ホメロスとのかかわりという視点から『テレマックの冒険』を読んでいる既存の論文 2 本にまず言及しておく。 1 つ目はラナヴェールの「『テレマックの冒険』における 2 つの古代」である。 2 つとは所謂ギリシア・ラテンの古代と、キリスト教的古代のこと ...
... 冒険の連続はなく、事件は登場人物の心理的葛藤に終始する。『マノン・レスコー』はこの一一つの在来の小説の伝統をみごとに融和させたもので、これにさらにベつの、すでに一時期流行した二つの要素を加味した。そのひとつは、フェヌロンが『テレマックの冒険 ...
... テレマックの冒険』を書いた。オジジーはイオニア海にある島で、ここに住むこンフであるカリュプソは漂着したオデュッセウスを迎えて一〇年間ここに引き留めた]が歌ったあの有名なオジジーであるとパガネルは感激して言った。彼はレイディ・グレナヴァン ...
... テレマックの冒険」( 1699 )に着想を得たものと見られる。オデュッセウスとペネロペの息子テレマコスが、カリュプソのニンフの一人エウカリスと純潔で情熱的な恋に陥るが、親孝行のつとめのため別離をやむなくされるというくだり。ダヴィッドは、この親密 ...
... テレマックの冒険』は古典時代の傑作のひとつに数えられることになった。テレマックとはいうまでもなくトロイ戦争の英雄オデュッセウスの息子である。ホメロスの『オデュッセイア』では、トロイ陥落後も数々の苦難に見舞われてイタケーに戻らぬ父を探して ...
... テレマックの冒険」解説<テレマックの冒険上 7 ェヌロン著朝倉剛訳現代思潮社'69 p283 ~ 306 > [図書] 18971 朝倉剛 18972 朝倉 18973 Asano , Fumiko 18974 ジイドフェスロン著「テレマックの冒険」解説(承前) <テレマックの冒険下フェヌロン著朝倉剛訳 ...
... テレマックの冒険』の舞台を庭園にしようとしたもの。テレマックが、父オデュッセウスが捕われている魔の島オギギアに赴き、冒険を重ねて自立してゆくというギリシア神話に題材をとった教養小説と言うべき物語である。宮廷の皇太子養育係だったフェヌロン ...
... 冒険』ルイ十四世の孫ブルゴーニュ公爵の師傅フェヌロン(一六五一一一七一五)の教育小説。オデュッセウスの息子テレマコス(テレマック) ... テレマックが最初に辿りついた女神カリュプソの島の、女神に仕えるニンフの一人。テレマックと恋におちいる ...
... テレマックの冒険」は、フランスの十八世紀初頭を代表する書物の一つと言っても過言ではない。ルソー自身も、その約六〇年後に刊行された『エミール」第五編において、それをソフィの愛読ルソーにおける「自然的善性」の観念の萌芽( 1 )フェヌロン ...
... テレマックの冒険」(一六九九)を翻訳した宮島春松訳「哲烈禍福譚」(大盛堂一八七九)が挙げられる。トロイ陥落後、海上を放浪した冒険譚の主人公オデュッセウス王は、ホメロスの叙事詩「オデュッセイア」で名高いが、「テレマックの冒険」は、その息子 ...