著者のGillian Roseは、1962年生まれの研究者であり、同姓同名の哲学者(1947-1995)とは別人である。
「日本語版への序文」には、明らかな誤訳がある。それは、
>本書の大部分は、私が最初に教鞭を執ったクィーンメアリーアンドウエストフィールド大学、およびロンドン大学在任中に書いたものです。
とあるが、Queen Mary and Westfield CollegeはUniversity of Londonの一部であるから、これは明らかにおかしい。
それはともかく、この本は全体として非常に役立つ概観書である。日本ではマルクス主義およびフェミニズムと地理学というテーマ自体がいまだに問題設定として珍しいからである。地理学の予備知識がなくても読むことができるであろう。
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フェミニズムと地理学 ペーパーバック – 2001/6/1
- 本の長さ277ページ
- 言語日本語
- 出版社地人書房
- 発売日2001/6/1
- ISBN-104885010918
- ISBN-13978-4885010910
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
「地理学の範囲内で地理学に容認されうる地理学的知を創造するために考えることとは、男性主義的な主体としての立場を占めることである」と主張し、地理学的知の状況を丹念に確認。その限界を打破する議論を展開する。
登録情報
- 出版社 : 地人書房 (2001/6/1)
- 発売日 : 2001/6/1
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 277ページ
- ISBN-10 : 4885010918
- ISBN-13 : 978-4885010910
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,741,196位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 805位地理学・地誌学
- カスタマーレビュー:
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2010年3月11日に日本でレビュー済み
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フェミニズムと地理学という一見したところ意外な組み合わせを主テーマとする。しかしよく考えれば意外でも何でもない。女性は、近代社会においては、家庭という特殊な「場所」に縛られてきた。空間の問題は女性解放にとって一つの重要なテーマである。
これまでの地理学(自然地理学から人文地理学、マルクス主義地理学まで)は、一般に男性中心の科学の中でもとりわけ男性中心の世界だが、その中で、これまで地理学がいかに男性的な見方に支配されてきたかを取り上げ、フェミニズムと地理学の双方の発展をめざす。
男性的地理学は自然に対して主として2つの見方を持つ。1つは、自然を科学的な探査と征服の対象と見る科学的自然観。そこでは自然=女性は、地理学者=男性にとって支配の対象である。もう1つは、それとは一見対照的であるが、やはり男性的な見方であり、自然を賛美し、あがめる審美的自然観である。そこでは自然=女性は、地理学者=男性によって、まるで美しい女性を崇めるように崇められる。
この2つは相互に補完しあって主流地理学の景観を形成する。こうした見方に対するさまざまなフェミニズムからの批判も詳しく取り上げられるが、そうした批判についても著者は一定の共感しつつも批判的に吟味していく。
というわけで、フェミニズムと地理学というテーマに関する学会の理論状況が概観されており、この問題に興味ある人にとっては非常に便利な書である。
これまでの地理学(自然地理学から人文地理学、マルクス主義地理学まで)は、一般に男性中心の科学の中でもとりわけ男性中心の世界だが、その中で、これまで地理学がいかに男性的な見方に支配されてきたかを取り上げ、フェミニズムと地理学の双方の発展をめざす。
男性的地理学は自然に対して主として2つの見方を持つ。1つは、自然を科学的な探査と征服の対象と見る科学的自然観。そこでは自然=女性は、地理学者=男性にとって支配の対象である。もう1つは、それとは一見対照的であるが、やはり男性的な見方であり、自然を賛美し、あがめる審美的自然観である。そこでは自然=女性は、地理学者=男性によって、まるで美しい女性を崇めるように崇められる。
この2つは相互に補完しあって主流地理学の景観を形成する。こうした見方に対するさまざまなフェミニズムからの批判も詳しく取り上げられるが、そうした批判についても著者は一定の共感しつつも批判的に吟味していく。
というわけで、フェミニズムと地理学というテーマに関する学会の理論状況が概観されており、この問題に興味ある人にとっては非常に便利な書である。