々を撮影した150点の写真が収められています。
また東南アジア編は台湾の基隆や淡水、霧社や墾丁、フィリピンのミンダナオ島のサンボアンガ、マニラ、
インドネシアのジャワ島のジャカルタ、ソロ、バリ島、マレーシアのマラッカ、タンピン、ベトナムのサイゴン、
タイのランバン、チェンマイ、アユタヤ、シンガポールなど7ヶ国17地域にわたる島々が撮影され、
さらに東南アジアと地続きであるかのような沖縄の渡嘉敷、那覇、普天間、コザも含めた80点の写真で構成されています。
東松はその島々の配置によって、沖縄や八重山での生活で直感した南からの流れやその系譜の向こう側へ旅しようとしたのでしょうか。
東松照明は1969年に沖縄と出会って以来、1970年代前半はほぼ沖縄を中心に活動し、その成果として
1975年に『太陽の鉛筆』(毎日新聞社)が刊行されました。東松が沖縄へ渡った契機の一つは、
代表作「占領」シリーズの延長上に沖縄の基地の実態を撮影することにありましたが、
『太陽の鉛筆』はある意味で脱占領宣言であり、脱アメリカや脱日本であり、最終的には脱国家の思考実践だったといえます。
そこには国境や領土や所有といった概念を拒もうとする精神の営みが波打ち、島々を分断させず、
やがてその視線は日本という枠を超えて東南アジアへと展開しました。
歴史や土地の制約からの自由を求める人間の脱領土的で群島的な想像力が
イメージとして結実した『太陽の鉛筆』は、東松照明の代表作として屹立しています。
『太陽の鉛筆』の沖縄編には宮古島での7カ月の生活を綴った6つのエッセイと、
宮古島や周辺の島々を撮影した150点の写真が収められています。
また東南アジア編は台湾の基隆や淡水、霧社や墾丁、フィリピンのミンダナオ島のサンボアンガ、マニラ、
インドネシアのジャワ島のジャカルタ、ソロ、バリ島、マレーシアのマラッカ、タンピン、ベトナムのサイゴン、
タイのランバン、チェンマイ、アユタヤ、シンガポールなど7ヶ国17地域にわたる島々が撮影され、
さらに東南アジアと地続きであるかのような沖縄の渡嘉敷、那覇、普天間、コザも含めた80点の写真で構成されています。
東松はその島々の配置によって、沖縄や八重山での生活で直感した南からの流れやその系譜の向こう側へ旅しようとしたのでしょうか。
- 本の長さ432ページ
- 言語日本語
- 出版社赤々舎
- 発売日2015/12/25
- 寸法25.65 x 3.81 x 22.86 cm
- ISBN-104865410422
- ISBN-13978-4865410426
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商品の説明
出版社からのコメント
この度刊行する『新編 太陽の鉛筆』は、『太陽の鉛筆 1975』と『太陽の鉛筆 2015』の二冊組となります。
『太陽の鉛筆 1975』は、既に絶版となって久しい、初版『太陽の鉛筆』を基本的な構成や順序は変えずに新たな装いで書籍化したものです。
一方、『太陽の鉛筆 2015』は、基本的に『太陽の鉛筆』以後の既発表・未発表の作品のなかから103点の写真を選び、
『太陽の鉛筆』に込められた南方への眼差しを引き継ぐ新たな編集意図によって配列し、二人の編者による論考を付したものです。
東松が晩年に「亜熱帯」というタイトルで構想していた熱帯植物のシリーズや、五度にわたるバリ島への旅など、移動と再-棲息化への鮮烈なヴィジョンに貫かれています。
写真については(ネガフィルムの未発見または劣化による10枚を除いて)原ネガをスキャンしたデータを調整し作成された
デジタル・プリントを原版として使用し、その陰翳と質感を晩年の東松照明の意図に沿うように刷新しました。
『新編 太陽の鉛筆』は、『1975』と『2015』の2分冊により、歴史化された作品のもつ
写真と思想の可能性を現在に呼び出す批評的な試みであり、未来への大きな問いかけを孕んで蘇るものとなっています。
『太陽の鉛筆 1975』は、既に絶版となって久しい、初版『太陽の鉛筆』を基本的な構成や順序は変えずに新たな装いで書籍化したものです。
一方、『太陽の鉛筆 2015』は、基本的に『太陽の鉛筆』以後の既発表・未発表の作品のなかから103点の写真を選び、
『太陽の鉛筆』に込められた南方への眼差しを引き継ぐ新たな編集意図によって配列し、二人の編者による論考を付したものです。
東松が晩年に「亜熱帯」というタイトルで構想していた熱帯植物のシリーズや、五度にわたるバリ島への旅など、移動と再-棲息化への鮮烈なヴィジョンに貫かれています。
写真については(ネガフィルムの未発見または劣化による10枚を除いて)原ネガをスキャンしたデータを調整し作成された
