日本近代文学の出立。政治小説は文学場の力学が抑圧した近代小説の失われた諸相を具現するジャンルであり、その研究は現代の読者の小説観を修正し、文学への態度変更を迫る ...

... 小説萃錦』創刊に関して「今や雑誌の新刊、稗史の発兌は世上の流行となり」と、また二十一年十二月二十一日『国民之友』掲載 ... 政治小説」を嘆いた蘇峰の最初の批評「近来流行の政治小説を評す」(二十年七月十五日『国民之友』)に兆しをみてもよい。だが ...

... 文学叢刊第二~四巻政治小説研究上・中・下巻』、春秋社、一九三五年)、『随筆、明治文学』正・続(春秋社、一九三六・一九三八年)、「政治小説の一般(二)」(『明治文学全集 6 明治政治小説集(二)』筑摩書房、一九六六年)などで、広義の「政治小説」の定義 ...

柳田泉. 15 ヂスレーリの政治小説( 1 )ヂスレーリの政治小説ビコンズフィールド伯ベンジャミン・ヂスレーリの政治小説乃至人情小説が、わが国に紹介移入されたのは、そう多しとしない。まず明治十七年『春鶯囀』( Coningsby )明治十九年『政海之情波 ...

... 研究号 6 二柳田泉政治小説研究上・中・下昭 10 上巻は 随生 26 近代日本文学講座第三巻 、研究前記として政治小説研究の必要、政治小説発展の背景、政治小説発展の概観、政治小説以前の政治的文学、の四章を掲げ、研究本記には、「銀箱情海波瀾」と戸田 ...

... 政治小説の文学史的意義はなにか(このなかに、文学革新運動との関係、および三〇第一節文学研究前記は、まず政治小説研究の必要論からはじまり、その歴史的背景としての自由民権運動の政治史的概観、明治一〇年代の文学環境の叙述があり、これらとの広い ...