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地域アート――美学/制度/日本 単行本 – 2016/3/10
◆藤田直哉 前衛のゾンビたち――地域アートの諸問題
◆星野太×藤田直哉 まちづくりと「地域アート」――「関係性の美学」の日本的文脈
◆加治屋健司 地域に展開する日本のアートプロジェクト――歴史的背景とグローバルな文脈
◆田中功起×遠藤水城×藤田直哉 「地域アート」のその先の芸術――美術の公共性とは何か
◆清水知子 Shall We “Ghost Dance"? ――ポスト代表制時代の芸術
◆藤井光×藤田直哉 エステティック・コンディション――美学をかこむ政治や制度
◆北田暁大 「開かれる」のではなく「閉じられているがゆえに開かれている」 ――社会とアート
◆会田誠×藤田直哉 地域アートは現代美術家の〝役得〞――アーティストは欲張りになれ
◆じゃぽにか(有賀慎吾・村山悟郎)×佐塚真啓×藤田直哉 日常化したメタ・コンテクスト闘争――「誰でもデュシャン」の時代にどう芸術を成立させるか br> あとがき
- 本の長さ456ページ
- 言語日本語
- 出版社堀之内出版
- 発売日2016/3/10
- 寸法18.8 x 13 x 2.8 cm
- ISBN-104906708552
- ISBN-13978-4906708550
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登録情報
- 出版社 : 堀之内出版 (2016/3/10)
- 発売日 : 2016/3/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 456ページ
- ISBN-10 : 4906708552
- ISBN-13 : 978-4906708550
- 寸法 : 18.8 x 13 x 2.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 164,310位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 282位芸術理論・美学
- - 31,403位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
1975年札幌生まれ。キュレーター。2004年、九州大学比較社会文化研究学府博士後期課程満期退学。 2005年、若手キュレーターに贈られる国際賞「Lorenzo Bonaldi Art Prize」を受賞。「Singapore Biennale 2006」ネットワーキング・キュレーター。2007年、Asian Cultural Councilフェローとして米国に滞在。同年より2010年までアーカス・プロジェクト(茨城県・守谷市)のディレクターを務める。2011年より「東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス」エグゼクティブディレクター。2017年から2021年にかけてハノイに設立されたVincom Center for Contemporary Artの芸術監督に就任。国際美術評論家連盟会員。京都芸術大学客員教授。
【自己紹介】1971年神奈川県生まれ。東京大学情報学環教授(社会学、メディア史)。博士(社会情報学)。東京大学文学部社会学科、同大学大学院人文社会系研究科修士課程修了、博士課程退学。東京大学社会情報研究所助手、筑波大学社会学系講師、東京大学社会情報研究所助教授、同大学情報学環准教授を経て現職。現在は、アメリカ社会調査史を中心に、調査という社会的行為の歴史をたどり返している。ドイツの戦時期にも手を付けないとといけないとびびっています。最新刊は『社会制作の方法』勁草書房。なんとか春までには有斐閣から社会学の教科書(というか講義録)を出したいと思っています。
1975年生まれ。アーティストやキュレイターなどのインタビューを収録するポッドキャスト・プログラム「言葉にする」や、アートにおける諸問題を検討するメール往復書簡「質問する」を企画し(共にここより→ http://kktnk.com/alter/)、同時に国内外の展覧会にも参加。無意識に人びとがとる振る舞いに隠された意味や、ある限定された状況における人びとや動物の反応への興味をもとに、映像や立体、絵画や写真、テキストやコラボレーション、パフォーマンスを中心とした制作活動を展開。活動全般を通してひとつの物事・出来事・状況が持ちうるオルタナティブを模索している。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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本書は、SF・文芸評論家である編著者が、文芸誌「すばる」(2014年10月号)に寄稿した『前衛のゾンビたち 地域アートの諸問題』に、とても大きな反響が寄せられたのが、そもそものはじまりらしい。書籍冒頭に『・・ゾンビたち』が掲載されてある。
「地域アート」については、「まえがき」に次のように示されている。《「地域アート」とは、ある地域名を冠した美術のイベントと、ここで新しく定義します。//「地域アート」は、「現代アート」から派生して生まれた、新しいジャンルです。//現代の日本において「地域アート」は非常に盛んになっています》。《「地域アートは、今までの芸術と異なって、関わる人が膨大に広がっていることも大きな特徴です。作家、キュレーターだけでなく、運営をサポートするボランティアの人たち・・略・・観客も重要な「芸術」の担い手と看なされています。時には、そのような人々の繋がりや参加そのものが作品の本体となることも起こっています》。《そのような新しい芸術が、なぜ生まれ、このように盛んになっているのか、その背景、そこにある美学、それから問題が、本書が明らかにしようとするものです》。
『前衛のゾンビたち』には、《彼ら(マルセル・デュシャン、アンディ・ウォホル)の作品は、一般に「現代アート」と呼ばれている。だが、今、最も隆盛している「現代アート」は、こうした作家の作品ではない。今や主流となりつつあるのは「地域アート」なのである》と、ある。つまり、今や、地域ーローカルー地方ー田舎のイメージさえある芸術が、最前衛の芸術を意味するらしい。すくなくとも、「地域アート」が、「現代アート」のいまを形作っているといっていいのだろう。
その「地域アート」には、いわゆる「問題」があるという。ひとつには、“制度”のなかに組み込まれてあること。作家の内面から「自由」に創造されるものでないこと。さらには、“日本”の文化政策の一部として、政府や自治体から「助成」を受けていること。それが、書籍の主題に付随する「制度」「日本」の意味するところで、それを軸に「地域アート」に迫ろうという意図が示されている。“美学”は「感性・認識の学」という意味で、《芸術作品を鑑賞・享受する「感性・認識」が、大きく変動する時期に入っているのではないかという仮説》が、本書で検討されることを意味する。
本書は、評論、対談、鼎談、の集成で、論議はアートしろうとにも分かるレベル。芸術の本を意識しての装丁はいいのだが、紙面印字がブルーで、読むのに難儀した。せめて印字ポイントをもう少し大きくして欲しかった。