細野不二彦著の「ギャラリーフェイク」（コミックス25巻）を読んで絵金を知りました。おどろおどろしく殺伐していて凄惨な絵はとても万人向けとは言えませんが、インパクトがあり興味を持ちました。打ち首、血しぶきが多く描かれており、血みどろの絵師と言われた所以です。現存されている絵が全て何点あるのか存じませんが、ここではそれぞれストーリーのある23点の屏風絵が収録されており 巻末にはその解説があります。
なぜこのような絵を描くようになったか、絵金の人物・時代背景など、学術的な内容詳細はあまり書かれていませんが、関係者の対談以外のページはカラーで、絵を中心にまとめられています。価格も比較的手頃ですし「どういう絵を描いたのか？」と知りたい方の、最初のとっかかりとしては良いかと思います。
絵金祭りは高知県赤岡町で毎年7月第3土・日曜日に開催されていますが、祭りではロウソクで照らしながらこの屏風絵を見せているそうです。前述の「ギャラリーフェイク」からのセリフですが、『ある瞬間、ふいに古くさい芝居絵が、血が通ったように見えるんです。まるでひなびた町がこの夜だけは怪しげな生気を取り戻すように。』 この画集を見て、−ゆらゆらとロウソクで照らされた中で「現物」を見てみたいと思いました。
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