デジタル・プリントを原版として使用し、その陰翳と質感を晩年の東松照明の意図に沿うように刷新しました。
『新編 太陽の鉛筆』は、『1975』と『2015』の2分冊により、歴史化された作品のもつ
写真と思想の可能性を現在に呼び出す批評的な試みであり、未来への大きな問いかけを孕んで蘇るものとなっています。
著者について
東松照明|Shomei Tomatsu
1930年生。戦後日本を代表する写真家のひとり。岩波写真文庫をへてフリーランスとして活躍。
1959年には、奈良原一高らとセルフエージェンシーVIVOを設立。
1961年に長崎を取材し、土門拳らとの共著『hiroshima-nagasaki document 1961』を刊行。同書で第5回日本写真批評家協会作家賞を受賞。
1972年に沖縄に移住し、沖縄の島々に東南アジアでの撮影も交えた『太陽の鉛筆』(1976年)を発表。同書で毎日芸術賞、芸術選奨文部大臣賞を受賞。
1974年には荒木経惟、森山大道らとWORKSHOP写真学校を開校。
1992年 にメトロポリタン美術館にて、1996年には東京国立近代美術館フィルムセンターにて個展開催。
1999年に東京都写真美術館にて回顧展「日本クロニクル」開催。
2000年に「長崎マンダラ」展(長崎県立美術博物館)を開催以降、「沖縄マンダラ展」(浦添市立美術館)、「京まんだら展」(京都国立近代美 術館)、
「愛知曼荼羅展」(愛知県美術館)、「東京曼荼羅展」(東京都写真美術館)と、日本曼荼羅シリーズを各地で開催した。
また、2004年より 2007年にかけて回顧展「Skin of the Nation」が、アメリカ、ヨーロッパ各地を巡回。
2012年没。
伊藤俊治|Toshiharu Ito
美術評論家、写真評論家、美術史家。東京芸術大学美術学部先端芸術表現科教授。
秋田県生まれ。東京大学文学部美術史学科卒業。西洋美術史を専攻。多摩美術大学教授を経て、東京芸術大学美術学部先端芸術表現科教授。 翻訳を含め、特に内外の写真史においても著書を多数刊行している。1985年のつくば写真美術館'85の企画にも参加。 1987年に著書『ジオラマ論』により、サントリー学芸賞を受賞している。
今福龍太|Ryuta Imafuku
文化人類学者・批評家。東京外国語大学大学院教授。
東京都生まれ。栄光学園高等学校、東京大学法学部卒業。1982年より、メキシコ・キューバ・ブラジルにて人類学的調査に従事。 87年、テキサス大学オースティン校大学院博士課程単位取得(人類学・ラテンアメリカ研究)。エル・コレヒオ・デ・メヒコ、中部大学、 慶應義塾大学SFC、カリフォルニア大学サンタクルーズ校等で勤務・研究ののち1998年に札幌大学教授、2005年から東京外国語大学大学院教授。 2000年にはサンパウロ大学日本文化研究所客員教授を務め、現在はサンパウロ・カトリック大学客員教授として同大学コミュニケーション・記号学研究科大学院にて随時セミナーを持つ。 山口昌男の影響のもと、いちはやく狭義の文化人類学から周辺諸領域へと越境し、従来の学問の枠に収まらない自在な筆およびフィールドワークで独自の世界を構築する学者である。
1930年生。戦後日本を代表する写真家のひとり。岩波写真文庫をへてフリーランスとして活躍。
1959年には、奈良原一高らとセルフエージェンシーVIVOを設立。
1961年に長崎を取材し、土門拳らとの共著『hiroshima-nagasaki document 1961』を刊行。同書で第5回日本写真批評家協会作家賞を受賞。
1972年に沖縄に移住し、沖縄の島々に東南アジアでの撮影も交えた『太陽の鉛筆』(1976年)を発表。同書で毎日芸術賞、芸術選奨文部大臣賞を受賞。
1974年には荒木経惟、森山大道らとWORKSHOP写真学校を開校。
1992年 にメトロポリタン美術館にて、1996年には東京国立近代美術館フィルムセンターにて個展開催。
1999年に東京都写真美術館にて回顧展「日本クロニクル」開催。
2000年に「長崎マンダラ」展(長崎県立美術博物館)を開催以降、「沖縄マンダラ展」(浦添市立美術館)、「京まんだら展」(京都国立近代美 術館)、
「愛知曼荼羅展」(愛知県美術館)、「東京曼荼羅展」(東京都写真美術館)と、日本曼荼羅シリーズを各地で開催した。
また、2004年より 2007年にかけて回顧展「Skin of the Nation」が、アメリカ、ヨーロッパ各地を巡回。
2012年没。
伊藤俊治|Toshiharu Ito
美術評論家、写真評論家、美術史家。東京芸術大学美術学部先端芸術表現科教授。
秋田県生まれ。東京大学文学部美術史学科卒業。西洋美術史を専攻。多摩美術大学教授を経て、東京芸術大学美術学部先端芸術表現科教授。 翻訳を含め、特に内外の写真史においても著書を多数刊行している。1985年のつくば写真美術館'85の企画にも参加。 1987年に著書『ジオラマ論』により、サントリー学芸賞を受賞している。
今福龍太|Ryuta Imafuku
文化人類学者・批評家。東京外国語大学大学院教授。
東京都生まれ。栄光学園高等学校、東京大学法学部卒業。1982年より、メキシコ・キューバ・ブラジルにて人類学的調査に従事。 87年、テキサス大学オースティン校大学院博士課程単位取得(人類学・ラテンアメリカ研究)。エル・コレヒオ・デ・メヒコ、中部大学、 慶應義塾大学SFC、カリフォルニア大学サンタクルーズ校等で勤務・研究ののち1998年に札幌大学教授、2005年から東京外国語大学大学院教授。 2000年にはサンパウロ大学日本文化研究所客員教授を務め、現在はサンパウロ・カトリック大学客員教授として同大学コミュニケーション・記号学研究科大学院にて随時セミナーを持つ。 山口昌男の影響のもと、いちはやく狭義の文化人類学から周辺諸領域へと越境し、従来の学問の枠に収まらない自在な筆およびフィールドワークで独自の世界を構築する学者である。
登録情報
- 出版社 : 赤々舎; New版 (2015/12/25)
- 発売日 : 2015/12/25
- 言語 : 日本語
- 大型本 : 432ページ
- ISBN-10 : 4865410422
- ISBN-13 : 978-4865410426
- 寸法 : 25.65 x 3.81 x 22.86 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 754,358位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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カスタマーレビュー
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5つのうち4.4つ
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全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2024年5月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
東松さんは大好きです。以前はネットで10万円以上の値段がついてましたので、ピックアップした写真を見て満足してました。東松さんの被写体に対する温かな眼差しが好きです。プリージングアースも出版して欲しいけど、諫早湾干拓の政治的な問題と絡むから、無理なのかな?今はなくなりつつある日本の良さや悲しさを一冊に収めてある写真集。他の物も再発行をお願いしたいです。こんな時代だから、なおのこと。
2016年1月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
待ちに待った貴重な写真集、別冊の付録も嬉しい内容です。推薦!
2019年2月26日に日本でレビュー済み
「太陽の鉛筆 1975」と「太陽の鉛筆 2015」の2分冊から成る。
「1975」は絶版となった初版本の再書籍化。
写真はもちろんのことだが、文がまたいい。
東松照明の人柄が実によく表れていると思える。
「2015」で編者によって選ばれた写真(103点)が加わり、
「1975」の思想性が補完・強化されている。
東松照明の眼差しに対する編者二人の論考も興味深い。
「太陽の鉛筆」は再評価されていい。
島々をめぐる今日的状況下で、その輝きはさらに増している。
「1975」は絶版となった初版本の再書籍化。
写真はもちろんのことだが、文がまたいい。
東松照明の人柄が実によく表れていると思える。
「2015」で編者によって選ばれた写真(103点)が加わり、
「1975」の思想性が補完・強化されている。
東松照明の眼差しに対する編者二人の論考も興味深い。
「太陽の鉛筆」は再評価されていい。
島々をめぐる今日的状況下で、その輝きはさらに増している。
2020年10月15日に日本でレビュー済み
大好きな東松照明! この本の出版を待っていたが買えない。書店では厳重にビニールパックされ中身も見えず、気楽に払える金額でもない。古書でも見ない。若者は手を出すか? 企画・販売元の神経を疑う。東松照明氏が哀れでならない。分冊再出版を望む。
2020年2月28日に日本でレビュー済み
沖縄出身の私にとっても心奪われる写真の数々です。見ることへの欲望そのものに感動です。